クリムゾン・タイド

劇場公開日:

解説

米軍原子力潜水艦を舞台に、全面核戦争の危機を巡って対立する男たちのドラマを描いた、骨太のポリティカル・サスペンス。監督は「トゥルー・ロマンス」のトニー・スコット。「カラーズ 天使の消えた街」のマイケル・シファーとリチャード・P・ヘンリックの原案を、シーファーが脚色。製作は「フラッシュダンス」「ビバリーヒルズ・コップ」などのヒットメーカー・コンビ、ドン・シンプソンとジェリー・ブラックハイマー。撮影は「クロウ 飛翔伝説」「蜘蛛女」のダリウス・ウォルスキー、音楽は「ライオン・キング」「勇気あるもの」のハンス・ジマー、美術はマイケル・ホワイト、SFXはドリーム・クエスト・イメージズが担当。主演は「フィラデルフィア」のデンゼル・ワシントンと「ワイアット・アープ」のジーン・ハックマン。「氷の微笑」のジョージ・ズンザ、「カリートの道」のヴィーゴ・モーテンセン、「ア・フュー・グッドメン」のマット・クレイヴン、「ターミナル・ベロシティ」のジェームズ・ギャンドルフィーニらが脇を固める。また、「トゥルー・ロマンス」のクエンティン・タランティーノが脚本に参加し、ジェイソン・ロバーズがラストシーンに特別出演している(共にノー・クレジット)。

1995年製作/アメリカ
原題または英題:Crimson Tide
配給:ブエナ ビスタ インターナショナル ジャパン
劇場公開日:1995年10月10日

あらすじ

ロシアの過激な国粋主義者が軍の反乱派勢力と結託し、シベリアの核ミサイル基地を占拠した。アメリカと日本が核攻撃の危機にさらされ、米海軍の原潜アラバマに出撃命令が下った。歴戦の叩き上げのフランク・ラムジー艦長(ジーン・ハックマン)と、ハーバード大卒のエリートであるロン・ハンター副官(デンゼル・ワシントン)は、核に対する思想で真っ向から対立する。目的海域に達し、敵潜水艦の影を捉えたアラバマは臨戦体制に突入。ペンタゴン(米国防総省)からの通信が入ったその時、敵の魚雷攻撃が艦をかすめて爆発した。通信は途中で途切れ、ミサイルの発射か中止か、はっきりしない。即時攻撃を主張するラムジーに対し、ハンターは命令の再確認を強く求める。艦内に異常な緊張が漲り、艦長への忠誠心か副官のモラルに与するか、乗組員たちも激しく揺れる。ハンターはラムジーの命令を服務違反として指揮権を剥奪、彼とその一派の将校たちを監禁した。再度、敵艦と交戦したアラバマは損傷し、甚大な被害が出る。ハンターは通信の回復を急がせるが、その隙にラムジー艦長は連絡将校ジマー(マット・クレイヴン)、ハンターの長年の親友で武器将校のウェップス(ヴィーゴ・モーテンセン)らと実力で指揮権を奪回すると、ハンターや艇長のコッブ(ジェームズ・ギャンドルフィーニ)らを逆に監禁した。だが、ハンターも脱出し、発射を寸前で回避しようとする。ラムジーの銃口がハンターに向けられた時、通信が回復。ラムジーは再確認のため、3分間の猶予を与えたが、命令はミサイル発射の中止だった。かくして核戦争の危機は回避された。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第68回 アカデミー賞(1996年)

ノミネート

編集賞 クリス・レベンゾン
音響賞  
音響効果編集賞  
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映画レビュー

3.5面白いけど……

2025年2月14日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

興奮

知的

前提として
・トニー・スコット監督の他作品は未視聴。
・ヴァシーリイ・アルヒーポフ氏のことは未調査。

面白いけど、何かが足りない。

核ミサイルを搭載した潜水艦。このミサイルの発射はロシアとの核戦争開始を意味する。
その発射命令が出され、発射へのカウントダウンを迎えていた。しかし、そこに新たな、かつ不完全な命令文が届く。
このまま発射するべきか、その命令を待つべきか、艦長と副長の大ゲンカが始まる……!

といったストーリー。
艦長と副長のバチバチな意地のぶつけ合いや、若い船員たちの活躍、対比に次ぐ対比、アメリカ海軍への風刺、特撮シーンなどなど、見どころが沢山ある。
面会や緊迫感も良いし、好きなセリフもいくつかある。

……のだが、あと一歩何かが足りない。
"テーマ"と言える音楽が無いからなのか、描こうとするキャラクターが多すぎるのか、画になるシーンがあまり無いからなのかは、分からない。
二周三周すると新しい発見が出てくるが、あんまりワクワクはしない。
名作と呼ぶには何かが足りなかったと思う。

ちょっと変わった潜水艦サスペンスを観たい人にはオススメ。そんな作品。

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NandS

3.0もう通信機10台ぐらい積んどけよ!

2025年2月12日
PCから投稿
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jin-inu

潜水艦映画と見せかけてアメリカの縮図を描いた作品

2025年2月4日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:TV地上波、VOD

とにかく良くできています。トニースコットの早いカットの切り替えは抑え気味ですが、テンポよく話が進み、飽きる場面がありません。アメコミのシルバーサーファーの作者はどっちが良いかなどの細かいギャグの伏線などもあり、楽しんで見れました。

白人VS黒人というわかりやすい対立はありますが、それよりも、いわゆる民主党VS共和党を描いた作品です。
ジーンハックマン扮する鷹派の白人艦長。帽子はトランプ大統領のように赤い帽子で、かつ、ジーンハックマンが権威を振りかざす場面では必ず民主党イメージの赤いライトが当たります。
対するデンゼルワシントン演ずる副長は、共和党のイメージの青いライト。
対立する場面ではグリーン。
決断を迫られるヴィゴモーテンセン演ずるウェップスは、最後、赤と青のライトに挟まれて苦悩します。

ちょっとあからさまですが、こうやって脚本に上手いこと落とし込んで、一つの作品にするのがハリウッドの良いところですね。最後の馬の話なんてウィットで本当に良いです。

日本だと踊る大捜査線みたいに、無関心な上司、無能な女性上司をコミカルに描いて、セリフで苦悩を叫ばせるみたいな演技しちゃうんですが、そういう安っぽさを嫌うハリウッド作品ならではな出来でした。
好きな作品です。

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つまり枝豆

3.5核ミサイル搭載原潜アラバマの艦長VS副艦長

2025年1月31日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

知的

 オリジナル音声字幕版で放送されたBSの録画を視聴。

 199X年が舞台。
 破壊力が広島原爆の100倍のミサイルを24基搭載する“アラバマ”という名のオハイオ級大型原子力潜水艦にピックアップしている。
 アラバマの艦長フランク・ラムジー海軍大佐(ジーン・ハックマン)と、副艦長ロン・ハンター海軍少佐(デンゼル・ワシントン)の対決の物語。対決と言っても暴力的なアクション要素はほとんどなく、真剣で真面目な会話のやり取りを観る映画。
 今観ても映像も内容も素晴らしいクオリティ。

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どん・Giovanni