アニー・ホール

ALLTIME BEST

劇場公開日:1978年1月14日

解説・あらすじ

ウッディ・アレンが監督・脚本・主演を務め、大都会ニューヨークを舞台に描いたラブストーリー。冴えない風貌だがなぜか女性にモテるスタンダップコメディアンのアルビーは、歌手志望のアニーと出会って意気投合し、一緒に暮らし始める。しかし上手くいったのは最初だけで、時が経つにつれて互いの嫌な部分が目につくようになり、2人の溝は深まっていく。そんなある日、アニーは大物音楽プロデューサーのトニーからカリフォルニア行きを勧められ……。ダイアン・キートンがヒロインを務め、歌手のポール・サイモンがトニーを演じた。ブレイク前のクリストファー・ウォーケン、シガニー・ウィーバーらが出演しているほか、作家トルーマン・カポーティがカメオ出演。1978年・第50回アカデミー賞で作品賞、監督賞、主演女優賞、脚本賞を受賞した。

1977年製作/93分/PG12/アメリカ
原題または英題:Annie Hall
配給:ユナイト映画
劇場公開日:1978年1月14日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第35回 ゴールデングローブ賞(1978年)

受賞

最優秀主演女優賞(コメディ/ミュージカル) ダイアン・キートン

ノミネート

最優秀作品賞(コメディ/ミュージカル)  
最優秀主演男優賞(コメディ/ミュージカル) ウッディ・アレン
最優秀監督賞 ウッディ・アレン
最優秀脚本賞 ウッディ・アレン
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映画レビュー

4.0 天才コメディエンヌを失った今、感じる半端ない喪失感

2025年10月14日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

笑える

悲しい

ダイアン・キートンの突然の訃報に接し、今一度再見してみた代表作・その1。

ブルックリン育ちのコメディアン、アルヴーが恋人のアニーと過ごした日々を振り返りながら、相手が側にいる時はわからない、共に過ごした日々の尊さを、マシンガンのように繰り出される皮肉が効いたジョークや比喩を使って描いている。監督と脚本を兼任するウッディ・アレンは、彼が生まれ育ったニューヨークとアニーが移り住むロサンゼルスとの対比や、男女の間にあるセクシュアリティにまつわる固定概念、等々、セリフの中に膨大な量の情報を仕込んでいるため、英語ネイティブではない観客の動体視力が追いつかない。

でも、突然車の中から降りてくる登場シーンから、まるで風景の一部に溶け込んだようなアニー、ダイアン・キートンのあるようでないような存在感が、慌ただしい物語の行間から浮かび上がって、そこはかとない余韻を残すことは確か。キートンがいなくなった後に見てみると、劇中のアルヴーと同じく、彼女がどれだけ貴重な存在だったかを実感するのだ。

力演、名演とは明らかに違う、クレバーで自然な演技でオスカーを獲ってしまった、天才コメディエンヌ、ダイアン・キートン。彼女がいかにユニークな俳優だったか!?今、感じている喪失感は半端ない。

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清藤秀人

4.5 追悼ダイアン・キートン

2025年10月14日
Androidアプリから投稿

全編に溢れるおしゃべりと長回し、ブレヒトを意識した“第四の壁”演出、陰鬱なNYと陽気なLAとの二項対比...ウディ・アレンの映画スタイルを確立させたといわれる本ロマンチック・コメディは、日本でも大変人気があるのだとか。まるで平成天皇と美智子様の出会いのように、ある日テニスコートで出会い惹かれあったアルビー(ウディ・アレン)とアニー(ダイアン・キートン)の大人の恋の物語だ。

ユダヤ人差別に対する不平不満を友人にまくしたてるアルビーの映画冒頭のマシンガントークは、映画監督ウディ・アレン自身がこよなく愛するNYに対する憎まれ口だ。好きで好きでしょうがないのに本人を目の前にするとつい口をついて出てきてしまう悪口....強迫神経症に悩むアルビーだけに、ちょっとした相手の欠点も気になって気になって夜も眠れなくなってしまうのである。

「世界の中で一人でも飢えている人がいるとわかると、人生を楽しめない」と語るアルビーは、スタンダップ・コメディアンの舞台でギャグが滑ったらどうしようといつも怯えていて、歌謡ショーでディナー客の一人がけたたましい音をたてただけでショックを受けて大泣きするアニーとは、いわゆる似た者同士なのである。世の中上手くいっているカップルはすべからくそうだと思うのだが、“お互いの欠点”を共有し合っているのではないか。

ゴキブリやクモが部屋に現れただけでSEXも途中放棄、生きている🦞を鍋にいれるだけで大騒ぎする2人は“(人間を含む)生き物”が大の苦手なのだ。自分の本当の気持ちをそこにいる登場人物ではなく、スクリーンの向こうの観客に向かって語りだすアルビーの態度によくそれが現れている。アニーの浮気が原因で別れた後、通りを歩いていたバカップルを呼び止め「私たち二人とも頭スッカラカンだから」という回答を得て、大いに納得するアルビーなのである。

出会った当初は、心にぽっかり空いた“HOLE”がピタリと重なり合っていたアルビーとアニーだったが、大物音楽プロデューサーに会うためLAに二人して出掛けたあたりから、お互いの気持ちがすれ違い始める。たとえ“すべての人が楽しむことができなくとも”なんも悩むことなく、コカインや葉っぱでラリッてノー天気に人生を楽しんでいる人々が暮らすLAに浮気したアニーを、どうしても許すことができなかったアルビーなのだ。

「死にまつわる本」ばかり読んでいるアルビーを、アニーは「あなたはまるでニューヨークみたいな人」と形容する。太陽、ミルク、赤い肉、大学...健康的なものに囲まれたLAに拒絶反応をおこすアルビーは、社交的なこの街の雰囲気が大大大嫌いなのである。やがてLAに飽きてNYに戻ってきたアニーにアルビーは迷わずプロポーズするのだが、あっさりふられてしまう。“サメ”どころか🦞のように後退しつづける男とサケのように大切な“卵”を産みに帰ってきた女。NY愛があるから相手を好きになるのか、相手を好きになるからNY愛がうまれるのか。ニワトリと卵のジョークのように、結論の出ない自問自答を永久に繰り返すウディ・アレンなのでした。

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かなり悪いオヤジ

3.0 技術満点 内容???

2025年9月19日
PCから投稿

映画技術としては、本人のシーンに本人の分身が登場したり、過去のシーンに現在の自分が入り込んだり、対立する会話を二分割画面で表現したり、ディズニー漫画の中に登場したり、アイデアの限りを尽くした様々な手法が次々と展開してゆくので退屈しません。

一方、内容的にはよく言えばシュール、悪く言えば無意味なセリフや唐突な場面展開が頻出します。ユダヤのくせにユダヤを揶揄するような「軽み」が救いですが。

また、当時のアメリカ人でないとピンと来ない文化人・芸能人や時局をネタにしたジョークや皮肉が核心なので、日本人には理解できない、というのが正当な評価です。
竹村健一とか槙枝委員長とか金語楼とかが出てくる50年前の映像を見せられたら、外人は勿論、今の日本人が観たって全然わからないのと同じです。

「都会的な洗練されたセンスがわかる俺」みたいに勘違いする人には重宝する。そんなカンジの作品んです。

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越後屋

3.0 タイトルなし

2025年3月8日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

時代を考えると色んな試みが詰められた作品だという事は解るような気もするが、ちょっと公開から年月が経ち過ぎていて、それだけでは楽しめなかった。同じ理由からかもしれないが笑える所も少なかった。

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ソルトン