ハナ肇の一発大冒険
劇場公開日:1968年1月3日
解説
「喜劇 一発勝負」のトリオの山田洋次と、宮崎晃が共同でシナリオを執筆し、山田洋次が監督したコメディで、高羽哲夫が撮影を担当した。
1968年製作/89分/日本
原題または英題:Million Dollar Pursuit
配給:松竹
劇場公開日:1968年1月3日
ストーリー
東京の下町で肉屋を営む間貫一は、陽気な好人物で、客に人気があった。ある日、レストランで好物の特大ビフテキを食べている時、貫一は美しい女性亜子と会い、鞄の中のダイヤを悪漢の手から守ってほしいと頼まれた。平凡な日常の中で、美女を助ける役目などは、そうざらにあることではない。貫一は喜んで引受け、ライトバンで逃避行を開始した。悪漢の目をくらますため、千葉に出て、さらにフェリーボートで横須賀に渡り、横浜に向かった。彼女の目的地は能登で、そこで相手側にダイヤを渡せばいいのだった。しかし、悪漢は執拗に二人を追っていた。やがて、二人を乗せた車は信濃路に入った。貫一は美人を乗せ、晩秋の美しい紅葉の中で車を走らせているのでごきげんだった。途中、二人は腹痛で苦しんでいる登山者真田を助け、近くの温泉場に連れていった。その夜、ダイヤの入った鞄が悪漢に奪われてしまった。責任を感じた真田は単身悪漢を追跡し、格闘の末、鞄を取戻して帰ってきた。この騒ぎで悪漢は警察に逮捕された。亜子はもう鞄を狙われる心配がなくなったと、安堵の胸をなでおろした。真田と亜子を乗せた貫一の車は、一路、新雪に輝くアルプスの麓を能登に向かった。三人は途中で一軒の山小屋にたどり着いた。ところがそこには警察に追われた殺人犯が潜んでいて、真田は彼の銃弾に殺されてしまった。貫一と亜子は危うくその場を逃れ、警察に事件を報告した。やがて、車は能登に着いた。亜子は別れを悲しむ貫一の頬に優しく接吻すると去って行った。貫一は再び平凡な日々の生活に帰って行った。一力月後、フランスにいる亜子から美しい絵葉書が届いた。貫一はそれを見るたびに、亜子との冒険旅行を思い出すのである。