海がきこえる

劇場公開日:

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海がきこえる

解説・あらすじ

「月刊アニメージュ」に連載された氷室冴子の小説を、「魔女の宅急便」「おもひでぽろぽろ」のスタジオジブリがアニメ化した青春ストーリー。

高知県に暮らす高校生の杜崎拓。2年生のある時、東京から武藤里伽子という転校生がやってくる。勉強もスポーツも万能で美人の彼女は、瞬く間に学校中で知られた存在となるが、里伽子自身は周囲になじもうとしなかった。拓の中学以来の親友である松野は里伽子にひかれていたが、拓にとっての里伽子は、松野の片思い相手という、それだけの存在だった。しかし、高校3年のハワイの修学旅行で起こったあることをきっかけに、拓は里伽子が抱えている家庭の問題を知り、それによって2人の距離は縮まっていくようにみえたが……。

日本テレビ開局40周年記念番組として製作されたテレビ向けのスペシャルアニメ。「きまぐれオレンジ★ロード あの日にかえりたい」「ここはグリーン・ウッド」などの青春劇を手がけてきた望月智充を監督に迎え、スタジオジブリの若手スタッフが中心となって手がけた。1993年5月5日にテレビ初放送。同年内にいくつかの劇場で公開もされた。

1993年製作/72分/日本
配給:スタジオジブリ
劇場公開日:1993年12月25日

スタッフ・声優・キャスト

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(C)1993 Saeko Himuro/Keiko Niwa/Studio Ghibli, N

映画レビュー

5.0コドモな里伽子と、大人な拓

2024年3月21日
Androidアプリから投稿

興奮

幸せ

萌える

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くまの

4.5大人になって観てみるとすごくいい

2024年3月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

大昔にレンタルビデオで観た時(中学生の時かな)は、そこまで強い印象を持てなかった作品だった。スタジオジブリの作品としては他のものとは毛色が違うからだろうけど、今観るとすごくいい。スクリーンで見たせいもあるだろうけど、大変新鮮な感覚。冒頭の吉祥寺の駅のプラットフォームの雰囲気が懐かしくて、作品世界にいきなり魅了された。東京と高知を舞台に描く10代後半の青春映画だが、当時の等身大の男女の機微を捉えた脚本とアニメーションの繊細な芝居ですっかり引き込まれてしまった。
主人公の視点で展開される形式で、ヒロインが何を考えているかわからずに主人公をガンガン振り回していく。でも、なんか嫌じゃない。回想形式で語られるからというのも嫌じゃない理由の一つなんだろう。終わって観ればいい思い出、というやつだ。テレビのトレンディドラマのように劇的な展開はないのに、心に居座り続ける心地よさがある。
青春映画としては恋愛が成就しなかったので「ほろ苦い」系になるんだろうけど、全然苦くない鑑賞体験なのがいい。かけがえのない瞬間は、それだけで貴重であるということをすごく説得力もって描いているのがすごい。
飛躍のない物語はおそらくジブリらしくないと言えるんだろうけど、こういう地に足ついた人間ドラマをきちんと描けるのも日本アニメの魅力だ。

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杉本穂高

3.5杜崎拓は原作ではなぜかヤクルトファン

2025年3月11日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

知的

萌える

93年に日本テレビで放送されたジブリ制作のテレビアニメ
しかも金曜ロードショーではなく『進め!青春少年』と銘打ち5月5日午後4時という中途半端な時間から
好評を受けてその後は制作費回収のため劇場公開もされた

原作は『恋する女たち』の氷室冴子
監督は『きまぐれオレンジロード あの日にかえりたい』『オシャレ魔女 ラブ and ベリー しあわせのまほう』の望月智充
脚本は『ゲド戦記』『借りぐらしのアリエッティ』『コクリコ坂から』『思い出のマーニー』『劇場版 アーヤと魔女』の中村香(丹羽圭子)

