さすらいの恋人 眩暈(めまい)

劇場公開日:

解説

都会の公園で知り合った男と女が、苦境に追いつめられながらも、必死に愛し合う姿を描く。脚本は「昼下りの情事 すすり泣き」の大工原正泰、監督は「団鬼六 〈黒い鬼火〉より 貴婦人縛り壷」の小沼勝、撮影は「修道女ルシア 辱す(けがす)」の林勝がそれぞれ担当。

1978年製作/74分/日本
配給:にっかつ
劇場公開日:1978年3月4日

ストーリー

寒々と人気のない公園で、京子は噴水の水にうたれながら佇んでいた。京子の様子にただならぬものを感じた徹は、彼女を自分のアパートに連れていく。寒さに震える二人は、床の中でウイスキーを飲みながら、裸の体を押しつけ、暖めあううち、いつしか結ばれた。ある日、徹の隣りの部屋に住む諸田は、京子と徹の情事を特定の人に見せ、金もうけをしたらどうかと徹に話をもちかける。指定のホテルで愛し合った二人は金を受け取り、無言のまま街を歩いた。その後を中宮千加がつけていた。徹にだまされ、傷心の京子は無言のまま彼と別れた。京子の去った部屋に茫然としていた徹を、突然、千加の仲間の宮川と山下が襲った。学生時代に徹は、千加達とヨットを買うため、貯金し合っていたが、その金を徹が持ち逃げしたのだった。宮川達は復讐のため、徹を襲ったが、諸田と京子がかけつけたので逃げてしまう。今までより愛が深まった徹と京子は、千加達に金を返すため、指定された所で、愛し合う姿を人に見せた。徹の留守に、宮川達が部屋を訪ねて来る。京子が一人でいるとわかった宮川達は、彼女を抑えつけ、乱暴に犯していった。しばらくして帰宅した徹は、全裸のまま虚ろな瞳で横たわる京子を見つける。事情を察した徹は、京子を強く抱きしめ、京子の郷里四国へ行く事を決心した。いまわしい過去を棄て、再出発しようとした徹は、今まで稼いだ金を宮川達に叩きつける。だが、宮川達の気持ちに変化はなかった。すっきりした気持ちで、徹と京子は駅に来た。しかし、京子が買い物にいっている間に徹は千加達に連れだされ、倉庫の中で縛りあげられる。殴りいためつけられながらも、徹は精一杯の力をふりしぼって、京子の名前をよんだ。急に姿を消した徹を必死で捜し求める京子も、あふれる涙をぬぐう事も忘れ、徹の名前を叫びながらいつまでも彷徨い歩くのだった。

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スタッフ・キャスト

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