あなたに逢いたくて

劇場公開日:

解説

富豪の美女と結婚を決めながら、相手の妹を愛してしまい、存在しない双子の弟になりすまし、ひとり二役で姉妹両方とつきあおうとして悪戦苦闘する様を描いたラヴ・コメディ。ユーモア・ミステリーの異才ドナルド・E・ウエストレイクの『二役は大変!』(邦訳・ハヤカワ文庫刊)を、「エビータ」のアントニオ・バンデラス、「透明人間」のダリル・ハンナ、「ミルク・マネー」のメラニー・グリフィスの主演、「ベルエポック」のフェルナンド・トルエバの監督・脚本(ダビッド・トルエバと共同)で映画化。製作は「ビースト 獣の日」のアンドレ・ビセンテ・ゴメス、クリスティーナ・ウェテ、トルエバの共同。撮影は「ベルエポック」のホセ・ルイス・アルカイネ。音楽は「ブロードキャスト・ニュース」のミシェル・カミロで、軽快なラテン・ジャズ調のスコアは聴きもの(エンド・クレジットでは演奏場面も)。共演は「レオン」のダニー・アイエロ、「9か月」のジョーン・キューザック、「ナイト・アンド・ザ・シティ」のイーライ・ウォーラックほか。

1996年製作/118分/アメリカ・スペイン合作
原題:Two Much
配給:日本ヘラルド映画配給(アスミック=日本ヘラルド映画提供)
劇場公開日:1997年4月5日

ストーリー

マイアミ。インチキ画商のアート・ドッジ(アントニオ・バンデラス)故人が買ったと嘘をついて絵を売りつけるために、新聞の死亡記事富豪ユージン・パレットの葬儀に出かけた。故人の息子ジーン(ダニー・アイエロ)に追い立てられるところを、セクシーな美人ベティ(メラニー・グリフィス)が救う。二人は意気投合、一夜で結ばれた。ところがベティは名高い恋多き富豪の美女、さらにあのジーンと、二度結婚して離婚しているという。情熱的なベティは一方的にアートとの結婚を決め、その記事は新聞でも公表され、ベティに未練たっぷりのジーンは怒り狂う。ベティの屋敷で一夜をすごしたアートはシャワールームで偶然ベティの妹リズ(ダリル・ハンナ)と会う。情熱的すぎるベティと違い、知的でクールば魅力あふれるリズに、アートは彼女こそ真実の恋人と確信。思い余ったアートは、知的で繊細な男性が好みのリズと付き合うため、存在しない双子の弟バート(バンデラス=二役)にでっちあげた。もともと才能のある画家だったアートは、再び絵筆をとり、新進画家バートにすぐさまなりすました。協力者はしっかり者の秘書グロリア(ジョーン・キューザック)。努力の甲斐あってベティに知られぬまま、リズはバード(実はアート)にひかれていく。罪悪感を覚えはじめたアートを現実に引き戻すように、ジーンがやってくる。彼はベティと必ず結婚して、彼女を幸せにしろとアートに強要した。こうして臨んだアートとベティの結婚式。ベティは偶然、ジーンがアートに、彼女への深い愛を打ち明けているのを耳にする。かくして誓いの儀式の時。ベティはジーンにいきなり駆け寄り、アートを尻目に彼と三度目の結婚を決めてしまう。ほっとするアートだが、それを見ていたリズは彼のひとり二役に気づいてしまった。アートはバートとして彼女に別れを告げた。しばらく後。絵画を本格的に再会したアートの展覧会が開かれ、アートとリズは再会。アートは今度こそひとりの男としてリズと向かい合うのだった。

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