粗筋
高知の進学校から東京の大学に進学した杜崎拓
吉祥寺で高校のクラスメイトの武藤里伽子を見かける
彼女は高知の大学に進学したはずだが母親の反対を押し切りもう一つ受けていた東京の大学に進学していた
同窓会のため飛行機で高知に戻る拓
高校時代を思い出す
高校2年生のときに里伽子は東京から転校してきた
里伽子の両親は離婚していて母の実家に引っ越してきたのだった
中学の修学旅行が中止となりその代わり高校の修学旅行はゴージャスにハワイになった
お小遣いを無くしたという里伽子に金を貸す拓
父に会うため母の反対を押し切り東京行きに付き合わされる拓
ハワイで借りた金は東京行きの旅費だった
なんやかんやで西新宿のホテルで泊まる拓と里伽子ではあったが何もなかった

第31回(1993年度)ギャラクシー賞で奨励賞を受賞している

宮﨑駿が『紅の豚』で燃え尽き休養期間
宮﨑駿高畑勲抜き当時の若手中心で製作された
脚本家中村香のデビュー作
監督は外部からやはり若手
原作はアニメ雑誌『アニメージュ』の連載小説でイラストはのちにこの作品の作画監督を務める近藤勝也

アニメ的に特に何も起きないアニメとしては地味な内容
青春ものだが特に部活に打ち込んでいる様子はない
実写でも良い作品で95年には武田真治佐藤仁美共演(時代を感じるキャスティング)でテレ朝のドラマが放送されている
しかし当時のアニメスタッフ曰くアニメは実写の無駄を削ぎ落とせるから良いのだという
僕はアニメが好きだが実写の方も好きなのですちょっとムッとはしたがアニメに携わるプロの矜持なのだからそれはそれで受け入れる他ならない
ただただアニメを観る側のオタク発言なら心底腹を立っただろうが

宮﨑駿が嫉妬した作品
この作品に描かれた若者像が不満だったようだ
後輩を褒めることができず彼の制作意欲が湧き出たらしい

綿密なロケーションハンティングが生かされている
地元の人たちは嬉しい限りだっただろう
公開されてから10年経っても変わらないが流石に30年経っている今はもうだいぶ変わっているだろう
お金に余裕があれば『海がきこえる』の舞台になった高知に聖地巡礼したいものである

声の配役
里伽子に振り回される地元では有名な進学校で私立中高一貫校に通う杜崎拓に飛田展男
両親の離婚で東京から高知の高校に転校したきた武藤里伽子に坂本洋子
拓の親友でクラス委員長の松野豊に関俊彦
里伽子と友達になった小浜裕実に荒木香恵
拓の友人で小浜に想いを寄せている山尾忠志に緑川光
拓たちのクラスメイトで女子のリーダー格の清水明子に天野由梨
拓が通う中高一貫校の校長に渡部猛
修学旅行中止について担任の女教師に抗議する拓たちを嗜める学校教師の川村に徳丸完
妻と別れ東京に残った里伽子の父に有本欽隆
里伽子が東京の高校で付き合っていた元カレの岡田に金丸淳一
杜崎拓の母にさとうあい
拓のバイト先のおかみさんに鈴木れい子
元不良で拓のバイト先の見習いに関智一
父の愛人の美香に島本須美
男子生徒に桜井敏治
女子生徒に水原リン

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野川新栄

3.0里伽子に試されている…!

2024年12月10日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

スタジオジブリ作品、だいたい観てきてるんだけど、本作は30代になって令和の世で初めて鑑賞。

登場する街並み、登場人物たちの衣装やヘアスタイル、キャラデザ、そしてストーリーに香るトレンディな空気、「この作品(原作?)の製作当時の空気が切り取られてる!」という感動とノスタルジーがまず印象的だった。
あと高知の風景や登場人物の高知弁がまた独自の空気になっててそれも良かった。

ストーリーの面で言いたいことは、割とあるんだけど、一言で言うなら個人的にはまあ里伽子が好きになれなかった。笑
杜崎くんを振り回し続け、杜崎と松野の友情関係(この二人の関係が良いものだからなおさら腹正しいのだ)に波風を立たせ、「なんなんだこの女は」と思って最初から最後まで観ていた。
里伽子に魅力を感じられるかどうかが本作を好きになれるかどうかに直結している気もする…。

わがままだったり奔放な女の子に振り回される男子という構図は鉄板ではあるんだけど、本作も含め個人的にはあまり刺さるケースが少ないんだよなあ。

でも観終わったあとは不思議と爽やかな気持ちになれる作品。

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ゆめ