アリスの恋

劇場公開日:

解説

突然の事故で夫を亡くした中年女性とその長男の旅を描く。製作はデイヴィッド・サスキンドとオードリー・マース、監督は「ミーン・ストリート」の新人マーティン・スコセッシ、脚本はロバート・ゲッチェル、撮影はケント・ウェイクフォード、音楽はリチャード・ラサール、編集はマーシア・ルーカス。出演はエレン・バースティン、クリス・クリストファーソン、ビリー・グリーン・ブッシュ、ディーン・ラッド、レリア・ゴルドーニ、レーン・ブラッドバリー、ヴィック・タイバック、アルフレッド・ルッターなど。

1974年製作/アメリカ
原題:Alice Doesn't Here Anymore
配給:ワーナー・ブラザース映画
劇場公開日:1975年11月22日

ストーリー

32歳のアリス(エレン・バースティン)は、突然未亡人になってしまった。夫のドン・ハイヤット(ビリー・グリーン・ブッシュ)がトラックの運転中に事故死したのだ。必ずしも愛してはいなかったけれども、ショックだった。アリスは、12歳になる一人息子のトム(アルフレッド・ルッター)に、ソコロを引き払って、故郷のモンタレイへ帰り、子供のときからの夢だった歌手として出直したいといった。ただ葬式で所持金を使い果たしていたので、旅費は途中のバーなどで歌いながら、稼がなければならなかった。当分、モーテル暮しが続くかと思うと、トムはあまり気乗りしなかったが、母親がそう決めた以上、むげに反対もできなかった。西へ向かって、親子の旅が始まった。アルバカーキで、アリスは歌の仕事にありついた。ほっとすると男が近づいてきた。ベンという若者だった。デートするようになり、帰りも遅くなった。トムはモーテルで一人ぽっち。当然アリスへの反抗心が頭をもちあげてきた。やがてベンの妻リタ(レーン・ブラッドバリー)が現われ、ベンの狂暴な正体が割れた。ベンは手のつけようのないサディストで、リタをしたたか殴りつけた。動転したアリス親子は、とるものもとりあえず、荷物をまとめて町を飛び出した。せっかく、いい仕事が入ったというのに。ツーソンまできたが、歌の仕事はなく、やむなくアリスはウエイトレスとして働くことにした。そこではデイヴィッド(クリス・クリストファーソン)という男が、親しげに声をかけてきたが、アリスは心を許さなかった。それでも彼は店によくきてトムと仲良くなり、自分の農場に連れていった。その縁で、やがてアリスも農場へ行くようになり、デイヴィッドとの間にロマンスが芽ばえた。トムは、デイヴィッドを嫌いではないが、母親と仲良くされると、なぜか嫉妬心がわく。トムの慰めは、おしゃますぎる少女オードリー(ジョディ・フォスター)だけだった。一緒にワインを呑んだり、泥棒したりして遊び回った。とうとうある日、トムはデイヴィッドに徹底的に反抗した。どうにも素直さのないトムに腹を立てたデイヴィッドは、思わず彼を殴りつけてしまった。驚いたのはアリスだった。どんな理由があろうと、自分の息子への暴力は許せなかった。アリスはデイヴィッドに絶交を告げ、トムのあとを追った。しかし、そんなアリスにも、トムは悪態をついて、どこかにいってしまった。その晩、アリスの心配をよそに、トムはとうとう帰ってこなかった。翌朝、警察からの電話で、トムが事もあろうに酒の呑みすぎで正体不明で補導されていることを知り、もらいさげにいった。そして、昨晩はデイヴィッドには言いすぎたと思ったけれども、今さら謝れず、レストランにやってきたデイヴィッドを冷たくあしらった。そして後悔があとからやってきた。とうとうアリスは故郷へ帰ることを決心した。だが、デイヴィッドが店にやってきて、みんなの前でアリスを抱きしめ、結婚を申し込んだ。もちろん、アリスに異存はない。トムも心から祝福してくれるだろう。アリスは、今まで感じたことのない幸福感をかみしめていた。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第32回 ゴールデングローブ賞(1975年)

ノミネート

最優秀主演女優賞(ドラマ) エレン・バースティン
最優秀助演女優賞 ダイアン・ラッド
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映画レビュー

4.0エレン・バースティン、さすがアカデミー賞主演女優賞受賞の演技に拍手...

