劇場公開日 1952年10月9日

生きる(1952)のレビュー・感想・評価

全71件中、41~60件目を表示

5.0何をしてきたのか、これからどうするのか、人生の分岐点に観る

2022年4月25日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

笑える

興奮

あまた作られている、単なる闘病物ではない。
人生哲学×人間ドラマ×組織批判×社会風刺×エンターテインメント。
悲劇であり、喜劇。
これだけいろいろなものが詰め込まれているのに実にシンプル。
そして、揺るぎない主人公の存在感。
脚本×演出×音楽×映像。これらすべてが、志村氏の演技を際立たせていると同時に、
志村氏の演技が、技巧を凝らした映画を可能にさせている。
他には有り得ない、唯一無二の映画。

「人を憎んでいる暇なんてない」
 自分にとって大切なもののためなら、自分をないがしろにされた、嫌味を言われた。そんなプライドなんてちっぽけなこと。
 後頭部を殴られたような気がした。
 喜怒哀楽。人間にとってはとても大切な感情。だが、それをも凌駕するこの決意。なんと鬼気迫る言葉!
 ちっぽけなプライドのために、見失ってしまう大切なもの。
 ちっぽけなプライドすら乗り越える、人としての器。鬼迫。
 何が大切なのかを見極める。
 反省させられた。

☆  ☆  ☆

死を目前にして、自分の小さな器を大きくした男の一代記なのかと思っていた。絶望の淵から希望・生の意味を見つけ、徐々に周りを巻き込んでカタルシスを得るというような話だと、安易に思っていた。

だが、黒沢監督はそんな安易なつくりにはしなかった。

 前半、自分の死期が迫っていることを知る主人公。
 それを知った行きずりの男が「それでは、メフィストフェレスとなりましょう(思い出し引用)」と、主人公が今まで経験したことのない世界に連れ出す。
 その主人公の”初めての経験”が、死期が迫る主人公の陰鬱さと同時に、おかしみをもって描き出される。そのバランス!!!
 かつ、そんな奇妙な行動に出た主人公を取り巻く人々の反応が、頓珍漢で滑稽味を出す。

 そして、残りの人生をかけるものを見つけ、死を意識しながらも生き生きと鬼気迫る様相で活躍する主人公の姿が見られるのかと思ったら…。
  (人生かけるものを見つけた男の後ろで歌われるのは「Happy birthday」だし)

 いきなり、映画の半分くらいで、主人公は亡くなってしまう。
 やられた。
 通夜の席で、主人公と公園をめぐって、関係者が回顧していく。そこに浮かび上がる人々・行政の思惑が空回りしていく。まるで舞台劇を見ているみたいだ。
 しかも、誰もが主人公の想いを自分の器で図っていくだけで、主人公の気持ちや決意を知らないで、勝手なことを言い募る。なんていう孤独。私だったら、化けて出そうだ。
 生涯かけて育て上げた息子でさえ、主人公の真意を知らない。何度か、主人公は息子に打ち明けようとしたのに、それを阻止しておいて、「知っていたら僕に言ってくれたはずだ」って、あなた…。なんという孤独、そしてむなしさ。
 組織への痛烈な批判。(縦割りで事が動かないのは役所だけではない)
 ”今”を生きる人々への痛烈な批判。
 そして、観客が喜びそうなカタルシスが得られたかに見えて、極めつけのオチで終わる。

 そんな基盤を横軸に、主人公の生きざまが物語を進める縦軸として交差する。
 人生への後悔。生命力あふれる若々しさへすがりつき。迷走を経て、なすべきことへの妄執・鬼迫。孤独。「男は黙ってサッポロビール」の時代だっけ?否、説明して了解を得る時間さえ惜しかったのだろう。「憎む時間さえない」のだから。
 死にゆく自分。長年付き合ってきた人にも誰にもわかってもらえていない真意。孤独・孤独・孤独。
 それなのに…。有名な一人でこぐブランコのシーン。静かに、静かに、響く「命短し、恋せよ、乙女~」。
 そして子どもたちの声で幕が閉じる。

この物語をこれほどまでに深めたのは、黒沢監督の演出。何たる鬼才!
 喜劇的な舞台×陰鬱な主人公。相反するはずの要素が見事に調和して、両方を際立たせている。
 物語の緩急。スパッと切るところと、余韻が残る場面と。
 男の一代記的な構成なら、”男”の人生を追体験するだけで終わってしまうが、このような演出にすることで、社会での位置づけが見えてくる。

