山びこ学校

劇場公開日:

解説

昭和二十六年度の出版界のベスト・セラーの一つになった山形県山元村の新制中学生の作文集「山びこ学校」の映画化で、シナリオ・ライター八木保太郎の主宰する八木プロ第一回作品。製作は若山一夫と戸田金作の共同。脚本を八木保太郎が書き、「どっこい生きてる」の今井正が監督に当たっている。撮影は「やくざブルース」の伊藤武夫。出演者の主なものは、「どっこい生きている」の木村功、「唐手三四郎」の岡田英次、「青春会議」の杉葉子、「長崎の歌は忘れじ」の滝沢修の他に、北林谷栄、丹阿弥谷津子、東野英治郎、殿山泰司、東京少年劇団の連中などである。

1952年製作/105分/日本
劇場公開日:1952年5月1日

ストーリー

「山びこ学校」は山形県村山郡山元村の中学校である。この寒村では、村人は生きるために必死になって働かねばならなかった。そのため無着先生のクラスの生徒は家の仕事を手伝って欠席する者が多かった。しかし無着先生はこの貧しい生徒たちを少しでも高めてやりたいと一生懸命だった。最後の修学旅行に級友の八人が行けなかったとき、生徒はみんな一緒に杉皮運びをしてその費用を作った。女教師磯部先生の組の一少女は、父が戦死して、母と祖母との三人暮しでどうしてもやって行けなくなり神奈川県へ身売りした。江一の母は心臓病が重くなったが医者にかかることが出来ず、「オヒカリサマ」というのを呼んで加治祈祷して貰ったが、死んでしまい、江一は学校をやめて働かねばならなくなった。しかし級友たちは共同で江一の家の煙草畑を手伝って、江一を卒業させてやることにした。みんなの綴方が集まってガリ版刷りの「きかんしゃ」を発行することになったとき、村人たちは自分たちの家の貧乏をさらけ出すといって嫌ったが、貧乏は恥ではない、どうしたら自分たちの貧乏をなくすことが出来るか、一緒に考えることが大切だといって、その第一号が新しく刷り上った。その頃村は冬の季節で雪がコンコンと降っていた。

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