エキゾチカ
劇場公開日:1997年2月15日
解説
「エキゾチカ」なるナイトクラブと、裏稼業で稀少動物を密輸するペットショップを舞台に、最初はバラバラの4人の主人公たちの過去と現在が複雑にからまっていく過程を、独特のパズル感覚で描いた人間ドラマ。監督のアトム・エゴイアンは長編第6作となる本作が日本に初紹介。脚本もエゴイアンが自身のアイディアを基に単独で執筆。音楽はプラネタリウムの専属作曲家の出身という変わり種のマイケル・ダンナ、美術は「ジョン・キャンディの大進撃」のリンダ・デル・ロザリオとリチャード・パリスのコンビ、編集のスーザン・シップトンはエゴイアン作品の常連。出演は「蘭の女」「パッセンジャー57」のブルース・グリーンウッド、「告発」のミア・カーシュナー、「グレン・グールドに関する32章」「ロードキル」の脚本家でもある「月の瞳」のドン・マッケラー、エゴイアン夫人のアルシネー・カーンジャン、「クラッシュ」のエライアス・コーティアスほか。94年カンヌ国際映画祭国際批評家連盟賞、95年カナダ映画賞(ジニー賞)8部門(作品、監督、脚本、助演男優、撮影、美術、衣裳、音楽)受賞。
1994年製作/104分/カナダ
原題または英題:Exotica
配給:日本ヘラルド映画
劇場公開日:1997年2月15日
ストーリー
ペットショップの店主トーマス(ドン・マッケラー)は、稀少種のコンゴインコの卵を腹にテープてまいて密輸した。空港からのタクシーを相乗りした相手(ピーター・クランツ)がタクシー代の代わりにバレーの切符を二枚渡す。ゲイである彼はその片割れの切符で一夜の相手を探すことができる。税務監査官のフランンス(ブルース・グリーンウッド)は毎夜ナイトクラブ「エキチゾカ」で少女風のダンサー、クリスティナ(ミア・カーシュナー)を指名する。DJのエリック(エリアス・コーティアス)はクリスティナのこととなると嫉妬に我を失い、店主のゾーイ(アルシネー・カーンジャン)を憂慮させる。フランシスは子供もいないのに、姪のトレイシーをベビーシッターとして家に留守番させる。税関がトーマスをマークし、税務監査の名目でフランシスを派遣する。トーマスが一夜を供にした相手が、実は空港でトーマスを監視していた捜査官(デイヴィッド・ヘンブレン)で、コンゴインコの卵を持って姿を消す。フランシスは「エキゾチカ」のトイレで顔を隠したエリックにそそのかされ、つい禁止を破ってクリスティナの身体に触れる。その瞬間を待ち構えていたエリックか彼をたたき出す。フランシスは密輸を見逃すことを条件に、真相究明への協力をトーマスに求める。盗聴マイクを着けたトーマスは「エキゾチカ」でクリスティナと話しあう。エリックは彼にも目をつけてトイレで顔を隠して「クリスティナは俺の元恋人たった」と言う。フランシスは復讐を決意する。彼には最愛の娘を殺され、しかもその殺人容疑をかけられた過去があった。トーマスは「エキゾチカ」でクリスティナの身体に触れるよう命じられる。そうしたらまたエリックが彼を叩きだし、店を出た瞬間なら出入り禁止の自分てもエリックを射殺できるはずた。トーマスがクリスティナに触れると、彼女はその手を握って戻し、何もなかったように振る舞った。一方店の外では、エリックがフランシスに告白していた。あんたの苦しみは分かっていた。娘さんの遺体を発見したのは自分とクリスティナで、自分はその捜索のときから彼女に恋をしていたのだ、と。幸せいっぱいのフランシスか娘にお土産を抱えて帰宅する。そのベビーシッターの少女は、クリスティナだった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- アトム・エゴヤン
- 脚本
- アトム・エゴヤン
- 製作
- カメリア・フリーバーグ
- アトム・エゴヤン
- 共同製作
- デイヴィッド・ウェブ
- 撮影
- ポール・サロシー
- 美術
- リンダ・デル・ロザリオ
- リチャード・パリス
- 音楽
- マイケル・ダナ
- 音響デザイン
- スティーヴン・ムンロ
- 編集
- スーザン・シプトン
- 衣装デザイン
- リンダ・ミュアー
- 字幕
- 石田泰子