そして、何度も書いてしまうけれど、上記の演出を成り立たせているのが、志村氏の演技。「あ、う、」ぐらいのぼそぼそとしたしゃべりなのに、その時々の主人公の気持ちが胸に迫ってくる。なんてすごい役者さんなんだ。

☆   ☆   ☆

最近取りざたされる孤独死。だが、その方が孤独の中に死んでいったのか、満ち足りて死んでいったのかは、本人にしかわからないのであろう。
自分の葬式の風景を考えてしまった。

渡辺課長は、子どもを育て上げたんだから、それだけでも大仕事をしたのだけれど、ミイラのままでは死ねなかった。
歯車だって、それがなければ、そのシステムは動かない。どの歯車だってなければ困る。

けれど、書類の煩雑さ。
渡辺課長の仕事は、書類に判を押して右から左に回すだけ。
今だって、説明責任を果たすために増える事務仕事。微妙に違う様式で、同じ内容を、各方面から報告するように求められる。現場を見ずに、数字・書類だけ見てわかった気になる。統計のマジック。これが何に繋がるかなんて、わからなくなってくる。
 ふうぅ。
 歯車として機能しているのは判るけれど、透明人間にはなりたくない。
 失敗は成功の母と言うけれど、余計なことをしてはみ出したら終わり。KYはこのころからあったんだ。
 どうしようもない世の中に、あきらめかけてしまう私の心の中に、いつまでも主人公の歌声が響いてくる。

☆  ☆

PS。予告も傑作です。予告だけでドラマしている。人生をつきつけられる。

コメントする 1件)
共感した! 14件)
とみいじょん

4.0昭和27年の衣食住

2021年10月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

映画の素晴らしさは、他の皆様が書いてくれているのでカット。
特筆すべきは昭和27年の風俗です。
食事・住まい・職場の風景など。
なかでもファッションには目を見張るものがあります。
通夜(葬儀)の場面での皆様の衣装。
今一般的に皆様がお召しになる、いわゆるブラック(礼服)ではないのです。
ウイングカラーにモーニング(ということはこの場面は夜に見えたけど昼なのか?)あるいは普通のスーツ。喪主に至っては羽織袴、その妻は着物の黒喪服だが帯締・帯揚がともに白、裾廻しも黒ではない。
こんなことを考えながら見る名作もなかなか良いものです。
船堀シネパルで上映中の黒澤映画。「生きる」は今日まで。
明日からは「用心棒」、次の週は「七人の侍」です。

コメントする 1件)
共感した! 6件)
ぺん太

3.5ストーリー 6.5 演技 7.5 芸術 6.5 エンタ 6 総合 ...

2021年6月15日
iPhoneアプリから投稿

ストーリー 6.5
演技 7.5
芸術 6.5
エンタ 6
総合 7
面白かった、のは
志村喬って凄い味がありますねぇ。有名な台湾人と結婚したEXILEのダンサーに似てると思うのは私だけかしら。

コメントする (0件)
共感した! 3件)
林秀吉

4.0生きるの原作はゲーテのファウスト

2020年12月21日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

すでに気づいている人もいるかもしれませんが、「生きる」は内容がゲーテのファウストにそった筋になっています。主人公が飲み屋でメフィストフェレスみたいな人物に出会いますが、そのとき野良犬が入り口から入ってきます。これはファウストがメフィストフェレスに出会う本の場面のそのままの引き写しになっています。この映画を見るのにファウストを読んでいる必要はありませんが、筋立てや道具立てを理解するのには役に立つかもしれません。例えば、若い女工さんは、ファウストの中のグレートヘンを模したものでしょう。またファウストはその生涯の最後の仕事として、海を干拓しそれに満足して死を迎えます。これもドブ池を埋めたてて公園にするという形で映画にそのまま取り入れられています。その他類似点はいろいろあると思いますが、探してみてください。
ちなみに、映画「生きる」と「ファウスト」の関係に公に言及したものがなかなか見つかりません。知って見るのと知らないままで見るのとでは、どちらがいいのかは別にして、印象が変わってくる気もします。

