ヨコハマメリー

劇場公開日:2020年10月3日

ヨコハマメリー

解説・あらすじ

白塗りの化粧と貴族のようなドレス姿で横浜の街角に立っていた老女、ハマのメリーさんを追ったドキュメンタリー。かつて絶世の美人娼婦として知られ、本名も年齢も明かさないまま、戦後50年間にわたって街角に立ち続けたメリーさん。その気品ある立ち振る舞いは横浜の風景の一部ともなっていたが、1995年冬にこつ然と姿を消し、いつしか都市伝説としてささやかれるように。病で余命わずかなシャンソン歌手・永登元次郎さんをはじめ、メリーさんを知るさまざまな人物の証言を通してその実像を浮き彫りにするとともに、彼女が愛した「横浜」とは何だったのか検証していく。2005年製作で06年の公開時は2館でのスタートから次々と上映館を増やして半年以上のロングランヒットを記録、文化庁記録映画部門優秀賞など11の賞を受賞した。17年10月、今作を手がけた中村高寛監督の新作「禅と骨」の公開にあわせてポレポレ東中野にてリバイバル上映。20年10月にも映画誕生15周年を記念してリバイバル上映。

2005年製作/92分/日本
配給:人人フィルム、アルゴ・ピクチャーズ
劇場公開日:2020年10月3日

その他の公開日:2006年4月15日(日本初公開)、2017年10月21日

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

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映画レビュー

4.0ナレーションなしでぐいぐい引き込む、ドキュメンタリーの秀作

2020年8月10日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

封切り後、2週間前後のタイミングで、今はなき横浜ニューテアトルで鑑賞。
中学時代、本物のメリーさんに話しかけられたことがあっただけに、謎が解けた思いだった。
今作の何が凄いかというと、ドキュメンタリー作品であるのにも関わらず、
ナレーションが一切ない。それで92分持たせているところに、中村高寛監督の非凡さを感じずにはいられない。
DVDも購入し、何度となく見ているが、煌びやかで表層的な横浜ではなく、割と泥臭い横浜の姿が映し出されている。横浜という街を介して、日本の戦後史を雄弁に語った作品である。

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大塚史貴

4.0【”私は私の道を行く。”今作は、戦後50年横浜の街に娼婦として立ち続けた一人の女性の姿を彼女を知る多くの人の証言で炙り出すドキュメンタリーであり、横浜の戦後の風俗史でもある。】

2025年7月3日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

知的

幸せ

■顔を真っ白に白粉で塗り、白いドレスに身を包み、横浜の街に娼婦として立ち続けたメリーさんの姿を、彼女を知る作家、クリーニング屋の夫婦、彼女が使っていた”根岸屋”の常連、そして自らも癌に侵されたゲイのシャンソン歌手、元次郎さんの証言と、貴重な写真の数々で描いたドキュメンタリー映画。

◆感想

・今作を非常に興味深く鑑賞した。メリーさんは戦後、横浜に出て来てアメリカ軍の将校に想いを抱きつつ、別れ、その後所謂パンパンとして、宿なしで生きて来た事が、貴重な写真と彼女を知る多くの人達の証言で綴られる。

・彼女が齢を重ねても厚化粧をして、背中が曲がっても街に立ち続けた理由は、劇中に語られる。
 彼女は恋に落ちた米軍将校がいつか戻って来るだろうという想いで、只管に待っていたのである。巷間で言われたパンパンの生き方を戦後50年にも渡り、貫いた生き方は哀しいが、ある意味凄いと私は思う。

・確かに後年の彼女の姿は異形に近いし、時代的にエイズではないかと言われ、幾つかの店には入れなくなり、一人ビルの廊下でパイプ椅子で寝る姿は侘しい。
 だが、彼女の呼ばれ方”皇后陛下””キラキラさん”や彼女の喋り方などは、自尊心が非常に高い方だったのであろうと思う。

■今作が優れたるドキュメンタリー作品になっているのは、メリーさんの姿を追いつつ、その過程で横浜の戦後の見事なる風俗史にもなっている点である。
 米兵との間に出来た子供達の死骸が、墓地に捨てられていた話など、その典型であろう。

<今作の再後半の描き方も見事である。
 メリーさんは女性作家が彼女の”部屋に住みたい”と言う言葉を聞き、実家に帰る手配をし、その後イロイロと有ったのであろうが、それまでペルソナの如く顔を真っ白に白粉で塗っていた彼女が、ほぼスッピンで養護施設に入居している所に、ゲイのシャンソン歌手元次郎さんが、養護施設の入居者の前で、日本語で”マイ・ウェイ”を歌うシーンは感動的である。
 元次郎さんの姿を見るメリーさんのスッピンの表情は、気品があり美しい。
 それは、正に戦後を”私は私の道を行く”生き方をした女性の顔だからである。
 今作は、戦後50年横浜の街に娼婦として立ち続けた一人の女性の姿を彼女を知る多くの人の証言で炙り出すドキュメンタリーであり、横浜の戦後の風俗史なのである。>

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NOBU

4.0ドキュメンタリーで泣いたのは初めてでした

2025年6月25日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

久々に再見しました。

悪く言えば演出し過ぎ。でも、クライマックス、元次郎さんの「マイ・ウェイ」に併せて、さりげなく映し出される今のメリーさん。泣きますよ。

前半に登場する方々も、とても興味深いです。

傑作だと思います。

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ウルスアベイユ

3.0横浜ローズって言わなかったか?

2023年7月17日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD
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マサシ