2024年1月31日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

エレン・バースティン、さすがアカデミー賞主演女優賞受賞の演技に拍手。若きハーヴェイ・カイテルや幼きジョディ・フォスター、口の悪いダイアン・ラッド(ローラ・ダーンのお母さん)、歌わないクリス・クリストファーソンもイイ感じ。日本で初めて公開されたスコセッシ監督作品らしい。息子くんが鏡に向かってオモチャの銃を向けるシーンとか『タクシードライバー』を彷彿とさせる?楽しい映画でした。

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mini

3.0目指せ、モンタレー!?

2023年9月14日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

単純

幸せ

アリスの幼少場面、まるで往年のハリウッド黄金期かのような雰囲気とオープニング、画面いっぱいに覆われた赤色から不穏感漂う演出が印象的。

ハーヴェイ・カイテルの登場で流れる「I Will Always Love You」のオリジナルはカントリーでホイットニー・ヒューストンはカバーだった、にしても稀に見る最悪なクソ野郎を演じたハーヴェイ・カイテルに対して最高に優しくて渋味のある男を演じたクリス・クリストファーソンの好感度だけが爆上がり、そして男のコみたいなジョディ・フォスターの不良感!?

店が忙しくて回らない状態で身勝手過ぎる熟女ウェイター二人組にイライラしながら一人でテンパってるウェイターにもイライラする、何を根拠に歌手を目指すのか、アリスには同情や共感すら出来ない、最後まで冷たい視線で息子を含め、これからの人生は親子共々、デヴィッドを労れ、アリスと息子に呆れ果て見限ってしまう自業自得なバッドエンドを撮り直せないか??

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万年 東一

0.5アメリカ民主党支持者の本音?

2023年5月31日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD
ネタバレ! クリックして本文を読む
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マサシ

3.5本物の恋に出会うまで、

2022年8月20日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

意外なことにこの映画の監督は、マーティン・スコセッシです。
1975年(アメリカ)
ごく普通のラブストーリー、ごく平凡な女性が主人公です。
主役のアリスはエレン・バースティン。
夫を事故で亡くして、途方に暮れたアリスは、自分の夢(故郷のモントレーで歌手になる)
モントレーを目指して、オンボロ車一台にボストンバッグ1つで向かうのでした。

途中で仕事を探して移動して、また仕事を探す。
生意気な一人息子のトミー。
息子ってまだオチビ(11歳位かな?)でも、母親にとっては、話し相手だし、コンパスなんだなぁ。
彼なしでは前へ進めない。

この映画は未亡人の苦労はなしですけれど、アリスがウェートレスをしてる店の常連客の
デヴィッド(クリス・クリストファーソン)が本当に素敵でした。
妻子に逃げられた牧場主の役なんだけど、こんなセクシーな男に想いを寄せられて、
好きにならない女性がいるでしょうか?

クリス・クリストファーソン。
有名なカントリー歌手で、有名な俳優です。
「スター誕生」の何回目かのリメイクで、バーブラ・ストライサンドの相手役の、
飲んだくれのロック歌手役でした。
この映画を観たとき、なんて素敵な男性なのかと思いました。
レディ・ガガの相手役のブラッドリー・クーパーに匹敵する男性でした。
この映画でも、アリスに勿体ないくらいセクシーでしたね。
彼がギターを弾きながら、ほんの数フレーズを歌います。
お金を取れる声、雰囲気、声のチカラ!
聞き惚れます。
対してアリスの歌。
(エレン・バースティン、下手、お金を稼ぐ声じゃない。)

トミーのギター教室の友達に、まだ12、3歳のジョディ・フォスターが出演してます。
最初の町で言い寄ってくる青年にハーベイ・カイテルが出てます。
好青年かと思っていたら、お約束のキレっぷり。
スコセッシ監督作品の常連、ちゃんと役割りを果たしてくれます。
(監督も出演してるとありましたが、分りませんでした)
町一番のダイナーの活気と美味しそうなメニュー。
ウェートレス仲間の人間模様。

アメリカっぽい映画で面白かったです。

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琥珀糖
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