狼男アメリカン

劇場公開日:1982年5月8日

解説

3カ月のヨーロッパ旅行を計画した2人の若者が途中狼に襲われ狼男になるというホラー映画。製作総指揮はイーター・グーバーとジョン・ピータース、製作はジョージ・フォルシー・ジュニア、監督・脚本は「ブルース・ブラザース」のジョン・ランディス、撮影はロバート・ペインター、音楽はエルマー・バーンスタイン、美術はレスリー・ディリー、スペシャル・メイクはリック・ベイカーが各々担当。出演はデイヴィッド・ノート、グリフィン・ダン、ジェニー・アガター、ジョン・ウッドヴァインなど。

1981年製作/アメリカ
原題または英題:An American Werewolf in London
配給:日本ヘラルド
劇場公開日:1982年5月8日

あらすじ

イングランドの北を旅するアメリカ人の若者2人。3カ月のヨーロッパ旅行を計画実行中のデイビッド(デイヴィッド・ノートン)と親友のジャック(グリフィン・ダン)だ。彼らは、しかし、荒涼とした厳寒の地をさまよいながら、早く宿を見つけようと焦った。たまたま入ったパブ狙われた小羊の人々は、よそ者の2人を妙に警戒した。追い出されるように外に出た2人は、「道路を歩け」「月夜に気をつけろ」という無気味な忠告を気にはしながらも湿地帯にまぎれ込んでしまった。やがて、恐しい遠吠に怯える2人を何者かが襲った。気がつくと、デイビッドはロンドンの病院のベッドに横たわっていた。ジャックは死に、目撃者の証言では、2人を襲ったのは凶暴な精神異常者だということだった。自分を襲ったのは人間などではなく動物だったと訴えるデイビッドを、医者のハーシュ(ジョン・ウッドヴァイン)も看護婦のアレックス(ジェニー・アガター)も信じなかった。退院が近づくに従がって、やさしく魅力的なアレックスに恋心を燃やすデイビッド。しかし、そんなころ彼は死んだ筈のジャックの訪問を受けた。血にまみれた恐しい形相のジャックは、デイビッドに自分たちを襲ったのは狼人間で、満月の夜には、デイビッドも狼人間に変身して人間を殺すだろう。だから人間を殺す前に自殺しなくてはいけないという不吉な予言を残して姿を消した。悩むデイビッドを、アレックスは慰め、退院した彼を自分のアパートに引きとった。初めてアレックスと結ばれた幸せな夜、デイビッドは再びジャックの訪間を受け、同じ忠告を聞いた。やがて、満月の夜、ジャックの予言どおり、デイビッドは狼人間に変身しアベックをはじめ6人もの人間を噛み殺した。狙われた小羊を訪れて真実を掴みかけていたハーシュが、その夜の事件でデイビッドが狼人間であることを確承しアレックスに打ちあけた。そのころ自分の宿命を知って悩むデイビッドが、夜再び狼人間となり町の人々を襲っていた。警察が彼を包囲し銃をかまえた時、アレックスがかけつけるが、一瞬のうちに銃弾が放たれた。アレックスの眼の前には、デイビッドの息絶えた姿が…。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第54回 アカデミー賞(1982年)

受賞

メイクアップ賞  
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映画レビュー

5.0 タイトルなし(ネタバレ)

2025年12月17日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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チネチッタ

4.0 ジョン・ランディスの底意地の悪い(?)演出 と特殊メイクの天才リック・ベイカーが手がけた驚愕の変身シーンによって生まれた奇跡の狼男映画

2025年4月20日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

怖い

興奮

恐怖と笑いは紙一重だとよく言われる。
人間、何か恐怖を感じたときに防衛反応として笑ってしまうというのはよくあることであり、チンパンジーも自分より強そうな相手と向き合って恐怖を感じたとき笑ったような顔になる。
また、笑いには攻撃的な側面があり、イジられたり笑い物にされることに恐怖を感じるというのは誰しも経験があることだろう。

