あした元気になーれ! 半分のさつまいも

劇場公開日:

解説

作家・エッセイストとして活躍する海老名香葉子の『半分のさつまいも』(くもん出版)を原作に、戦災孤児となった兄妹が明るくたくましく生きていく姿を描く感動ドラマ。総監督は「チンパオ」「ウィニング・パス」の中田新一、監督に「ジャングル大帝」の竹内啓雄、作画監督に『伝説巨神イデオン』の湖川友謙。

2005年製作/90分/日本
配給:「あした元気にな~れ!」全国配給委員会
劇場公開日:2005年7月2日

ストーリー

かよ子(声:上戸彩)の家は、東京の下町、昔の住所でいえば本所区立川にあった。家の屋号は「竿忠」といい、父(林家こぶ平)は釣り竿作りの職人で、母、祖母、4人の兄弟、一家7人で暮らしていた。戦局がきびしくなり、かよ子は沼津の静江叔母さんの家に縁故疎開する。米軍の29による本土空襲は本格的になり、昭和20年3月9日未明、後に「東京大空襲」とよばれる空襲で東京の下町一帯は火の海となった。家族の無事を祈っていたかよ子の元にやって来た兄の喜三郎(うえだゆうじ)は、衝撃的な事実を伝える。喜三郎以外の家族全員が亡くなったのだ。昭和20年8月15日、終戦。かよ子は静江叔母さんの元を離れ、東京中野の菊重伯母さんの家で新しい生活を始める。たった一人の家族となった喜三郎は、伯母夫婦と折り合いがつかず、行方知れずの状態に。かよ子にとっても中野の家は、決して居心地のよいものではなかった。5才のゆりちゃんの面倒をみ、家事を手伝い、時には「買出し」に行くこともある。小さなかよ子には過酷なものだったが、「いつか兄ちゃんと会える」という夢が、心の大きな支えになった。その頃喜三郎は、下町浅草にいた。浅草寺の瓢箪池のまわりに立ち並ぶ闇市の一角に小さな店を出して、同じ境遇の戦災孤児仲間と商売をして、生活の糧を得ていた。しかし、非力な子どもたちに対して闇市の組合は卑劣な圧力をかけてくる。かよ子は必死に喜三郎を探すが、なかなか出会うことが出来ない。いつしか家族と住んでいた立川に来たかよ子だが、かつてお客さんで賑わっていた〈竿忠〉は瓦礫の山になっていた。「ただいま、父ちゃん! ただいま、母ちゃん!」と叫ぶが、返ってくる声はない。悲しさが胸を締めつけ、涙がとどめなくかよ子の頬を流れる。かよ子のなかで、「兄ちゃんがここを継いでくれればいいんだ。ここで一緒に暮らせばいいんだ」という思いが生まれる。ところがある日、〈竿忠〉の跡地を売渡すという伯母夫婦の話を聞いてしまう。かよ子は一大決心をして、伯母の家を出ることにする。

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