コメントする 2件)
共感した! 8件)
Masataka N

5.0生きる

2020年11月14日
iPhoneアプリから投稿

どうせ生きるなら必死で生きようと言うメッセージが感じられる映画でした。命短し恋せよ乙女の音楽もこの映画にピッタリですね。

コメントする (0件)
共感した! 7件)
alextm

4.5タイトルなし

2020年5月21日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

何度見ても、ハッピーバースデーは涙腺が緩んでしまう。話の構造は、実はTV版エヴァンゲリオンだよなあ。この作品は3人脚本家体制、その良いところが出たのではないか。

コメントする (0件)
共感した! 7件)
kazuyuki

5.01番泣いた映画

2020年3月1日
iPhoneアプリから投稿

黒澤明の最高傑作なのではなかろうか。

高校生の時観て、涙が止まらなかった。
観終わってから、風呂場でも泣いてた。
そんな思い出のある映画。

コメントする (0件)
共感した! 12件)
ユート

5.0私達はみなミイラかも知れません

2019年9月13日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

正に神作品
日本映画の枠を超えて世界の映画の中でも屈指の名作だと思います

黒澤監督作品の常連俳優と言えば三船敏郎と志村喬
その志村喬の恐ろしいまでの鬼気迫る演技が全編に満ちています

胃癌による余命宣告による死を意識した事でのマインドセットの転換という劇中の設定になっています
しかし本作のテーマは死を意識したという前提では決してありません

渡辺課長はミイラとあだ名をつけられています
今風にいうならゾンビでしょう
生きているのだか、死んでいるのだかわからない
いや魂は死んでいるのだが、でも生きているのです

役所批判が本作のテーマなぞでは毛頭ありません

それは主人公が生きながら死んでいることを演出として説明するためのものに過ぎないのです
大きな組織はみんな大なり小なりそんなものです

誰もが、家族のために、独身であれば自分が生き残る為に、その為に自己を殺して生きているのです

ミイラのようにならないで働けているひとは本当に幸せです
そんなあなたは、とよのように確かに生きていると言えます
あるいはこれからミイラになってしまうのかも知れません

病院で看護婦さんが言うベロナールは当時の睡眠薬の名前です
無論大量に飲めば死にます
市電の脇のおでん屋むさしで出会う小説家が、店の主人に家で待つ編集者に原稿を届けにいくついでに買いに行かせたアドルムも睡眠薬です
この小説家のモデルはこのアドルムという薬の名前とその後の行動と言動から、なによりその風貌、衣装、丸眼鏡から破滅型の小説家として有名な坂口安吾その人で有ることは明らかです
彼は当時覚醒剤とアドルム中毒で精神錯乱の末、入院して世間を騒がせたことで有名です

その彼がモデルの小説家が渡辺課長に、与えられた生命を無駄にするのは神に対する冒涜だと諭すのです
渡辺課長が黒い犬に酒の肴を落として食べさせるのを二人がじっと見るシーンは、彼が生きる意欲を喪失していることを象徴するものでした

小説家は言います
あなたはこれまで人生の下男だった
人生を楽しむことは人間の義務だと

ゾンビが生きていることを実感するには、これもまた真理です

彼は渡辺課長に人生の快楽を教える代わりに、代償に魂を要求しない善良なるメフィストの役を務めると言います
つまり悪魔の誘惑と言うわけです

メフィストフェレスの化身は黒い犬です
だから彼はおあつらえ向きに黒い犬がいる、早く案内しろというのです

渡辺課長が新しい帽子を被って行く静かなカウンターのバーは文豪が通う店で有名な銀座5丁目のルパンがモデルでしょう
店の雰囲気とカウンターの上のランタンが似ています
きっとそれ以外の彼が連れ回すお店は全部モデルがありそうですが残念ながら浅学で分かりません

新しい帽子は、彼の新しいマインドセットを象徴する記号として全く見事な演出です

しかし引き連れわました果ての娼婦と一緒のタクシーの中で、渡辺課長の余りの哀れさに、自分は悪魔足り得ないと片手で顔を覆い伏せるのです
彼が教えたような快楽では、最早生きている意味を感じこともできず、魂が満たされないほどに、渡辺課長が冷たく死んでいるミイラだと知ったのです

ゾンビになってさ迷う渡辺課長は、結局とよから自分の魂が満たされうる本当の喜びとは一体自分に取って何なのかを掴むのです
ウサギのオモチャの象徴する、シンプルなことでも魂が充足する喜び
そしてハッピーバースデーの歌
本当に素晴らしい感動的な演出でした
特にハッピーバースデーはエヴァンゲリオンの最終回のおめでとうのシーンはこのシーンのオマージュだったのかも知れません

それこそ胃癌という十字架を背負ったキリストが復活した瞬間でした

そしてグダグタの通夜のシーンこそ、エクセホモなのです
この人を見よ!のシーンだったわけです
回想のシーンとは鞭打たれるキリストの光景なのです
そして彼は奇跡を成し天に召されたのです

私達もミイラかもしれません
大野係長は課長に昇進するとたちまちかっての渡辺課長と瓜二つになっています
糸こんにゃくの木村も結局椅子を蹴って立ち上がったものの書類の山に顔を隠すのです
橋の上から背中を丸めて新公園を見下ろしてとぼとぼと去る姿は、彼もまたかっての渡辺課長そっくりです

