カラマーゾフの兄弟(1968)

劇場公開日:

解説

文豪ドストエフスキーの名作を「白痴(1958)」のイワン・プィリエフが脚色・監督した文芸大作。撮影はセルゲイ・ウロンスキー、音楽はイサーク・シュワルツ、美術をスターレン・ボルコフが担当している。出演はミハイル・ウリヤーノフ、「怒りと響きの戦場」のキリール・ラヴロフ、アンドレイ・ミヤフコフ、リオネラ・プィリエワ、スヴェトラーナ・コルコーシコなど。なお、完成間近かでプィリエフ監督が急逝のため、ミハイル・ウリヤーノフとキリール・ラヴロフが後をひきつぎ完成した。

1968年製作/ソ連
原題または英題:The Brothers Karamazov
配給:東和
劇場公開日:1969年7月12日

ストーリー

五十を過ぎてもなお、肉欲にとりつかれているフョードル・カラマーゾフ。親譲りの性格により、予備大尉の身を放縦な毎日に埋没させている、長男ドミトリー(M・ウリヤノフ)、神を否定する大学出の秀才の次男イワン(K・ラヴロフ)、清純な魂と深い信仰を持つ三男アリョーシャ(A・ミヤフコフ)。カラマーゾフ家には、激しい葛藤があった。特に、ドミトリーが婚約者カテリーナがありながら、ある老商人の世話になっているグルーシェンカ(L・プィリエワ)に惹かれ、そのグルーシェンカが借金に苦しんでいるのを幸いに、父フョードルが自分のものにしようとしているので、二人の対立は大変だった。一方カラマーゾフ家の召使いのスメルジャコフは、昔フョードルが乞食女に産ませた子供で、彼は父を憎み、他の兄弟に嫉妬していた。彼は前からイワンに近づいていたが、しきりにイワンにモスクワ行きを勧めて、行かせた。ドミトリーは、グルーシェンカのために金の工面に奔放したが、都合はつかなかった。ついに彼は、スメルジャコフの手びきにより、父親を殺した。そして逮捕された。実は犯人はスメルジャコフだったのが、彼は自殺してしまい決定的な証言もないまま、裁判は進行した。アリョーシャの証言もグルーシェンカの愛情も役にはたたなかった。彼はシベリア送りと決定した。雪の広野を行く囚人の一行。その後を、行く一台のソリ。ドミトリーとの愛に生きる決心をしたグルーシェンカだった。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第42回 アカデミー賞(1970年)

ノミネート

外国語映画賞  
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映画レビュー

4.0映画単体だとちょっときついかも…

2024年5月31日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

知的

難しい

萌える

なっが(笑)約4時間。いや、やっぱり短い。なんせカラマーゾフの兄弟である。4時間で収まるはずが無かったのである…。

原作既読。
尺の関係か、いろいろ端折りに端折って重要な部分だけ残して、登場人物も必要最低限に…ということだったんでしょうが、やはり若干無理があったようで、原作を読んでいない人がこれを観てストーリーを把握できたか少し疑問です。さらに言えば、この小説において重要な宗教観や現代社会への問題提起を読み取れるかどうか。少なくとも日本人には難しいと思います。

配役はとても良かったです。もちろん役者については一人も知りませんが(笑)全員原作のイメージ通りの演技、容姿でした。特にドミートリィは素晴らしかったです!あのブッチブチのキレッキレのドミートリィを見事に演じております。グルーシェニカは非常に華があって、笑顔も怒ってる姿も様になっていました。そしてそしてアレクセイ!か、かわいい…(^q^)もじもじしやがって!上目遣いしやがって!修道服も黒のワンピースに見えてきたぞ…。

音楽がもっと欲しかったかなぁ。やはり映画ですから、盛大に盛り上げて欲しかったですね。演技は大袈裟なくらいなんですが(笑)

一本の映画としてみるなら長いし、日本人…特に現代の日本人には宗教観等に壁を感じるかも。「許される」って何?みたいな。世界観に入り込めないと退屈に感じてしまうかもしれません。
原作を読んだ人にとっては楽しめる部分は多々ありますが、やはり物足りなさはあると思います。でも役者のハマりっぷりは素晴らしいです!おさらいのつもりで観るのもいいと思います。

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吹雪まんじゅう

5.0橇は最後右に曲がった。

2022年11月12日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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マサシ

2.5重くて長くて退屈

2013年3月2日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

難しい

総合:50点
ストーリー:65
キャスト:70
演出:75
ビジュアル:75
音楽:65

 ドストエフスキーの傑作なんだそうだが、どうにも重いし長いし退屈だった。当時のロシアの宗教観とか上流社会の不道徳といった状況にたいして知識の少ない自分としては、彼らの醜い行動に対して現代的視点から見てしまうと彼らを侮蔑し見下してしまうだけだし、特に前半では本能と欲望のままに暴走する人々に対してその傾向が強かった。このような下品で知性の感じられないのに、金をもっていて好き勝手やってる腐臭のするような人々が私は好きではない。そんな姿を冒頭から二時間以上見せ続けられる。
 後半の裁判になってからのどろどろの人間模様や凍てつく大地への旅立ちなどは流石にロシア文学らしい荘厳さがあって前半よりは盛り上がるのだが、やはり合計四時間は長い。厳しい冬を耐え忍ぶ芯の強いロシア人のような忍耐が、この作品にたいする自分にはなかった。これを見て原作を読んでみようという気にはならないな。

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Cape God

3.5重いテーマの映画でしたが、見る価値はあります。

2012年7月3日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

知的

難しい

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chakurobee

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