マッハ'78

劇場公開日:

解説

スーパーカー、オートバイ等のカーアクションを織りまぜながら、勇敢な男たちとマシーンの闘いを描く。脚本はスタンリー・ウィルソンと三井優の共同執筆、監督はスタンリー・ウィルソンと三保敬太郎、撮影は「世紀の真剣勝負 地上最強のカラテ結集篇」の木村公明とトム・アンダーソン、デビッド・オリバーがそれぞれ担当。

1978年製作/102分/日本
配給:富士映画
劇場公開日:1978年2月25日

ストーリー

アメリカ人を父に、日本人を母に持つ混血のドライバー大友千秋は、日本育ちで、全くといっていいほど英語が喋れない。父の祖国アメリカへの憧れから、旅行を始める。ロサンジェルスに着いた大友は、カーアクション映画のロケーション撮影に出くわし、尻込みする日系レーサー、ハワード・西村に代ってTボーンクラッシュに挑戦し、見事それに成功する。日本人は気違いだというハワードの言葉に、大友はファイティング・スピリットをかき立てた。翌年、大友は黒子昭のひきいるクロス・レーシングチームの一員として、再びアメリカに飛んだ。日米スタント・チームの戦いが始まり、各地を転戦しながら、マシーンに男のロマンを賭けるレーサー達の激しく、危険なアクションが展開される。オフィシャル・スコアラーのリンダは清楚で美しい女性である。大友は、リンダに交通事故で亡くなった姉の面影をみた。リンダもまた、激しいアクションに体当りする大友の男らしさにひかれていく。二人は愛し合っていた。しかし、死と背中合せの日々を生きる大友は、リンダを愛するが故に、この恋を絶ち切ることを決意する。一方、決着のつかぬまま、日米コンペテーションは続いていく。日本チームのキャプテン・黒子は決死の覚悟を決め、力のない車で海面めがけてロング・ダイブを決行し、勝負をつけようという。この危険な賭けに、アメリカ・チームも勝負を離れて猛反対する。激しい戦いが続くうちに、日米レーサーは人種を越えた友情で結ばれていく。アメリカ・チームのキャプテン、テッド・ダンカンは黒子にこのままでは死ぬと、忠告するが、黒子はただ微笑むだけだった。静かな町、マリナ・デルレイに二千人を越す群衆が集まった。それは、黒子の生死を賭けたロング・ダイブを見るためである。黒のレーシングスーツを着た黒子は、静かに愛車に乗り込んだ。群衆の見守る中、ボディに日の丸を描いた、真白なポルシェ930ターボは一六〇キロのスピードで、すさまじい爆音を残しながら、どこまでも青く澄んだ大空へと高く飛んだ。彼の運転する車を見つめる群衆の中に、大友やテッド・ダンカンの姿も見える。彼らも黒子が生きて帰ることを心から祈っているのだった。

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映画レビュー

0.5劇的アクションだけでは映画は成立しないことの好例

2023年8月2日
iPhoneアプリから投稿

劇的なアクション描写が次から次へと巻き起こっているはずなのに見ていてまったく面白くない。俺が車に全く興味がないからというのももちろんあるだろうけど、『ワイルド・スピード』も『激突!』も『バニシング・ポイント』も『いつかギラギラする日』も好きな俺が本作を好きになれない理由はないはずだ。なぜ本作はここまで徹底的につまらないのか?

第一に、本作では物語的緩急の「緩」と「急」が完全に寸断されていること。「急」に関しては後述するが、とにかく「緩」にあたるドラマパートが安っぽい。安っぽいだけならまだしもセリフ回しがいちいちポエティックなものだからうんざりする。登場人物の眼差しを追っていれば一秒で理解できるような関係性をいちいち周りくどいポエムで虚飾する意味はまったくない。言わずもがな無骨なカーアクションと甘ったるいメロドラマは逆方向に引き裂かれ、互いにまったく緊張関係のない個別の物語として散在してしまっている。

第二に、メインであるカーアクションが酷いこと。確かにそれらは物理学的現象としては面白いが、それを追うカメラに決定的に気迫がない。適当に何台かカメラを設置して、その中から写りのいいものをチョイスしているだけ。「これが撮りたい」「こう撮りたい」という意志が感じられない画はバラエティ番組の「衝撃映像100連発!」にはなっても映画にはなり得ない。衝突や爆発の瞬間をいちいちスローモーションで見せつける演出も愚の骨頂だ。

極めつけはラストの「世界新記録達成!」の字幕。映画であることよりも現実的な栄光に舵を切ってしまったその瞬間に本作は映画としての価値を完全に喪失したといえる。いや、まあ、スゴい偉業を達成できて嬉しいのはわかるんだけど、それを劇中で堂々と顕示しちゃうのはあまりにも矜持がなさすぎるだろ…

いかにもカルト映画っぽいタイトルとビジュアルに惹かれ鑑賞してみたが、マジで何の意味もなかった。車それ自体に興味がある人以外は本当に見ないほうがいいと思う。『死霊の盆踊り』や『シャーケンシュタイン』のような「ネタになるクソ映画」にさえ飽き飽きした飽食の御仁がおられるならば止めはしませんが…

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因果

4.0今、見たい。

2020年1月21日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

得点の付け方とか何の説明もなく、機械式デジタルでの得点表示がシブかった。
たしか当時1500万円の初代930ターボをジャンプさせたからかなり金掛かってたはずだけど、元が取れたか心配、ビデオになってるの見た記憶無いし、DVDはなおさら。

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FT500