あの子を探して

劇場公開日:

解説

小学校の代用教員になった13歳の女の子と迷子になった腕白坊主の生徒の姿を描いたヒューマンドラマ。監督は「上海ルージュ」のチャン・イーモウ。脚本はシー・シアンション。撮影はホウ・ヨン。音楽はサン・パオ。出演はウェイ・ミンジ、チャン・ホエクーほか。

1999年製作/106分/中国
原題または英題:一個都不能少/Not One Less
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
劇場公開日:2000年7月1日

あらすじ

中国、河北省赤城県チェンニンパオ村にある水泉小学校。休職したカオ先生に代わって、14歳の代用教員ウェイ(ウェイ・ミンジ)がチャン村長(チャン・ジェンダ)によって教壇に立つことに。悩みの種は10歳の腕白坊主チャン・ホエクー(本人)だけだ。ある日、チャンが登校していないのに気づいたウェイが彼の家に行くと、病気の母が出てきて、チャンは家計を助けるために出稼ぎに出たと言う。ウェイはチャンを連れ戻そうとするが町を出るバス代がない。皆で協議の結果、レンガを運んで金を稼ぐことになり、生徒たちは一生懸命働いてようやくウェイを送り出す。ところが、町へ着くとチャンは行方知れずだと聞く。彼女はなけなしの金をはたいて紙と筆を買い、尋ね人のチラシを貼り出すがらちがあかない。ついに町のテレビ局に行き、涙ながらに訴えるウェイ。こうした苦難の末、ウェイはチャンと再会を果たすのだった。

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スタッフ・キャスト

  • 魏敏芝ウェイ・ミンジ

  • 張慧科チャン・ホエクー

  • Zhenda Tianチャン・ジェンダ

  • Enman Gaoカオ・エンマン

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受賞歴

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映画レビュー

5.0今までの監督作品とは全く違うセミドキュメンタリーの趣

2025年2月19日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

知的

『あの子を探して』 (1999/中国/106分)
26年ぶりの鑑賞。
ぼんやりと過疎の村での若い女性教師と子どもたちのハートウォーミング映画という記憶でしたが、然にあらず、かなり社会派の作品だったと再認識。

舞台は高度経済成長前夜、90年代の中国の過疎農村。
チョーク1本も満足に購入できない貧を極めた小学校に母親の看病のため一ヶ月休職するベテラン教員の代理教員として雇われた13歳の少女とコーラさえも飲んだことのない貧困にあえぐ生徒たち。中学さえも卒業していない少女はろくに授業もできず、科目によっては生徒の方が優秀。約束された代理教員の給与も支払われず、村長からは「学校経営が困難なため、これ以上生徒の人数が減ったら給与は支払わない」と言われた最中、クラス一腕白な生徒が家計を助けるため都会に出稼ぎ、少女は給与のために他の生徒たちと思案しながら都会へのバス代稼ぎに奮闘。なんとか都会に到着するが、あてもなく途方に暮れる。それでも凄まじいバイタリティを発揮して、TV番組内での公開捜査を実現、無事村に連れかえるというお話。
『二十四の瞳』や『熱中時代』『3年B組金八先生』のような熱血教員映画と(勝手に)記憶しておりましたが、原題「一个都不能少=一人も欠かさない」のように、教師と生徒の心の交流というよりも、わずかばかりの給与のために尽力せざるを得ない少女、当時の中国の格差社会を描いた作品。
とは言え、お金のための捜索から徐々に教師としての責務、生徒たちへの愛情の発露がきちんと描かれています。
監督のスケジュールの都合上、ロケ地も急遽変更、そのためキャストもほとんどが現地の一般人が採用されており、今までの監督作品とは全く違うセミドキュメンタリーの趣でありますが、21世紀間近になって都会が発展を遂げても、まだ農村では満足に教育を受けられない子どもたちが多数存在することを伝えるには、よりインパクトがありましたね。
公開当時よりも教育環境が良くなっていることを願います。

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矢萩久登

2.0見た。

2023年12月31日
PCから投稿
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プライア

4.0女性の魅力を引き出す、チャンイーモウの本領が発揮された作品

2023年3月5日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

主人公の女の子の魅力を最大限に引き出しているのはチャンイーモウの本領発揮と言えるそれで、さすがの一言。常にムキになって課題に立ち向かう頑固な性格がガッチリめに描かれている。

映像美もまたチャンイーモウならでは。気が強くひたむきで生意気な主人公が必死で全力疾走する姿と、90年代とはとても思えないような中国の田舎の風景、というマッチングが印象的に何度も現れたが、そのどれもが同様に美しかった。

ただ、純朴さを描くが故にストーリーがシンプル(悪く言えば陳腐)であり、かつ「初恋のきた道」や「サンザシ」のような強力なスペクタクルも無く、動画というよりは美しいシーンをいくつか並べるためのストーリーのように感じてしまった。

主人公の必死さの動機が、金のためから生徒のために移り変わっていく状況説明が、テレビ番組側の美談に仕立て上げたいという意図にきっかけを得ていることもあって、なんか棚ぼたで得たものに浮かれてるようにも捉えられてしまい、ラストでいまひとつ素直に感動できなかった。

それでも、子供たちの笑顔や扱いづらさ、それに立ち向かう主人公の力強い姿が描ききれているだけでも十分良作だと思わせてくれるのが、チャンイーモウならではの演出力なのかもしれない。

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wutang

5.0素朴で胸に染みる感動

2022年11月3日
iPhoneアプリから投稿

一生懸命に生きている姿が、初めは観ていて辛かった。
でも、最後にとても心が温かくなって涙が出ました。

人に疲れたら、また観たいと思う。

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ししまる