めぞん一刻 完結篇
劇場公開日:1988年2月6日
解説
五代裕作と音無響子の挙式を2日後に控えた一刻館での騒動を描くアニメーション。高橋留美子原作の同名漫画の映画化で、脚本は望月智充とTV「めぞん一刻」の島田満が共同で執筆。監督はTV「光の伝説」を演出し、映画はこれが第一作となる望月智充、撮影監督は金子仁がそれぞれ担当。
1988年製作/65分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1988年2月6日
ストーリー
一刻館では管理人さんこと音無響子と五代裕作の挙式を2日後に控えていた。酒好き、宴会好きの住人たち--一の瀬、四谷、朱美によって今日もまた結婚記念大宴会が行われていた。五代も参加するが、今日に限って響子の帰りが遅い。例によって皆は「気が変わった」とか、「他に男ができた」とか言って五代をからかうが、響子がここ数日誰かからの手紙を熱心に待っているという話を聞き、やはり心配になった。そこへ五代にぞっこんの八神がやって来た。二人の結婚のことはまだ知らないのだ。五代は八神にすべてを話そうとするが、なかなか切り出せない。しかし、二階堂がしゃべり八神は知ってしまう。そこへ茶々丸のマスターがめかし込んで来た。バラの花束を手に実は朱美にプロポーズしに来たのだが、話すチャンスが見つからない。その頃、響子の父親も一刻館を訪れ、管理人室の花嫁衣裳を前に一人ヤケ酒をあおっていた。ようやく響子が帰ってきた。郁子も一緒で、音無の実家に前夫・総一郎さんの遺品を返しに行ったのだという。安心する五代だったが、響子は自分に手紙が来ていなかったかと、後ろめたそうに尋ねた。なんとか響子と二人きりになり真相を聞きたい五代だが、宴会は悪友坂本も加えますます盛り上がっている。そこへ三鷹と明日菜が挨拶に来た。続いて五代の同輩の黒木夫妻もやって来た。そして五代と響子のなれそめを得意の人形劇に仕立てて披露。ヤンヤの喝采を浴びた。八神は響子を屋根裏部屋へ呼び出して前夫より五代のほうが好きか問いつめたが「比べようとは思わない。五代さんが好き」という言葉を聞き二人の結婚を認める気になった。終電に間に合わないと郁子が帰り、黒木夫妻や朱美にプロポーズできなかったマスターも一刻館を後にした。そろそろ夜明けも近づき宴会もお開きという頃、二階堂の読んでいた本の間から一通の手紙が落ちた。それは響子が待っていた手紙だった。二階堂が昼間受け取ったのを忘れていたのだ。管理人室で手紙を読む響子のところへ五代も入っていった。意外にも差出人は五代のおばあちゃんだった。響子はかつての過ちを告白した。おばあちゃんが一刻館へ泊まったとき、響子は部屋を片づけていて巾着の中に五代の子供のころの写真を見つけ、あまりに可愛いかったので見とれていた。そのとき一の瀬の声にびっくりし、写真を破いてしまった。そしてそのまま自分で仕舞い込んでいたのである。おそらくおばあちやんも大切にしていたであろう孫の写真を……。そのお詫びの手紙を書き、返事を待っていたのだった。そして、おばあちやんは許してくれた。いじらしさに五代が響子を抱きしめようとしたとき、2階の連中が乱入してきた。