雲南物語

劇場公開日:

解説

日中戦争後、中国辺境の地・雲南で生きる1人の日本人女性が辿った数奇な運命を通して、夫婦の愛を淡々と描いた人間ドラマ。日本ロケが重要な役割を果たし、中国・香港・日本の協力体制が実を結んだ一編。五十嵐美恵子の実話を基に、田笙とチェ・ティンが共同で脚本を執筆。監督は本作が遺作となった「青春祭」「おはよう北京」で注目された中国第四世代の女性監督・張暖忻。製作は成志谷と、「客途秋恨」の杜又陵。撮影は王小列、音楽は林偉哲と李欣芸が担当。主演は台湾のスター、呂秀齢。共演は「青い凧」「乳泉村の子供たち」のプー・ツンシン、台湾映画界の新星・林建華、「七人の侍」の東静子ほか。

1994年製作/香港・中国合作
原題または英題:雲南故事
配給:シネマスコーレ
劇場公開日:1995年6月10日

ストーリー

45年、日本敗戦。大陸から日本へ引き揚げる混乱の中、16歳の加藤樹子(呂秀齢)は肉親と離れ離れになり、ひとり中国に残され、絶望のあまり自殺を図るが、中国の軍人・夏沙(プー・ツンシン)に見つかり、一命を取り留め、2人は結婚する。ところが夏沙の故郷である雲南省の少数民族・哈尼(ハニ)族出身の村に帰る長旅の疲れで持病が悪化した夏沙は急死する。この地の風習に従い、夏沙の弟・夏洛(林建華)が樹子を妻に迎えようと近づくが、彼女は激しく拒絶。しかしやがて樹子は夏沙の子を出産し、村の原始的な風習にとまどいながらも、夏洛の優しい人柄に魅かれていく。49年、中華人民共和国が成立し、政府の要請により残留日本人は帰国するよう通達があったが、樹子は子供と夏洛への思いからこの地に踏みとどまる決意をする。やがて2人は結婚し、子供も生まれた。看護婦の経験を生かして村の助産婦となった彼女は、村の子供たちに日本の歌を教えるなど、充実の日々を過ごす。文化大革命など数々の苦難を乗り越え、子供たちも成長していった。長女の結婚式の日、日本から取材で訪れた記者が、彼女に両親の行方を捜すことを約束する。やがて、父母は健在との手紙が届き、樹子は夫や子供たちを残して帰国すると両親(大月譲介、東静子)や親族、友人たちが温かく迎えてくれた。父は娘を永住させる意向だが、夫と子供たちのことを思うと、樹子の心は複雑だった。そして、ある日、彼女は中国へ帰る決意をし、夫の待つ雲南に戻った。

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