男が女を愛する時

劇場公開日:

解説

全米で深刻な社会問題となっているアルコール中毒の増加を背景に、妻のアルコール中毒という障害を乗り越えて、本物の愛を勝ち取ろうとする夫婦の姿を描いたラブ・ストーリー。監督は「僕の美しい人だから」のルイス・マンドーキ。脚本は「レインマン」のロナルド・バスとアル・フランケンの共同。製作は「フライド・グリーン・トマト」のジョン・アヴェントと、彼とコンビのジョーダン・カーナー。エグゼクティヴ・プロデューサーは、バス・フランケン、サイモン・マスロウ。撮影はラヨシュ・コルタイ、音楽は「ダメージ」のズビグニエフ・プレイスネルで、パーシー・スレッジの同名ヒット曲を主題歌に使用。主演は「愛と死の間で」のアンディ・ガルシアと「めぐり逢えたら」のメグ・ライアン。共演は本作がデビューの子役ティナ・マジョリーノ、「ジョイ・ラック・クラブ」のローレン・トムほか。

1994年製作/アメリカ
原題または英題:When a Man Love a Woman
配給:ブエナ ビスタ インターナショナル ジャパン
劇場公開日:1994年9月3日

あらすじ

教師をしていたアリス(メグ・ライアン)は、有能なパイロットのマイケル(アンディ・ガルシア)と再婚した。先夫との子ジェス(ティナ・マジョリーノ)、マイケルとの間に生まれたケイシー(メイ・ホットマン)の2人の娘がいる。夫はフライトで不在がちのため、彼女は酒で孤独を紛らわせるようになる。マイケルが異常に気付いたときは、すでに彼女は日常生活も困難な重度のアルコール中毒患者となっていた。マイケルはアリスをリハビリテーション・センターに入院させる。彼は仕事に加え、家事や育児の激務に神経をすり減らす。アリスは順調に回復し退院した。だが妻をかばい、負担をかけまいとする夫の思いやりが逆にマイケルを追いつめていく。2人は次第に衝突し、ある日大ゲンカの末に別居することになり、マイケルは家を出た。はなればなれの生活が続き、やがてマイケルのデンバー転勤が決まった。そんな時、アリスはリハビリ・センターから体験スピーチを依頼される。壇上で彼女は、夫への素直な気持を語った。会場でスピーチを聞いていたマイケルが歩み寄り、彼女への愛を告げる。2人はしっかりと抱き合った。

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映画レビュー

5.0タイトルなし

2025年4月6日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

健やかなるときも、病めるときも、
喜びのときも、悲しみのときも、
富めるときも、貧しいときも、
これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命のある限り、かたく節操を守ることを誓いますか

・ ・

あの「ボディガード」が
ホイットニー・ヒューストンの十八番ならば、
この映画は
オープニングに流れるパーシー・スレッジの言わずと知れたこの代表曲でしょう。
僕はこのナンバーの初体験はレッド・ミドラーでした。圧倒されました。その歌心と歌詞の真っ直ぐさに痺れたんです。

本作、
特に前半、俳優たちの演技や、設定・展開の不自然さを指摘するレビューもあるけれど、
その歌詞の内容を見れば思い出すのです。
Fallin Loveの瞬間って、ビビビッと来て、これくらい不自然なものでもあったのだ。皆さんも思い当たるのではないかな?
「結婚は、勢い」でもあるのです。

・ ・

【テーマは2つ】
◆工夫を尽くして愛し抜くということ。
◆「アルコール依存症」は、そのきっかけは人間関係や心情的なものであったとしても治療の必要な精神疾患なのだと知る必要について、
そのレクチャー。

冒頭、あのカフェバーでの有名なシーンですが、
ナンパ上手なイケメンパイロット=アンディ・ガルシアが、意外や意外、その後の妻の転落からも何とか頑張って、逃げずに最後まで、「一緒に闘った」というドラマでした。

