冷静と情熱のあいだ

劇場公開日:

解説

愛し合いながらも別れることとなってしまった男女が、10年後、再び愛を実らせるまでを描いたラヴ・ロマンス。監督はTV『プラトニック・セックス/20歳の純愛編』の中江功。江國香織と辻仁成による原作を基に、「バースデイプレゼント BIRTHDAY PRESENT」の水橋文美江が脚色。撮影監督に「センチメンタルシティマラソン SENTIMENTAL CITY MARRATHON」の津田豊滋があたっている。主演は、映画初出演の竹野内豊と「東京攻略 Tokyo Raiders」のケリー・チャン。第25回日本アカデミー賞優秀主演男優賞(竹野内豊)、優秀撮影賞、優秀照明賞受賞作品。

2001年製作/125分/日本
配給:東宝
劇場公開日:2001年11月10日

ストーリー

美術絵画の修復士を志し、フィレンツェの工房で修業を積んだ阿形順正。晴れて修復士となった彼は、工房の先生であるジョバンナからチーゴリの絵の修復という大役を任される。ところが、今はマーヴという男性と何不自由ない生活を送っているかつての恋人・あおいとの再会と、修復中の絵を何者かに切り裂かれるという事件によって順正の心は深く傷つき、失意のうちに日本に帰ることになる。だが帰国した彼は、あおいとの別れの裏に、家の財産を守ろうとする父・清雅の企みがあったことを聞かされ、あおいへの想いを募らせていくのであった。そして同じ頃、あおいもまた忘れられない順正への想いと、マーヴとの愛の間で心揺れていた。そんなふたりは、10年前に約束したフィレンツェのドゥオモのクーポラで会うという何気なく交わした約束を果たし、そこで永遠の愛を誓い合うのであった。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

監督
脚色
水橋文美江
原作
江國香織
辻仁成
企画
石丸章一郎
大川裕
島谷能成
製作
宮内正喜
江川信也
高井英幸
プロデュース
大多亮
千葉篤史
プロデューサー
臼井裕詞
和田倉和利
協力プロデューサー
赤井淳司
撮影監督
津田豊滋
美術監督
種田陽平
美術監督(イタリア・ユニット)
リタ・ラベシンド
装飾
大町力
音楽
エンヤ
サウンドプロデュース
吉俣良
主題歌
エンヤ
録音
橋本泰夫
効果
伊藤進一
照明
川井稔
編集
松尾浩
衣裳
千代田圭介
スタイリスト
西ゆり子
平尾俊
スタイリスト(イタリア・ユニット)
ガヤ・ムガルディ
ラインプロデューサー(イタリア・ユニット)
アレッサンドロ・ベルティ
アシスタントプロデューサー
瀧山麻土香
豊山有紀
制作担当
鶴賀谷公彦
プロダクションマネージャー(イタリア・ユニット)
ステファノ・シオード
助監督
兼重淳
助監督(イタリア・ユニット)
トマソ・ベラテイ
スクリプター
荘原はる
スチール
原田大三郎
字幕
駒谷卓
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受賞歴

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映画レビュー

4.5スマホのない時代だからこその。見て聴いて美しい映画

2024年9月2日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

悲しい

幸せ

竹野内豊とケリー・チャンがいいです。ものすごくいいです。 そして大げさなぐらい音楽が響いてきます。 それと対照的な篠原涼子とユースケの演技がなんだかなぁ。芽衣ちゃん、もう少しセカンド彼女でもかわいそうと思える位の可愛げが欲しかった。モーヴは抑えた演技で印象的だったのに。 最後はなんとなく見えちゃったけど、よかったね。

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ハマー

3.5キャスティングのミスマッチが残念…

2024年4月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

萌える

江國香織と辻仁成の原作を愛する私は、どうしてもキャスティングのミスマッチに、感情移入ができなかった… そもそも2時間の映画では描き切れない…。タイトルにあるように「冷静」と「情熱」とのあいだを描いて欲しかったなぁ…。大人になった二人の安定して静かな生活があるからこそ、青臭い大学生の熱い恋が輝くというもの!だから、あの恋が忘れられず、今の安定を捨てても良いとさえ思う!このギャップの表現が欲しかった! とはいえ、美しく雄大なミラノやフィレンツェを舞台に描かれる恋愛ストーリーは、本の世界と異なり、心引き込まれていった。そして、エンヤの美しい声色に、うっとりしたのも間違いない。

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うさぎ

3.5子供が母親にだけ語る夢物語のような恋愛劇。

2023年8月19日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

単純

興奮

幸せ

素人でもわかるレベルの伏線の張り方に加え、次のセリフが思わず口をついて出るほど単純な展開であるにもかかわらず、おそらく作家の強烈な妄想レベルの舞台設定において、勢いだけで物語を引っ張る図太さがむしろ爽快に思えてくるほど、この物語の世界観は笑ってしまう程の夢物語なのであるが、その単純さにすっかり浸らせといてのひねりが加えられてくるので徐々にその世界から戻れなくなる自分を感じてしまう自分がいるという不思議なラビリンス。徹底した辻仁成の妄想日記=私小説の形式で、俯瞰した視線を全く持たずこれほどまでに照れを度外視した物語の作り手を僕は他に知らない。そしていつの間にか観客は(読み手は)辻仁成のご意向と顔色を窺いながら物語の進行を読み解いているの気付かされハッとしてしまう第二の迷宮。この結末であってますか?きっとこれでしょ?結末は?っていつの間にかど素人の様な結末を勝手に自分で作り上げて、作り手に(辻仁成に?それとも監督の中江功に?)知らず知らずに問い質しながら物語を一緒になって読み解き始めてしまうこの強烈なる閉鎖空間にわれわれはいつの間にかすっかり毒され始めていくのである。もはやこの作品が傑作なのか駄作なのかすら判断のつかぬような設定の渦巻きに飲み込まれてしまってしまうのである。この作品、唯一客観的に褒めれる点はセリフを多言語でか合わしている点だ。これがこの妙な非現実空間にリアリティを与えてしまうので厄介だともいえる。いつの間にか僕らはヒロインと一緒になって「順正」という主人公の名前を「仁成」と呼び始め聞き間違いながら心の奥底に眠る誰にでも潜む主人公願望が呼び覚まされて、徹底した純愛物語にドン引きしながらも徐々に怖いもの見たさで、気が付いた時にはすっかり辻仁成に取りつかれて、最後はJR東海のプラットホームに立って、男はヒロインを向かい入れ、女は人ごみの中主人公だけを発見するに至るのである。

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mark108hello

4.0辻仁成さんの美しい世界観

2023年8月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

悲しい

幸せ

クラシック映画のように、とても美しい映画でした。 20代の年齢の変化を2人が上手に表現していて、映画の世界にのめり込みました。 90年代から2000年代へと移りゆく東京の街並みも、見ていて面白かったです。 ラストに向かって、どんどんと美しくロマンチックになっていく世界が、本当に好きになりました。 最後のミラノ駅でのシーンは「ひまわり」とオマージュのようにも感じられ、胸が熱くなりました。

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munakata