敗れざるもの
劇場公開日:1964年10月30日
解説
石原慎太郎の“小さき闘い”より山中恒が脚色「風と樹と空と」の松尾昭典が監督した社会ドラマ。撮影は「帰郷(1964)」の横山実。
1964年製作/94分/日本
配給:日活
劇場公開日:1964年10月30日
ストーリー
高村家のお抱え運転手橋本鉄哉が、高村家の長男中学二年の俊夫の眼がおかしいと気づいたのは、天体観測台で星をながめていた時だった。新しい天体望遠鏡のレンズが曇っていると言ったり、物にぶつかったりするさまは、病気としか思えなかった。木崎医師のすすめで大学病院で診察を受けた俊夫は、現代医学で最も難病と言われる脳腫瘍であると診断された。塩見、沖山両博士の執刀により八時間を越える大手術は無事終了した。結果は全部を切除することは出来なかったが、まず成功したと語られた。高村家で最も親愛する俊夫の難病に、鉄哉は心をいため、毎日病室を訪れた。ある日、看護婦詰所に行った鉄哉は、隣室で沖山博士が、俊夫の病状は現代医学では助かる見込が皆無だと話すのを聞き驚愕した。俊夫は退院を許され、保護帽をかぶって通学を始めた。だが俊夫の病状が進んでいることは鉄哉にもわかった。病魔は眼から足に来て、ついに右手は動かなくなっていた。そんな日、俊夫の再手術が行われた。再び退院する日、俊夫は思いつめた表情で鉄哉に自分は助からないだろうということを知っていると話した。俊夫は不用意に話す看護婦の話を聞いたのだった。鉄哉は病魔と閥う幼い生命力に、言い知れぬ感動と、医学の限界に押えきれぬものを感じた。残された日を何でも見たいという俊夫の言葉に地下鉄工事現場に連れていった鉄哉は、昔ダム工事で同僚であった川瀬に逢った。それから数日後、高村家に、鉄哉が酔った同僚を過失から死に追いやったという怪文書が届いた。激怒して、出て行って欲しい、と言う高村夫妻を俊夫は必死にひきとめた。不自由な身体で天体観測に登る俊夫を助ける鉄哉に、俊夫は星になりたいとつぶやいて、数日後、昏睡状態におちいった。死に大きな疑問をもっていた俊夫は、今ようやくその意味をさぐりながら深い眠りにおちた。小さき闘いに終りを告げた俊夫に、鉄哉はある感動を覚えた。
スタッフ・キャスト
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橋本鉄哉石原裕次郎
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高村俊夫小倉一郎
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高村圭吾宇佐美淳也
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高村和子三宅邦子
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高村浩子十朱幸代
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塩見博士清水将夫
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沖山博士山形勲
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木崎医師大坂志郎
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小山医師河上信夫
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大木登子伊藤美智子
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上田葉子光川環世
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砂塚健治前田嘉晴
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河原宏矢内茂
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石黒明川原竜一
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伊藤藤岡重慶
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佐野野呂圭介
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川瀬小林昭一
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木所深江章喜
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村沢花村彰則
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石田玉村駿太郎
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田中木島一郎
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作業員達A峰三平
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作業員達B英原穣二
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三好看護婦松本典子
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太田看護婦北出桂子
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大学病院看護婦長原恵子
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青木看護婦谷川玲子
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年配の女中・加代田中筆子
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若い女中・キミ加藤洋美
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沖山博士の助手小柴隆
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徳武下絛正巳
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タクシー会社の配車係久遠利三
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俊夫の家庭教師伊藤孝雄