恋をしましょう(1960)

劇場公開日:

解説

「奥様ごめんなさい」のノーマン・クラスナーの脚本を「西部に賭ける女」のジョージ・キューカーが監督したロマンチック・コメディ。撮影は「5つの銅貨」のダニエル・L・ファップ、音楽をライオネル・ニューマンが担当した。サミー・カーン作詞、ジェームズ・ヴァン・ヒューゼン作曲の主題歌“恋をしましょう”ほか5曲、コール・ポーターの“私の心はパパのもの”が歌われる。出演は「お熱いのがお好き」のマリリン・モンロー、「掟」のイヴ・モンタン、ほかにトニー・ランドール、フランキー・ヴァーン、ウィルフリッド・ハイド・ホワイト、マイケル・デイヴィッドら。製作ジェリー・ウォルド。

1960年製作/アメリカ
原題または英題:Let's Make Love
配給:20世紀フォックス
劇場公開日:1960年12月27日

ストーリー

ジャン・マルク・クレマン「イヴ・モンタン」は億万長者で、色事もなかなか達者だ。クレマンのPR係コフマン(トニー・ランドール)が、バラィエティ紙に、クレマンを皮肉った芝居のリハーサルが行なわれている記事を見つけた。クレマンの弁護士は芝居を止めさせようといったが、彼は1度芝居をみてからにしようといった。ある晩、クレマンはコフマンを連れて、内緒で劇場を訪ねた。舞台ではアマンダ・デル(マリリン・モンロー)がセクシーな踊りを踊っていた。一目でひかれたクレマンは、コフマンに彼女と食事をする用意を命じた。プロデューサーのバークンズはクレマンに似た役者を探していた。それを知ったクレマンは彼女に近づくため、偽名を使ってその役を買って出た。なにも知らぬアマンダは、クレマンと親しくなるにつれ、金持ちを軽蔑し、夜学に通っていることがわかった。彼女はなかなかクレマンの誘いにのらない。どうも一座の中の若いハンサムな歌手トニー(フランキー・ボー)と仲がよいらしい。クレマンは弁護士ウェールスをプロデューサーに化けさせ、一座に経済的援助を与え、自分を主役にさせて彼女をモノにしようとした。計画はあたり、主役はトニーからクレマンに変った。やがて、アマンダはクレマンとの夕食を承諾した。彼は求婚した。が、アマンダの真意はトニーに主役をかえしてくれということで、彼とは友情意外なにもないという。しかたなくクレマンはアマンダに本物にあって、ショー上演を頼もうといった。彼女はクレマンの事務所を訪ねた。そこで同行の気違いが、本物のクレマンだとわかった。驚いて一時は気を失ったものの、クレマンの真情にほだされ、彼の求婚を受けることにした。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第18回 ゴールデングローブ賞(1961年)

ノミネート

作品賞(ミュージカル)  
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映画レビュー

3.0惜しげもなく与える菩薩様は鳥籠に収まらない

2024年3月1日
PCから投稿

マリリン・モンローが残した映画の中では後ろから数えて2本目、キャリア終盤の作品です。

1960(S35)の公開時に主演のマリリン・モンローは34歳、イブ・モンタンは39歳。

イブ・モンタン演じるフランス人、クレマンはニューヨークを拠点に世界中でビジネスを展開する代々の大富豪。何不自由ない彼の不満は、付き合う女性がみな彼の金目当てに思えてしまうこと。そんな彼がある小劇団に足を運んだことがきっかけで一人の女性と出会い、物語が始まります。

マリリン・モンロー演じるアマンダは夜間高校に通う小劇場の舞台女優。学業と仕事の両立のため夜遊びもせず、趣味は編み物、父は牧師、性格は天真爛漫。初対面のおっさん(クレマン)に対しても最初から心を開いて接してくれます。彼のことをボードビルショーのオーディションにやってきたモノマネ芸人と勘違いした彼女は彼に対しアドバイスを惜しみません。食事に誘えば「割り勘にしましょう」。

そんな彼女に一撃で夢中になったクレマンは、貧乏な喜劇役者を装い劇団に潜り込み、なんとか彼女の心をつかもうと四苦八苦。フランスのスターであるイブ・モンタンが、歌も踊りも満足にできない無芸の男を演じ、金でジョークを買い、有名人を雇いレッスンを受けダメ出しをされる、そのあたりのドタバタが見どころといえば見どころでしょうか。本作は批評家からの評価は得られなかったようですが、マリリン・モンローがフィルムに残した歌と踊りは令和6年の今観ても、まったく色褪せていません。

彼の恋敵役のトニー(フランキー・ヴォーン(32))は歌って踊れるけど売れない若者。将来への不安のためか、酒に溺れています。そんな彼のことを甲斐甲斐しく面倒見るアマンダ。それを苦々しく見つめるクレマン。クレマンは自分の本当の姿を明かしアマンダに求愛、彼女はそれを受け入れハッピーエンド。映画はここで終わりますが、このあと、結婚生活に入った二人の関係がうまくいかないのは予想がつきます。

本来の男女関係は自我と自我のぶつかり合いであり、結婚生活は一夫一婦制の独占欲と契約により成り立つ生活です。アマンダという個性がクレマンの枠に収まることはないでしょう。一方的に与えるばかりでなにも求めず拒絶もしないアマンダというキャラ。途中からまるで菩薩様のように見えてきました。これは愛なのか、それとも同情や憐憫なのか。アマンダには自己保存本能が欠けているのではないか。そんな疑問が湧いてきます。

大スターになっても常に露出の多いコスチューム姿で「自分が求められるキャラ」を懸命に演じ続ける本作のマリリン・モンローの姿に、頭が下がります。脚本陣には当時の夫であるアーサー・ミラーが名を連ねていますが、モンローとモンタンは不倫関係に陥ったとのこと。マリリン・モンローという女性は虚実の境目も一夫一婦制も平気で壊してしまいます。彼女は本作公開の2年後に亡くなっていますが、彼女の2番目の夫であるジョー・ディマジオは「彼女の死後20年にわたって週3回、彼女の墓に赤いバラを捧げ続けた」というエピソードを残しています。

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jin-inu

3.0水戸黄門の変形

2024年2月28日
PCから投稿

相変わらずのMM先輩を観るための作品で天下のモンタン先輩すら引き立て役です。
ただ、同種の紳士や百万長者に比べると話の流れや画面造りが平坦でパンチに欠けるようです。

当時の大御所スーパースター3人が実名で出演、サブちゃんとマツケンと文枝師匠がいきなりゲスト出演するようなものでしょうね。

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越後屋

3.0私の心はパパのもの

2023年5月22日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

他愛もない話ですがそれなりに面白い娯楽映画です。コール・ポーターいいね!
イヴ・モンタンのトレンチコート姿にしびれました。(そこ?)
冒頭のクレマン家の歴史のシーンはどれも面白いですが、3代目ジャン=マルク・クレマンが大砲の会社を作ってフランス軍に納入したが、公平のために敵にも大砲を売った、ていうところと、工場の爆発で吹っ飛ばされて「クレマン家で初めて垂直に死んだ」というところが面白かったです。

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arlecchino

4.0アマンダ、愛しいひと

2023年4月22日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

楽しい

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こころ