アメリカから来た男

劇場公開日:

解説

ファシズムが暗黒時代に突入する前の古き良きイタリアを舞台に、花嫁を探しにきた中年のアメリカ人とプレイボーイのイタリア青年の行状をコミカルに描く。91年東京国際映画祭ヤングシネマ出品作。子役出身のCM監督アレッサンドロ・ダラトリのデビュー作。製作はサンドロ・パレンゾ、脚本はエンゾ・モンテレオーネ、原作はジーノ・プネッティ、撮影はアレッシオ・ジェルシーニ、音楽はガブリエレ・ドゥクロスが担当。

1991年製作/101分/イタリア
原題または英題:Americano Rosso
配給:シネセゾン
劇場公開日:1992年2月1日

ストーリー

1934年夏、北イタリアの小さな町でファシストでクラーク・ゲーブル似の伊達男ヴィットリオ(ファブリツィオ・ベンティヴォリオ)は叔父のオスカー(エロス・パーニェ)の経営する結婚相談所に勤めていたが、叔父の後妻リナとの浮気がバレ、ケンカの末クビとなった。叔父夫婦はそのまま彼を置いてバカンスへ旅立つ。そこへアメリカから美人で処女のイタリア娘と結婚するために来たという、金持ちだが醜男のジョージ(バート・ヤング)が現れる。渡りに舟と、ヴィットリオは3枚の花嫁候補の履歴書を持ち出し、ジョージとリヴィエラの一流ホテルにバカンス気分で宿をとった。まず最初に訪れた女性は美人だったが、スラブ人。2人目は年齢詐称の年増女。ジョージは激昂するが、ホテルに滞在する美女ザイラ(ザブリナ・フェリッリ)と親しくなり、気分を直す。その隙にヴィットリオはジョージの荷物から金を数百リラ抜き取り、処女かどうか確かめると称してザイラと関係を結んだ。彼女が金目当てのプレイガールと知った2人は3人目の農家の娘サンティーナ(パオラ・ルチェンティーニ)の家へ行くが、彼女は聾唖者だった。やがて、ジョージは行きつけの食堂で奴隷のように働く娘アントニエッタ(ヴァレリア・ミリッロ)に目をつけた。彼女を美容院へ連れていくと見違えるように美しく変身したので、ジョージは結婚相手を彼女に決めた。故郷を見たいというジョージを残し、2人は移住準備のため町に投宿する。そこでローマ進軍をともにした警察本部長(マッシモ・ギーニ)から、オスカーが麻薬の密輸をしていたと聞く。互いに好意を持っていた2人はその夜結ばれた。ヴィットリオは駆け落ちを望んだが、ジョージを想うとそれはできない。翌日、ジョージとアントニエッタはアメリカへ旅立っていく。2人を見送ったヴィットリオは新聞をみると、彼は叔父オスカー殺しで指名手配されていた。ジョージのレンタカーの中で彼は逮捕された。ジョージの忘れもののカバンの中に拳銃があった。彼は叫ぶ、「犯人はあのアメリカ人だ。俺は罠にはめられたんだ!」オスカーの部屋にある大勢の仲間の写真の中のジョージの顔に、かつて彼が言った言葉がかぶさる。「アメリカには大勢イタリア人がいるんだ。とても探せっこないよ」。

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