・ ・

漫画家の西原理恵子が、夫の重症なアルコール依存症と闘い、その禁断症状の泥沼の有り様を一切隠さずに子供らと一緒に目撃するようにしたのだ ―という壮絶な記録は、コミック「毎日かあさん」になっていました。
これは後に映画化されて小泉今日子&永瀬正敏。
もう一作「酔いがさめたら、うちに帰ろう」にもなっています(永作博美&浅野忠信)。

「カウセリング」や、「家族の会」など。
「あれ」に徐々に場馴れしていく人間アリス(メグ・ライアン)と、まだそうではない未経験者の間には必ず“温度差”が出来るのだし、マイケル(アンディ・ガルシア)のように全て自分だけ置いてけぼりの心情になるのも致し方ない。

・本心を尋ねられること。
・本心や弱さを初めて口に出してみること。
・カウンセラーや仲間、そして家族に対して自分の心の深奥をシェア出来るようになる事。

― これはその機会や、踏み出すチャンス、そして切羽詰って崖から飛び降りる(or突き落とされる)ような勇気が無ければ、到底習得出来ない事なのです。
特に男はそのプライドが邪魔してしまって、一線を越えるのが難しいのだよね。

・ ・

子役のお姉ちゃんジェス=ティナ・マジョリーノの痛々しい演技力にはやられます。ウーピー・ゴールドバーグと組んだ「コリーナ,コリーナ」でも彼女は心に傷を負った少女の役で出ていました。

あと、
彼らの家のドアに「アムネスティー・インターナショナル」のステッカー発見。

で、
僕は結局別れてしまったのでね、
「結婚式での誓いの言葉」の
あの祝いの場にはおおよそ場違いな、冷水のような、浮ついた気持に焼きごてを当てられるような、そして
二の足を踏んでしまうことマストの、あの
牧師さんの超ド級の「質問」には たじろいでしまう。
だから、
自分の決断は正しかったのか?と、スクリーンを観ながら
この映画にはずっと問われることになります。

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きりん

4.5精神的飢餓。愛という縁は、しばりか。成長か。

2021年7月25日
iPhoneアプリから投稿
ネタバレ! クリックして本文を読む
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xmasrose3105

3.0 普通の夫婦・家族ドラマであるのに画面に惹き付けられるのは、やはり...

2021年7月6日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 普通の夫婦・家族ドラマであるのに画面に惹き付けられるのは、やはりメグ・ライアンのアルコール依存症の演技が上手いからであろう。子役の女の子もいい演技だ。普通の男ならば妻の失態に呆れ返り、そのまま離婚の危機になりそうな設定だが、前半は献身的なまでのガルシアの愛情が感じられた。

 しかし、後半は愛情表現も失速気味。ゲイリー(フィリップ・シーモア・ホフマン)が現われたからだが、妻の浮気を少しでも疑ってしまうという微妙に揺れ動く心理の演技が苦手なのかもしれない。また、夫に慰められるとか一緒に努力しようとする夫を拒み、孤独でいたがる心も上手く伝わらなかった(単なるわがままという評価も多い)。「心の暴力」なんて難しい演技ですよね。

 この映画って、自分の愛情が伝わらなくても、また、妻がわがままであってもとことん愛し続けるってことの教訓のような映画ととらえれば、充分納得ができます。ただ、本当のパパじゃないって事実を何故こんな終盤に・・・

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kossy

3.0今ならバッドエンド

2020年8月23日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

幸せ

九十年代だからこそのハッピーエンド、アル中って題材があるにしても、基本的には男女である夫婦の物語、その関係性が難しい。

愛することよりも理解することの重要性、相手が何を求めているのか、時には独りよがりな虚しい思い。

夫婦間の問題をシビアに描けている、最近だと「マリッジ・ストーリー」や「ブルーバレンタイン」の先駆的作品とも?序盤はアンディ・ガルシアがマフィアとか危険な男にしか見えない風貌で、徐々に良い父親であり旦那でもある、彼の何が悪いんだぁ?と感情移入してしまう役柄がたまらない。

依存症の問題がありながらも、シンプルに男女の関係性の難しさ、修復するための行動など、普通に過ごす夫婦やカップルにも共感出来る事柄が詰まっている作品だと思う。

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万年 東一