恋の門
劇場公開日:2004年10月9日
解説
“劇団大人計画”を率い、近年では小説も発表するなど文筆業でも活躍する松尾スズキによる、長編映画初監督作品。羽生生純の同名漫画『恋の門』を原作に、「漫画」という共通の目的を持ちながら真逆の感性を持った若い男女の恋愛をディープかつポップに描く。出演は、松田龍平、酒井若菜、小島聖、塚本晋也、尾美としのり、小日向文世、大竹まこと、大竹しのぶ。漫画・アニメ界からの多彩なゲスト出演も楽しい。
2004年製作/114分/日本
配給:アスミック・エース
劇場公開日:2004年10月9日
ストーリー
蒼木門(松田龍平)は、石で漫画を描く自称「漫画芸術家」である。当然、食えないうえにハタチをすぎても童貞だった。ある日の朝、初めてのバイト先へ行く途中、道路にハート型の石を見つけた門は拾おうとするなり、出勤途中のOLに指をひどく踏まれてしまう。治療をして初日から遅刻した門は、幹部(尾美としのり)から罵倒される。ところが、その会社で朝のOLと再会。彼女の名前は証恋乃(酒井若菜)。親の庇護の下、OLをしながらオタク系ミニコミ界のアイドル漫画家兼コスプレーヤーとして、アイデンティティを保っている女性だった。「漫画」という共通の目的を持ちながらも、「芸術」と「オタク」。…真逆の感性を持った門と恋乃は猛烈に惹かれあいながらも、強烈に反発する。お互いをもっとよく知るきっかけにと、恋乃はある旅行の提案をする。それはアニメソング界の人気者、安部セイキ様のファンの集いの一泊ツアーであった。門的には一発ツアーの旅行費用を捻出するため、バイト募集の張り紙が貼られていた漫画バーを見つける。オーナーは謎めいた雰囲気をたたえた中年男・毬藻田(松尾スズキ)。彼はかつて少年誌で売れっ子の漫画家だったが、現在は筆を折っていた。毬藻田のバーで働き始めた門。なんとかツアーのお金を工面し、恋乃とふたりで参加するも、その異様な雰囲気についていけずに酔いつぶれ、恋乃の顔に吐いてしまう。翌朝、恋乃が起きると「旅に出ます」と書かれた門の書き置きがだけが残っていた。恋乃は門の行方を探すため、毬藻田のバーを訪れる。そこで彼女は、毬藻田が過去に一世を風靡した憧れの漫画家デン・マリモであることを知る。そして意外なことに、毬藻田も恋乃が書いた同人誌を持っていたのだ。いい雰囲気になる恋乃と毬藻田…。恋乃は放浪していた門を見つけ出し、互いにもう一度やり直す決心をして、門のアパートで同棲を始める。そんななか、『少年チョップ』の新人賞募集の告知を知った毬藻田と門。毬藻田に煽られ、門も応募することになったが、毬藻田から「俺が勝ったら恋乃さんをもらう」と、言われてしまう。その事実を知った恋乃は「人身売買」と怒るが、「あたしも描く。あたしが勝てば、問題ない。そしたら門くんは一生コスプレ!」と宣言。締切は一週間。門、恋乃、毬藻田の、恋と未来を賭けたマンガバトルが始まった!