浪人街(1990)

劇場公開日:1990年8月18日

解説

江戸末期の下町を舞台に、そこの裏界隈を生きるアナーキーな浪人たちの人間模様を描く時代劇。山中伊太郎原作の同名小説の映画化で、脚本は「226」の笠原和夫が執筆。監督は「TOMORROW 明日」の黒木和雄。総監修は「純子引退記念映画 関東緋桜一家」のマキノ雅広。撮影は高岩仁と特別協力として「舞姫(1989)」の宮川一夫がそれぞれ担当。

1990年製作/117分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1990年8月18日

あらすじ

江戸下町のはずれ、一膳めし屋の“まる太”で二人の浪人が対立した。この街で用心棒をしている赤牛弥五右衛門と新顔の荒牧源内だった。店の払いをめぐって対立する二人の前に、源内とかつてただならぬ仲であった女お新にひそかに心を寄せている浪人母衣権兵衛が仲裁に入る。一方、長屋の井戸端には土居孫左衛門という浪人が妹おぶんと共に住んでいた。二人にとって帰参は夢だったが、それにはどうしても百両という大金が必要であった。そんな時、街では夜鷹が次々に斬られていく事件が起こる。赤牛は意を決して白塗りの夜鷹に扮し、夜鷹殺しの侍を斬るが、それにもかかわらず夜鷹斬りは続いた。翌朝、まる太の主太兵衛の斬殺体が発見された。赤牛、源内、母衣、孫左衛門、それにお新をはじめとする夜鷹たちが集まって太兵衛の遺骸を囲んでいる時、突然夜鷹斬りの旗本小幡ら七人が乗り込んできた。一触即発の気配が漂う中、赤牛は小幡一党らと共に場を去るが、その日とうとう赤牛は戻ってこなかった。数日後、おぶんを囮に小幡一党をおびきよせようとしたお新は逆に小幡らに捕らえられてしまう。そして、その一味の中には何と赤牛がいたのだった。その頃、孫左衛門のところに、おぶんから相談を受けていた豪商伊勢屋の妾お葉が百両の情報を持って飛び込んできた。伊勢屋が小幡のために百両を立て替え、奉行への心付けにするというものだった。孫左衛門は手形を預かった同心の柏木を斬り倒し、首尾よく百両を手に入れるが、その夜、赤牛は酒盛りの席で小幡に「手形を盗んだのは源内に違いない」と告げ口をする。そこで、小幡は源内を誘い出す手として、おぶんを逃がして、お新を牛裂の刑に処することにした。翌朝、おぶんから事情を聞いた源内は、十数本の剣を体中にくくり付け、お新のもとへ駆け出した。小幡一党120人を相手に、一人立ち向かう源内、だが危ういところでおぶんから聞いて孫左衛門と母衣が助っ人に参上した。小幡一党を相手に死闘を繰り広げる三浪人。それをそばで見ていた赤牛は、小幡を道連れに、自決するのだった。こうして長屋街に平和が戻り、源内はお新と共に旅立っていくのだった。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第14回 日本アカデミー賞(1991年)

受賞

助演男優賞 石橋蓮司

ノミネート

主演男優賞 原田芳雄
音楽賞 松村禎三
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映画レビュー

4.0 高校の時観た。やっぱあの当時は良くわからんかったけど、今見直したら...

2025年12月14日
iPhoneアプリから投稿

高校の時観た。やっぱあの当時は良くわからんかったけど、今見直したら面白かった
勝新がムカつくけどラストで惚れ直す。
石橋蓮司がめちゃくちゃカッコイイ! すんげーカッコイイ!
原田芳雄の色気はすごい、樋口可南子も。

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Mk.plass

1.5 殺陣を見たいならやめた方がいい。

2022年8月14日
Androidアプリから投稿

女たらしのヒモ、飲み屋の用心棒、不器用な据物斬、元武家の鳥屋の4人の浪人と、連続夜鷹斬り事件をめぐるストーリー。
でもサスペンスではなく、あくまで人間ドラマ。

原田芳雄や勝新太郎の殺陣を見たかった自分としては残念な内容。石橋蓮司の居合いは良かった。
また正直ストーリーがけっこう退屈。
4人の事件への関わり方が基本的に浅いし、ちゃんとした見せ場もラストだけ。っていうか惚れた女の危機に金を積まれなきゃ動かない薄情さにドン引き。

映画の内容とは関係ないが、黄猿と藤虎と緑牛の共演だーって内心盛り上がったし、お新役の樋口可南子がめっちゃ美人でいい女。それと石橋蓮司の越後訛りが凄く自然で良かった。

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カミムラ

3.0 最後の浪人

2022年7月1日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

江戸末期、いろんな思惑を抱えた浪人たち、関わる女たちが差別主義者の侍たちに翻弄される。
原田芳雄と樋口可南子、田中邦衛と杉田かおるの2セットに、居合の石橋蓮司、弱い勝新太郎が加わり、ラストの大殺陣になだれ込む。
侍は清潔、浪人は不潔。

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いやよセブン

3.0 権力を傘に悪行を繰り返す一党に対し、反骨の浪人たちが立ち上がる。

2021年9月11日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 浪人は食うためには何でもやって稼がねばならぬ。勝新太郎演ずる赤牛は殴られ屋みたいなことしてたし夜鷹に字も教えて。、石橋蓮司演ずる母衣は死体を斬る仕事をしてた(これは何?)。そして、ひもみたいな生活の原田芳雄と小鳥を預かっていた田中邦衛。士官したはいいが、帰参するために100両必要とのこと。そして4人の浪人たちが集まるのは決まって一膳飯屋のまる太。そこの夜鷹が次々と襲われたのだ。

 タイトルに書いたような反骨精神があるとは思えず、唯一侍らしい浪人は石橋蓮司のみ。勝新太郎なんて、犯人である旗本たちに犬として取り入ったし・・・恋人のおしん(樋口)を助けるため立ち上がったようにも見えたが、飲んで足元さえもおぼつかない原田芳雄。やっぱりかっこいいのは石橋蓮司だけだった・・・

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kossy