三人の名付け親

劇場公開日:

解説

「静かなる男」と同じくジョン・フォードとメリアン・C・クーパーが主宰するアーゴシイ・プロ製作の1949年作品。すでに3回映画化されているピーター・B・カインの原作を、「黄色いリボン」のローレンス・ストーリングスと「静かなる男」のフランク・S・ニュージェントが脚色し、「栄光何するものぞ」のジョン・フォードが監督したテクニカラー作品。撮影は「静かなる男」のウィントン・ホック、音楽は「黄色いリボン」のリチャード・ヘイゲマンの担当。主演は「静かなる男」のジョン・ウェイン、「アパッチ砦」のペドロ・アルメンダリス、「黄色いリボン」のハリー・ケイリー・ジュニア(初出演)の3人で、「静かなる男」のワード・ボンド、「リオ・グランデの砦」のベン・ジョンソン、「アパッチ砦」のメイ・マーシュ、「静かなる男」のミルドレッド・ナットウィック、ジェーン・ダーウェルらが助演する。

1949年製作/107分/アメリカ
原題または英題:3 Godfathers
配給:メトロ日本支社
劇場公開日:1953年5月20日

ストーリー

アリゾナのウェルカムにやって来た3人の男が、突然町の銀行を掠奪して砂漠の中に逃れていった。3人のうち首領格は逞しいボッブ(ジョン・ウェイン)で、あとの2人は中年のピート(ペドロ・アルメンダリス)とまだ年若いキッド(ハリー・ケイリー・ジュニア)であった。烈日を浴びて砂漠を行く彼らは渇に苦しんだが、深傷を負っているキッドは1人耐えがたかった。砂漠には所々に旅人のための水槽タンクがあり、彼らはその1つであるマジャヴ・タンクへと急いだが、そこはすでに町の役人スイート(ワード・ボンド)が部下とともに先回りしていた。彼らは追手の裏をかき逆戻りしてテラピン・タンクへ向かった。そこには1台の幌馬車が止まっており、中に1人の若い婦人がいた。ニュー・イエルサレムから来た彼女は身重の体であり、まもなくピートの世話で赤ん坊を生み、3人に赤ん坊のことをくれぐれも頼みながら死んでいった。3人は途方にくれたが、婦人の残していった聖書に力を得てニュー・イエルサレムに赤ん坊を連れて行くことにした。しばらくしてテラピン・タンクに来たスイートは幌馬車の中に残されていた婦人の衣類が彼の姪のものであると知って、3人が彼女を殺したものと思い、ますます彼らに対する憎悪に燃えた。その頃3人は死の苦しみと闘っていた。キッドは死に、ボブとピートは赤ん坊をいたわりながら砂漠をさまよったが、突然ピートは足を折り、いまはこれまでと自殺した。ボブは1人、最後の力をふり絞り、倒れては立ち遂々ニュー・イエルサレムに辿り着いた。スイートはボブを捕らえた。一部始終を聞いた彼は、憎悪の念も消え感謝の気持ちさえ湧いた。だが銀行掠奪の罪は消えず、ボブは自ら名づけ親となったこの赤ん坊をスイート夫人の手に預け、潔く引かれて行った。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

4.0【”贖罪と魂の浄化の旅”今作は、銀行強盗を犯した三人の男が逃亡中に砂漠で、死の間際の母親から乳飲み子を託され、名を付けて命懸けで子を救う姿を描いた作品である。ラストの判事の粋な裁きも良き作品である。】

2024年10月8日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

知的

幸せ

ー 名匠、ジョン・フォード監督の作品は数作観て来たが、当たり前だが、どれも面白い。今の所「わが谷は緑なりき」が一番のお気に入りであるが、マダマダ素敵な作品が埋もれているのだろうなあ。
  今作は、テイストとしてはキリスト教色が強いが、特に気にはならない。
  それよりも、人間の善なる心を見事に描いた作品だと思う。ー

■銀行強盗に失敗して、砂漠に逃げ込んだボブ(ジョン・ウェイン)、ピート(ペドロ・アルメンダリス)、キッド(ハリー・ケリー・Jr)は追われる中、水袋を撃ち抜かれ、水がない中、砂嵐の一晩をやり過ごす。
 その後3人は、大破した駅馬車で死にそうな母親を発見する。
 そして、末期の母親から男の赤ん坊を託され、夫々の名前を付けた無茶苦茶長い名前”ロバート・ウイリアム・ペドロ・ハウアー”と名付け、赤子と共に過酷な砂漠での逃亡を続けるのであった。

◆感想

・3人が水を求めて砂漠を流離う中、出会った赤子。彼らは、まるで贖罪するかのように善性を出し、サボテンから水を絞り出し赤子に与えるのである。自分達は、一滴も水を飲まずに・・。

・追うスイート保安官たちの姿は余り描かれず、焦点は只管に3人を映し出す。だが、渇水と疲労の中キッドが斃れ、続いて足を怪我したピートが足手まといにならない様に、拳銃で自死する。

・そして、独りでフラフラと赤子を抱え歩くボブに、キッドとピートの幽霊が”パブに着けば、冷たいビールがあるぞ!”などとを励ましの言葉を掛けるシーンは沁みる。
 二人は、命を失っても自らの名前の一部を名付けた赤子を助けるために、幽霊になっても赤子を助けるのである。
 このシーンは、沁みたなあ。

<そして、漸くボブはパブに着く。そこに追いついたスイート保安官たちの前で、ボブは昏倒する。
 だが、居合わせた判事は、3人が赤子を助けた事を鑑み、ボブに対して寛大な刑を言い渡すのである。
 そして、ボブたちと面識が有ったスイート保安官とその妻は、獄中のボブを食事の際には牢から出して、共に食事を摂るのである。
 今作は、銀行強盗を犯した三人の男が逃亡中に砂漠で、死の間際の母親から乳飲み子を託され、名を付けて命懸けで子を救う姿を描いた作品である。ラストの判事の粋な裁きも良き”人間の善性”を描いた作品なのである。>

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NOBU

3.5赤ちゃんは、希望ですね。

2024年9月28日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

赤ちゃんは、希望ですね。

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光陽

4.0いい映画は何度でも

2024年8月26日
PCから投稿

10年ぶりくらいに見た。
というのを途中から思い出した。

銀行強盗と赤ちゃん。
この組み合わせもユニークだし、「聖書」がキーワードになってるのも。
アメリカらしいかな。

でそこに追いかける保安官との関係ややりとり。
見ている方に「ああ、あそこのあれね」と想像させるところも。
面白い。

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ゆき@おうちの中の人

4.0西部劇の装いでジョン・ウエイン主演の清教徒的使命達成劇

2023年10月9日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

知的

幸せ

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Kazu Ann