何の為に生きているのか?
渡辺課長のように新公園を残すような立派なことをなすことでなくてもよいのです
とよのようにオモチャの製品を作ることに喜びを見いだすことでも良いのです
それこそ小説家の言うように快楽の為であっても良いのだと思います

日々を無感動に生きること
それはミイラなのです

死を宣告されたひとや老人だけが渡辺課長ではないのです
中高生でも、大学生でも、新入社員であってもミイラになりえるのです

あなたはミイラになっていませんか?
渡辺課長になっていませんか?
それこそが本作のテーマなのだと思います

死期がせまったからの話ではありません
人間はいつかは必ず死ぬものです
必ず老いるものです

生きているという実感を味わうように貪欲になるべきなのです

ブランコに乗って主人公が歌う有名シーン
「♪いのち短し 恋せよ乙女」の歌い出しで始まるゴンドラの唄です
その歌詞こそ本作のメッセージそのものです

コメントする 1件)
共感した! 33件)
あき240

5.0志村喬のモノマネできます!

2019年4月3日
iPhoneアプリから投稿

35年前から何度も観てますが、すべでよし。
志村喬のアップの表情、実演できます。

コメントする 1件)
共感した! 7件)
Ryuichi Sekiya

4.0死に直面した時の人間の在りようの難しさをひしひしと感じた。鬼気迫る...

2019年2月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

死に直面した時の人間の在りようの難しさをひしひしと感じた。鬼気迫る志村喬の目つきが怖かった。所詮死んでいく気持ちは自分自身でしか分からないものであり取り巻く人々は自分の都合のよい解釈を後づけで語る。時間の経過とともに存在していたことはいずれ消え去ると思うと「生きる」という切なさが募った。

コメントする (0件)
共感した! 11件)
tsumumiki

5.0よくできてる。

2018年5月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

よくできてる。

コメントする (0件)
共感した! 4件)
じとしゅん

3.0考えさせられる

2018年2月4日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

知的

難しい

1952年にコレが作られたってのがすごい。

噛めば噛むほどという映画のうちのひとつ。
日本人の汚い部分もまざまざも見せ付けられて
すごくイヤな気持ちにもなった。
でも、勉強になるし、必要な「イヤな気分」なのだろう。

作家さんの
「人生を楽しむのは人間の義務ですよ」
「貪欲に生きなきゃ。貪欲は悪徳なんて古いんです、
貪欲は美徳なんですよ」
「与えられた生を「生きない」のは神への冒涜ですよ」

これらの言葉が忘れられません。

コメントする (0件)
共感した! 7件)
ひぃちゃん

4.5すばらしかった。★5か迷う。 胃癌(死)の宣告を受けて、生きること...

2017年11月24日
iPhoneアプリから投稿

すばらしかった。★5か迷う。
胃癌(死)の宣告を受けて、生きることの意味を考える深い作品だったと思う。
人間、死が近いものだと実感しないと(すると)生の意味や、生まれてきた意味(使命)を考えないのかな。

喫茶店でのシーン
「死ぬまでに1日でも生きて死にたい」
「何かすることがしたい、しかしそれがわかない」
それに対して女は
「ただ働いて、食べて それだけよ!」
このシーンが印象に凄く残った。
自分もそうだな。ただ食って、寝るの繰り返し。
(生きてる意味はなんだろう??)

5ヶ月で埋め立てから、公園完成っていうのはあのお役所では早すぎる気がしたが、、、

コメントする (0件)
共感した! 8件)
へまち

4.0働いて、食べる。ただそれだけ

2017年10月17日
iPhoneアプリから投稿

吃音の設定なのかな。死を認識してて生きる人の持つ説得力なるものが描かれている。葬儀後の役所の様子の描写に残念ながら納得してしまう現状がある。橋の上からのラストシーンにせめてもの救いがあった。

コメントする (0件)
共感した! 3件)
平一

4.0蘇州夜曲

2017年2月26日
iPhoneアプリから投稿

初めて見ました!

黒澤明監督作品!

