ミスター・ミセス・ミス・ロンリー

劇場公開日:

解説

ふと知り合ったひとりの女と二人の男の奇妙な生活を描く。脚本は刹那と「快楽学園 禁じられた遊び」の神代辰巳の共同執筆、監督も同作の神代辰巳、撮影は押切隆世がそれぞれ担当。

1980年製作/138分/日本
配給:ATG
劇場公開日:1980年12月20日

ストーリー

花森という男に店をまかされている市雄は、深夜帰宅途中、電柱に手錠でくくられた女をひろった。女は千里と名乗った。そして、二人の奇妙な暮らしが始まった。ある日、二人は新聞で「北川商産カズノコ倒産、北川社長は十五億円抱え失踪」の記事を読んで、お互いに同じ企みを持っていることを感じた。出版社に勤める三崎も下村と北川について話していた。「北川は無事ヨーロッパに着きました」と言う下村に、うなずく三崎。市雄はミスを犯し、国籍がないため店を閉めなければならなくなった。市雄のために花森と言い争う千里。市雄はその帰り、出会ったときと同じように、千里を手錠で電柱にくくって、捨ててきた。その千里を、今度は三崎が拾った。三崎が彼女を連れ帰ったとき、市雄が現われた。こうして三人は出会った。数日後、三崎のところへ下村がやってきた。「三崎さん、あんたがやった十五億円、全部札の番号、控えてあるそうだ。私はこの仕事から手を引く。餞別にいいネタをあげます。市雄って奴は、宗形っていう、べら棒に金持ってる男を知ってます」と話すと去っていった。職のなくなった市雄と千里に、三崎は十五億円を使える金に換える手伝いをしないかと持ちかける。三人は宗形を探しはじめた。そして、千里はうまく宗形のところへ入り込んだ。三人の罠に宗形はジワジワと落ちていく。

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映画レビュー

1.0共感対象不在

2019年10月7日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

 ATGらしい、着想にしても撮影にしてもユニークさを第一とする作風が鼻をつく。サスペンス風でもコメディ風でもあるが中途半端、強いて言えば残念な人達の不条理演劇というところか。
それにしても主人公の心情を手書きの文字で伝える演出には戸惑う、小説様式の借景であれば映画人の自己否定、自虐性にも思える。
若干21歳の女優が原案、脚本、製作、主演まで、そこまで突き動かしたものは何だろう。本編よりも製作に至る真相の方が興味深い。
原田さんという女優は若くして名だたる監督たちに可愛がられ育てられたのだが必然性のない露出(興業的には保険だが)に躊躇しないことが女優魂と植えつけられたのだろうか、太宰や三島文学にも感化されたというが性に憑かれたオスたちの詭弁の産物にも思える。そんな大人たちの俗物性を見抜いたのか、彼女が外見や所作ではなく内面的な才能の自己実現にベクトルが傾いたとしても不思議ではない。
映画の出来としては灯火に寄りつく虫の生態観察日記の様で珍しさはあるがどうにも感情移入できず戸惑いしか残らなかった。

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odeonza

4.0原田三枝子の儚そうで強かな女の演技が良い

2015年11月15日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

萌える

川崎市市民ミュージアムのATG特集で2015/11/08に鑑賞。
強奪したはいいが、番号を控えられた新札のために使えず、その金を誰かに押し付けようという騙し合いのトリックが話の本筋ですが、なんと言っても当時21歳の原田三枝子のかわいさといったらないです。彼女が演じる千里はいろんな男の元を転々として、その度にDVを受けていたらしく、怯えた子犬のよう。それでいて過去の男たちの家の合鍵をこっそり拝借していて侵入し、こそ泥しているという強かさもある。いつも鼻をすすっているし、唇を噛むのも良くするなど、神経質そうな面も。見た目も可愛い。細身なのに巨乳。今の女優でいうと沢尻エリカを巨乳にした感じかな?とにかくマイペースで一緒に生活したら生活が破綻しそう。それでいて別れたら一生忘れられない女、そんなキャラクターです。
そんな彼女に振り回されるバーのマスターの宇崎竜童、悪知恵は働くけど、ちょっと情けない感じもよかったし、知能犯の原田芳雄の渋い演技も良かったです。
脚本の刹那というのは原田三枝子さんのペンネームだそうです。こんなペンネームをつけるなんて若い頃はとがってたのかな?(^^;)

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月野沙漠

2.0原田美枝子の輝き。

2015年8月10日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

萌える

原田美枝子さん、高校生の頃の作品らしいが、美しさ、存在そのものが神がかっている。
ストーリーは正直よく分からなかったが、女優・原田美枝子の原点を知ることができて良かった。

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Nori