ひばり・橋の花と喧嘩
劇場公開日:1969年
解説
山口瞳の『伝法水滸伝』を野村芳太郎と「夕月」のジェームス三木が共同脚色し、「でっかいでっかい野郎」の野村芳太郎が監督した歌謡もの。撮影はコンビの川又昂が担当した。
1969年製作/94分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1969年
ストーリー
風と光が爽やかな初夏の潮来。自動車セールスマンの中橋吾郎は、学生時代の初恋を胸に秘め、この地を尋ねた。その相手は娘船頭の春子。吾郎が春子そっくりの芸者桃太郎(夏子)に出会ったのは、それから数日、彼が土地成金の家に新車を陸送し、成金の息子直助と喧嘩別れした日だった。車の売却に失敗した吾郎は会社を辞めて、潮来に居ついた。稲妻の藤次は、そんな吾郎に飯岡家十二代目の跡目相続を頼んだ。飯岡側は吾郎が笹川一家の潮来に住み、笹川側の女と噂が立つのを嫌っていたのだ。だが、若い世代の吾郎は、桃太郎に接近していった。盆踊りの夜、春子が帰郷、二人の恋は再燃した。しかし、春子は姉と吾郎の関係を知って身を引き、吾郎も春子に恥じて飯岡に去った。やがて、姉妹の飲んだくれな父保造が、春子をよい金づるとばかり、直助の嫁にと目論んだ。春子は家のために嫁に行くという。桃太郎は、春子に扮して吾郎から真意を問いただした。そして結婚当日、桃太郎に唆かされた吾郎が、春子を略奪。香取神社の石段を駈け降りる二人の後姿は喜びと幸福に満ちあふれていた。