アンナ・カレニナ(1948)

解説

レオ・N・トルストイの傑作『アンナ・カレニナ』の第三回目の映画化(一九四八年)で、「神々の王国」のジュリアン・デュヴィヴィエが渡英して監督に当っている。製作者アレクサンダーア・コルダの性格を反映して、スタッフは著しく国際的、即ち脚色はフランス劇作家ジャン・アヌイ(「聖バンサン」)、イギリス・ライターのガイ・モーガン(「捕われた心」)及びデュヴィヴィエの協同、撮影は「海の牙」のアンリ・アルカン、音楽は英国でバレエ音楽を多く作曲するコンスタント・ランバート、装置はドイツ映画で活躍したアンドレ・アンドレイエフ、衣裳は英国のデザイナー/画家セシル・ビートンという顔触れである。アンナには「哀愁」のヴィヴィアン・リーが扮し、以下「女相続人」のサー・ラルフ・リチャードソン、アベイ劇場出身のキーロン・ムーア、ヒュウ・デソプスタア、メアリー・ケリッジ、マリー・ローア、サリー・アン・ハウズ、ナイアル・マクギニス、マーティタ・ハントらが共演する。

1948年製作/イギリス
原題または英題:Anna Karenina

ストーリー

俗物的官僚の代表者たるカレーニン(ラルフ・リチャードソン)と政略結婚させられた美貌のアンナ(ヴィヴィアン・リー)が愛なき生活の不満から、貴公子ウロンスキー(キーロン・ムーア)と恋におち、駆け落ちまでするが、男に対する嫉妬と罪の悔悟から、鉄道で自らの生命を絶つ。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

4.0ビビアン・リーによるアンナ・カレニナは、やはりピタリとハマってる

2022年7月31日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
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Kazu Ann

3.0ヴィヴィアンと セシル・ビートン

2019年4月6日
Androidアプリから投稿

やはり トルストイの傑作の映像化の 難しさを思う
どうしても アンナ中心になり、彼女の勝手さばかりが クローズアップされてしまう
(おまけに スカーレットの印象が 強烈な ヴィヴィアンである)

恋の相手、ヴロンスキー(キーロン・ムーア)が やや、オッサンくさいのも 年上の女の不安に いまいち繋がらない
(ときめきも伝わらない… 1948年頃のハンサムなのだろうか?)
「息子と同じ瞳…」とか言わせているが、
何処が? である
この役に関しては、実績より 若々しさを選んだ方が(冒険した方が) おもしろかったのでは?

ヴィヴィアンが 絶世の美女なのも、オペラの桟敷席での 恋のライバルへの嫉妬を 無意味なものに、変えてしまう
(楽勝じゃないか)
そして 周囲も彼女の前に ひれ伏してしまうのではないか?

こんなんで アンナの葛藤が、母性愛以外は あまり伝わらず、最後の悲劇が ドラマチックに盛り上がらない

彼女は「悲劇」を呼び寄せそうな美女なのだが、
アンナ役には 少し違和感がある気がする

ただ、セシル・ビートンの衣装は 素晴らしい…
二人のコラボも 楽しい
彼女の美貌を 引き立てるエレガントなものばかりである

ちなみに「マイ・フェア・レディ」でも衣装を担当していて、賢いオードリーは 採用されなかったイライザの衣装も着て、ちゃんと写真を撮っている

写真家から 始まり、舞台装飾や衣装デザインまで 手がけてしまい、ナイトの称号まで授与された 彼の仕事の一端を確認でき、楽しかった

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jarinkochie

5.0ヴィヴィアン・リーのはまり役、物凄い見応え

2018年9月27日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

物語の面白さ、とてつもなく考えされられる深みはもちろん言わずと知れた文豪トルストイの原作によるもの
しかし、ヴィヴィアン・リーの演技は物凄いものを見た気にさせる見応えだ

ヴィヴィアン・リー撮影当時35歳
まだまだ充分に美しい、が確かにピークは過ぎた感がでている
それでもなお男を狂わせかねない魅力を強力に持っている
まだ女は終わっていないのだ
それを主人公の役柄だけでなく、演じる彼女本人もそれを自覚しているのだ
彼女がこの歳になるのを待って撮影されたかのようですらある
さらに彼女の持つ自分勝手で我が儘な気質、気の強さが役柄に見事にマッチしており、配役の確かさで本作の成功は半分勝負あったといえるが、彼女がその製作側の期待をさらに上回る演技をしてみせているのだ
特に終盤のオペラ座での緊迫感は見事

列車と途中停車駅での演出も監督の腕の冴えも素晴らしい
このシーンは同年4月公開の映画忘れじの面影の駅での別れのシーンの繰り返しと良く似ている
駅の柵のセットまでそっくりだ
本作は1月の公開だがオマージュされたのだろうか?

セット、衣装、小道具もみな文句の付けようもない
素晴らしい名作だ

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あき240