汚れなき悪戯

劇場公開日:

解説

ホセ・マリア・サンチェス・シルバの同名物語を彼自身とラディスラオ・バホダが共同脚色し、ラディスラオ・バホダが監督したスペイン映画。撮影はエンリケ・ゲルネル、音楽はパブロ・ソロサバルが彼の息子と共同担当。主役マルセリーノを、この作品で特に抜擢された六歳のパブリート・カルボ少年が演じる他、スペイン劇団の俳優ラファエル・リベリエス、アントニオ・ビコ、ファン・カルボなど。ホセ・ニエトとフェルナンド・レイが特別出演している。一九五五年カンヌ映画祭で特別子役賞を獲得。

1955年製作/91分/スペイン
原題または英題:Marcelino Pan y Vino
配給:東和=東宝
劇場公開日:1957年1月15日

ストーリー

聖マルセリーノ祭を迎えたスペインのある小さな村。楽しげに丘の上の教会へ村人達が向う頃、貧しい家で病床に伏す少女を訪れた一人の僧侶は、この日にまつわる、今は忘れられた美しい奇蹟の物語を話して聞かせる--かつて戦争で荒れ果てたこの村が平和をとり戻し始めた頃、三人の老いた僧侶が訪れて来て丘の上の廃墟に僧院を建てたいと村長に頼んだ。やがて農夫たちの協力で僧院は建立、十年後、いつか十二人となった僧侶らは静かな生活を送っていた。ある朝、門前に幼い捨子を発見。彼等は赤児の両親が今は亡いと知ると、その日が聖マルセリーノの日であったことからマルセリーノ(パブリート・カルボ)と名付け世話を始めた。僧侶らは心をこめた愛憎を注いだが、将来を考えた僧院長は子供を引取ってくれる家庭を探した。だが結局は失敗。それは彼等が心秘かに願っていたことだった。五年の後、マルセリーノは天使のように無垢な悪戯っ子になっていた。少年は僧侶らを見たままそれぞれ仇名をつけて呼んでいたが、いつか天国にいると思われる母親のことを想う日が多くなった。ある日、野原で出逢った農家の若妻に母の姿を見た少年は、同じ年頃のマヌエルという男の子がいると知って、彼を空想の友達と考えて、一人ぼっちの遊びも楽しいものにした。祭の日、村に行った少年の僅かな悪戯は思いがけぬ混乱に発展、負傷者まで出た。村長の後を継いでいた鍛冶屋は、これを僧侶らに対する攻撃の口実とし、一ヵ月以内に僧院退去を命じた。僧侶たちは失望。何も知らぬ少年は一人、空想のマヌエルと遊ぶ中、納屋で十字架のキリスト像を発見、飢えと寒さで悩むように思われるキリストの許へパンや酒を運ぶ。ある嵐の晩、やって来た少年にキリストは好意に報いようとその願いを尋ねた。少年は天国のお母さんに会いたいと答え、古椅子に寄ったまま永遠の眠りに就いた。そのまわりには、どこからともなく光が輝く。奇蹟は村中に伝わり、葬式には鍛冶屋始め総ての村人が参加した。--話し終った僧侶が僧院へ戻る頃、教会から村人は帰途に就き、マルセリーノの祭も暮れようとしていた。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

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映画レビュー

2.0美談のように語られる理不尽

2024年10月13日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波
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うそつきかもめ

5.0パンとワインのマルセリーノ

2024年10月5日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

知的

幸せ

『あんのこと』や『すばらしき世界』を見ていたらこの映画のことを思い出しもう一度見たくなった

杏や三上は神に召されたのだろうか

じゅうぶん苦しんだのだからもう終わらせてもいいとか
一番の幸せな時に終わりにしようとか

マルセリーノは無垢でまだ死を学んでいない
死よりも先に天国を知り同時に母を知った

友達のマヌエルは自由でおそれを知らず勇気をくれた
しかしマヌエルには母が身近にいたのだ

マルセリーノは母に会いたかった
三上もだ
杏は母を憎んだが憎みきれなかった
産んでくれたからなのかも知れない
この世に生まれてこなければ知ることのできない幸せも少しはあったのだろう
マルセリーノもそう感じているはずだろう

それでもマルセリーノは母に会いたかった
死と生の境目などまだ知らぬ無垢な子供だから素直にそれを願ったのだろう
死も生も同じなら素直な願いを叶えてしまう
今の私達、いや「私」にはまだまだ理解できない領域だ

死と生は明らかに違う

そうだと思い込んでいるのかも知れないが今はそうとしか言えない

私には死人の声は聞こえない
その世界があるのならそこはとても人口が多いのだろうがきっと次元が違うのだろう
ずっとずっとこちらの方が狭くて息苦しいのだろう

パンとワインのマルセリーノ、やはり忘れられない

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カルヴェロ

4.5汚れの無い心に涙腺崩壊

2024年4月3日
スマートフォンから投稿

舞台はスペイン
貧しい時代の村
捨てられた赤子に
マルセリーノの名を付け
育てる12人の修道士。
時は流れ母の姿を求め
心に空洞を感じた少年は
ある日、彼と出会う。
純真な少年を見て彼は問う
願いは?

ここで涙腺は崩れ去る。

この映画の好きな場面は
冒頭、人々が一心不乱に
丘の上を目指している所で
物語の結果を現している。

そしてあの場面以降になると
必ず涙腺の大崩壊が起こる。
だから観ないようにしているが
心に刻まれてしまっている。
とても困る映画になっている。

思う。
純真とは
汚れとは
奇跡とは
信仰とは
人間とは

答えは無い。

あるとしたら
見上げる少年の眼か?

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星組

4.0パンとワインのマルセリーノ

2023年10月22日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

楽しい

知的

修道院の前に置き去りにされて
いた赤ん坊。
12人の神父さんに守られて
すくすくとわんぱくに育つが、、、

孤独という病気。

母親に会いたいという
思いはなくならず。
神に召されて永遠となる。

マルセリーノ役の6歳の
パブリート・カルボ君の
愛らしさが、1955年の
カンヌ国際映画祭で
特別子役表彰を受けたそう。

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ほんのり