いのち短し恋せよ乙女〜♪
おもちゃの兵隊などの曲が出てきて、よくバレエ教室で小さい子が踊るような曲。
この頃からすでに日本の社会に馴染んでいた曲だったんだなと思ったのが一点。

市役所をたらい回しにされる、というのは、
今は都市伝説になっているかもしれませんが、昔の市役所の体質はあんなふうだったのかな、、と思いを馳せました。

案外、身内は家族のこと見えてないもんだなと思ったのも一つ。

死を意識して生きるから、心に残るのかなと思ったのがもう一つ。

大学の時の英語の先生で、まだ30代とかで若かったけど、心臓に持病があると仰っていました。確かにものすごく顔色が悪かった。

その先生の授業で、取り上げられたデモクラシーというテキスト、難しくてさっぱりわからなかったけど、デモクラの授業と生徒からは呼ばれていて、印象的だった。

授業中、先生が突然、感動した曲を紹介したいと、蘇州夜曲をテープで流したことがあった。
メロディーが美しいよね!と。
みんなに紹介したかった!と。

それ以来、私こ心の中には蘇州夜曲がガッツリと刻み込まれたのですが、卒業後数年たって、先生が亡くなったと聞いた。

その時に、なんとなく、やはり先生は自分の命のことをずか意識していたんじゃないかと思ったのでした。

命を意識した状態で行う行動には、気迫のようなものが詰まっていて、それは人にも必ず伝わるのかなと思います。

先生のデモクラシーや蘇州夜曲は、多分ずーと覚えてると思います。

そんなことも思いました。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
ふー

5.0黒澤明の代表作

2017年1月29日
iPhoneアプリから投稿

黒澤明監督の代表作。近年は「七人の侍」がフィーチャーされ過ぎているが本作も必見の名作。1950年代前半の黒澤は神がかっていて「羅生門」「生きる」「七人の侍」を連続して産み出している。いずれも映画史上の古典的名作。

ガンで余命いくばくもないことを知ったある下級官吏が生きる意味を求めてさまよう様を描く。また家族の問題、官僚主義の問題も描かれる。
極めて根源的なテーマで重い作品だが実は映画的快楽に満ちている。観ていただければ分かるが、ストーリーテリングの巧みさ、素晴らしいモノクロの撮影、志村喬をはじめとする当時の日本映画演技陣のレベルの高さに感嘆する。また黒澤は職人的な監督だからエンターテイメントとしての映画を決して外さない。町のおかみさん達が市役所に陳情に来るシーンや主人公のお通夜のシーンはコミカルですらある。
技術的な欠点はほとんどない。セリフも怒鳴りあうシーンが少ないので聴き取れる。

昨今の御涙頂戴の感動ドラマとは全く違います。本当のドラマとはこれです。

コメントする (0件)
共感した! 10件)
Toshi

3.0●残された人生で何するか。

2016年12月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

難しい

ずっと観たかった作品だが、ちょっと想像と違ってた。
余命幾ばくもないと知らされたら、自分はどうするだろうか。
知らされなくても、いつかは死ぬのだけれど。
このへんのプロセスの描写はバッサリだ。黒澤明の潔さ。

当時の文化、役所体質の描写が興味深い。コミカルでよい。
いのち短し、恋せよ乙女。小田切みきに持ってかれた。

コメントする (0件)
共感した! 5件)
うり坊033

2.0男の生き様

2016年9月25日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

志村喬、怪演。
無頼作家・ラストの部下に見られる様に、男の友情とは互いの孤独を理解し合う事。父息子の関係も本来そう有るべき(エディプスコンプレックス。
愛なき贈与なんて有り得ない、欲望の身体化に「生きる」糧見出だす。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
めたる

4.5凄く良かった

2016年9月24日
iPhoneアプリから投稿

こりゃあ凄い、
初の黒澤作品。
静と動の対称で印象づけたり
重いことを明るく仕上げたり
本当に現在にも生きる技術を
作り上げた人だったんだなあと思った

あの絶妙な間で
私たちをキャラクターに感情移入させたり
考える時間を与えている
とても大切な間
あれ以上長くてもダメだし、本当に絶妙

深刻なシーンでも客を笑わせる
そんなことが出来るんだと思った
細かい言動ぜんぶが演出なら相当こだわってる

ストーリーも素晴らしくて、
決して真似したくはない主人公なんだけど
私たちは確実にこの人から何かを得て
何か学んだ。

コメントする (0件)
共感した! 8件)
JYARI

3.52度目の鑑賞。 テーマやメッセージ性は名作と呼ばれるに相応しいと思...

2016年9月20日
iPhoneアプリから投稿

2度目の鑑賞。
テーマやメッセージ性は名作と呼ばれるに相応しいと思いますが、映画として面白いかと聞かれると微妙な感じがします。
若い部下に付きまとう所とか見てられませんし。
お役所仕事で5ヶ月で公園作るなんて絶対無理だし!
黒澤作品は他に好きな映画沢山有りますが、この映画は合わないかな。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
やまぼうし
PR U-NEXTで本編を観る