恐怖の中に笑いが隠れていて、笑いの中に恐怖が隠れている。
恐怖を描くのがうまい監督たちの中にはそのことが分かってる人たちが多い。

『悪魔のいけにえ』のトビー・フーパーや『死霊のはらわた』のサム・ライミはその代表と言えるだろう。
天才ヒッチコックや天才キューブリックも「分かってる」。
だいたい鬼才と呼ばれるような人はみんな分かってるので、鬼才ティム・バートンも鬼才テリー・ギリアムも「分かってる」。
『ブレイン・デッド』は未見なのだけれど『さまよう魂たち』を観る限りピーター・ジャクソンも「分かってる」。
最近だと『ゲット・アウト』のジョーダン・ピールも「分かってる」。
ジョン・カーペンターは分かってるのかどうかちょっと不安になるけれど(笑)、いや、『ゴースト・ハンターズ』を撮ったりするんだからやっぱり彼だって「分かってる」!

そして当然のことながら、本作を監督したジョン・ランディスも「分かってる」。

この作品の圧巻はなんといっても狼男の変身シーンである。
特殊メイクの天才リック・ベイカーが手がけた映画史に残る驚愕の変身シーンであり、明るい光の下で手や顔がゴキゴキと変形していき、とにかく凄まじい迫力なのだ。
それなのにバックでかかる音楽が往年の名曲「ブルー・ムーン」のソウル・アレンジ!軽快な歌声とメロディで全然怖くない音楽なのだ。

全然怖くない音楽で、凄まじい変身シーンを見せられるという、この違和感!

でも、怖いシーンで怖い音楽がかかるというのは言わばお化け屋敷の怖さ、アトラクション的な予定調和の怖さなのである。
現実に怖い思いをするときに怖い音楽などかからないのであり、むしろラジオやテレビから軽快な音楽が流れているときに流血の惨事が起きたりするかもしれない。
アトラクションや絵空事とは違う、現実的な恐怖や不快感を無意識のうちに感じ取って観客は戦慄することになるのだ。

この作品には主人公デヴィッドの前に、狼男に殺されてその呪いを受けた亡霊たちが現れるのだが、彼らも別に怖い音楽とともにおどろおどろしく現れたりしない。

亡霊たちは別にお化け屋敷でお客を怖がらせようとして出てきたわけではないので、生きている時と同じように気さくに振る舞い、主人公にニッコリ笑いかけて「ハーイ」とか言ったりする。
ただし、血まみれでズタズタに引き裂かれた、殺されたときのままの見るも無惨な姿で。
おどろおどろしい音楽で恨めしそうに現れるよりよっぽど怖い!

この作品は一事が万事こんな調子であり、普通はホラー・コメディと言うとコメディの方に寄せるものだが、この作品はあんまり寄せてない。
いや、笑えるシーンもそれなりにあるのだが、それよりも無理矢理コメディ要素をねじ込むことでかえって陰惨さが増して観客がイヤ〜な気分になるという仕掛けなのだ。

恐怖と笑いが紙一重だということを分かってるジョン・ランディスの底意地の悪い(?)演出が冴え渡っていると言っていいだろう(褒めているのである)。

エンディングもジョン・ランディスの底意地の悪さ(?)が炸裂している。
ネタバレになるので言及は避けるが凄惨なラストである。だが観客はその余韻に浸ることは決してできない。理由は是非ご自分の眼で確認していただきたい。

今でこそ本作はカルト映画として不動の地位を確立しているが、何の予備知識もない当時の観客がポカーンとする様子が目に浮かぶ(笑)。

笑おうとすると怖くなり、怖がろうとすると笑ってしまう。
そんな奇妙な映画体験ができる奇跡の作品であり、狼男映画としても今後これ以上の狼男映画が現れるかどうかと言えるほどの傑作。
狼男映画が好きだと言っておきながら本作を観ていない人間がいたら間違いなくその人間はモグリである(笑)。

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盟吉津堂

3.5 ジョン・ランディス監督ですから・・・‼️

2025年1月5日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、DVD/BD

笑える

怖い

興奮

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活動写真愛好家

4.0 古い作品なのにあの特殊メイク凄いよな

2024年10月29日
iPhoneアプリから投稿

しかもチャラい作りでしっかり面白いし昔はよくテレビで放送されてましたねえ🐶

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お主ナトゥはご存じか2.1ver.

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