悪魔の美しさ

劇場公開日:

解説

「沈黙は金」につぐルネ・クレール監督作で、イタリアにおいて撮影が行われた。「ファウスト」の物語であるが、ゲーテの戯曲によらず、ファウスト伝説よりの独自の構想で映画化されている。脚本はクレールと、劇作家アルマン・サラクツウの協力になるもの。撮影は「恐るべき親達」のミシェル・ケルベ、音楽はロマン・ヴラドの担当。主演は「リゴレット」のミシェル・シモンに「パルムの僧院」のジェラール・フィリップで、「バラ色の人生」のシモーヌ・ヴァレール、コソセルバトワアル出身の新人ニコール・ベナール、クレエル映画の定連レイモン・コルディらが共演、カルロ・ニンキ、パオロ・ストッパらのイタリア俳優が助演する。

1949年製作/フランス
原題または英題:La Beaute du Diable
配給:東宝
劇場公開日:1951年12月4日

ストーリー

十九世紀初頭の某公国。大学教授ファウスト博士(M・シモン)は五十年のストイックな研究生活の結果、一流の磧学とうたわれていたが、忍びよる老いの悩みには克てなかった。それにつけこみ、青春を取戻せと誘惑してやまない悪魔の手下メフィストは、ついに博士を説伏せ、魂を売渡す代償として先ず彼を青年アンリ(G・フィリップ)の姿にかえてやった。若いアンリ・ファウストはジプシイ娘マルグリット(N・ベナール)との恋に酔ったが、博士の失踪を知った警察は犯人としてアンリを捕えた。が法廷に、老博士の姿をしたメフィスト(M・シモン)が現れたのでアンリは釈放され、以後彼はメフィストの意のままに、砂を金に変える術を会得して、国一番の分限者となり、大公妃(S・ヴァレール)の愛をも受けるようになった。しかしアンリは依然として魂を売る契約書には署名しようとはしないので、怒ったメフィストは彼から一切の能力を取上げた。驚いたアンリは夢中で契約書に署名し、ついに魂を売ってしまったが、幸福はやって来ず、冷たい未来を悟るばかりであった。絶望したアンリは最後の希望をマルグリットとの恋にかけようとしたが、憤慨したメフィストは国中の金を砂に戻してしまった上、マルグリットを魔女として告発した。しかしマルグリットの魂は既にアンリのもの、メフィストの自由にはならなかった。彼女はメフィストから見せられた契約書を宮殿に押寄せた民衆に投げ与えた。民衆は、ファウストの署名をみて、博士の姿をしたメフィストを追いかけ、ついにこの悪魔の手下はバルコニイからおちて煙となって消え去った。暁がおとずれ、マルグリットと共に愛の生活に旅立つアンリの姿がみられた。

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映画レビュー

3.5一度観ておくと良い

2023年4月14日
Androidアプリから投稿

ファウストって、ゲーテの「ファウスト」ということで聞いたことはあったが、中味はほとんど知らなかったので、一度、こうやって映画で観ておけたのは良かった。 音は古〜い感じで残念だったけれど、演技もセットもなかなか見応えがあった。 良心やピュアな愛の力が打ち勝つという志向の内容で、なかなか力強いものを感じさせてくれる内容だった。 個人的に言えば、美しい王妃に惹かれるアンリと、かわいいサーカスの?生娘に惹かれるアンリとでは、どこがどう根本的に違うんだという気がしないでもないけれど、そのへんは追求しないでおこうかな…

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あま・おと

4.0リメイクしてもよいのでは?

2020年10月14日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

ドイツの文豪ゲーテの小説「ファウスト」に着想を得ているものの、筋書きはオリジナルとのこと。もし自分が若返れたらどんな生き方をする?というちょっと難しいテーマを悲喜劇に仕立ててあり、今観ても全然古臭くなくて驚いた。 主演の二人が共に目がクルクルとよく動いて愛嬌があり、演技力も確かでハマっていた。 超豪華なセットでの西洋演劇を鑑賞できる映画。 今日びの俳優陣でリメイクしてもらったら絶対映画館に観に行く。内容の良さを思うと日本語のタイトルがもう一つ残念な気がした。

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SpicaM

4.0名優ジェラール・フィリップとミシェル・シモンを生かしたクレール監督の演出と、含蓄のあるファウスト劇の面白さ

2020年4月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
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Gustav

3.0魂を売りたい

2018年10月20日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 やがては行方不明となったファウストを殺害したとして裁判にかけられる。老ファウストの姿をしたメフィストが現れ彼を救うことになったが、なかなか魂を売ってくれないファウストに業を煮やしたメフィスト。錬金術の成功とか王妃とのロマンスを餌にファウストを説得するのだ。しかし、幸福は夢でしかなかった・・・  若いファウストに恋する娘が魔女狩りの被害に遭うところは皮肉が効いていたけど、その後がつまらない。ハッピーエンドなんて似合わないと思うのに・・・

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kossy