動く標的
劇場公開日:1966年7月14日
解説
ロス・マクドナルドの同名の原作をウィリアム・ゴールドマンが脚色し「第3の男」のジャック・スマイトが監督したハードボイルド・アクション。撮影はコンラッド・ホール、音楽は「いそしぎ」のジョニー・マンデルが担当した。出演は「逆転」のポール・ニューマン、「マドリードで乾杯」のパメラ・ティフィン、「バイ・バイ・バーディー」のジャネット・リー、「いつか見た青い空」のシェリー・ウィンタース、「エデンの東」のジュリー・ハリス、「求婚専科」のローレン・バコール、「ピンクの豹」のロバート・ワグナーなど。製作には、ジェリー・ガーシュインとエリオット・カストナーが共同であたった。
1966年製作/アメリカ
原題または英題:The Moving Target
配給:ワーナー・ブラザース
劇場公開日:1966年7月14日
ストーリー
私立探偵ハーパー(ポール・ニューマン)が、行方不明になった大富豪サンプスンの探索を、引うけたのは、友人の弁護士アルバートが、彼をサンプスン夫人に紹介したからだ。ハーパーは、仲のうまくいかない妻スーザン(ジャネット・リー)との離婚話もそこそこに、早速サンプスン邸を訪ねた。そこでハーパーは、サンプスン夫人の義理の娘ミランダに会い、彼女の案内で、ロサンゼルスにある、サンプスン専用の部屋を訪れ、そこで、かつての人気女優フェイ(シェリー・ウィンタース)の写真を見つけた。ハーパーの頭に直感がわいた。このフェイの夫トロイというのは、密入国させて金をもうけるしたたかな者なのだ。早速、ハーパーは、フェイの部屋に入り込み、彼女が莫大な金を持っていることを確かめた。そしてちょうど、そのときかかってきた電話で、事件がバー「ピアノ」に関係があることを知り「ピアノ」に乗りこんだ。だが、そこの芸人である歌手のベティは、ハーパーの質問に答えてくれず、あげくに、用心棒パドラーに、外へたたき出されてしまった。しかし、この事件で、ハーパーは、サンプスン誘拐の裏には、何らかのシンジケートがあることを確信した。その頃サンプスン夫人のもとには、現金50万ドルをよこせという脅迫状が舞いこんでいた。ハーパーは、アルバートに金を用意させ、保安官のスパナーとともに、指定の場所に行った。やがて乗用車とスポーツカーが前後して現れ、先に金を受け取った乗用車の運転手は殺され、金はなくなっていた。これら一連の事件をたぐっていったハーパーは、サンプスンが以前宗教団体の指導者クロードに寄付した。山頂の“雲の神殿”がシンジケートの本部になっていることをつきとめた。だがこの事件のかたわれ、ベティからサンプスンの居所を聞き出したものの、彼はすでに死んでいた。そして、犯人の確証をにぎるべき、証人たちは、次々とたくみに殺されていった。ハーパーは、殺人の現場に必ずといっていいほど、アルバートが居合せていたことが、きっかけで、サンプスン殺しの真犯人が友人であるアルバートであることをつきとめた。ハーパーに問いつめられ、告白した後、アルバートはハーパーに拳銃をつきつけた。が、さすがのアルバートにも、友人ハーパーを殺すことはできなかった。ハーパーを見るアルバートの姿に敗者の影が色こくにじみでていた。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ジャック・スマイト
- 脚色
- ウィリアム・ゴールドマン
- 原作
- ロス・マクドナルド
- 製作
- ジェリー・ガーシュイン
- エリオット・カストナー
- 撮影
- コンラッド・ホール
- 音楽
- ジョニー・マンデル