秋刀魚の味(1962)

ALLTIME BEST

劇場公開日:

解説

名匠・小津安二郎の遺作となった作品。老いと孤独をテーマに、妻に先立たれた初老男性と結婚適齢期を迎えた娘の心情を、ユーモラスかつ細やかに描き出す。サラリーマンの平山周平は妻に先立たれ、長女・路子に家事の一切を任せて暮らしている。友人に路子の縁談を持ちかけられても、結婚はまだ早いと聞き流してしまう。そんなある日、中学の同窓会に出席した平山は、酔い潰れた元恩師・佐久間を自宅に送り届ける。そこで彼らを迎えたのは、父の世話に追われて婚期を逃した佐久間の娘・伴子だった。それ以来、平山は路子の結婚を真剣に考えるようになり……。父を笠智衆、娘を岩下志麻が演じる。2013年には松竹と東京国立近代美術館フィルムセンターの共同作業によってデジタル修復され、第66回カンヌ国際映画祭クラシック部門でプレミア上映された。

1962年製作/113分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1962年11月18日

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(C)松竹株式会社

映画レビュー

5.0小気味いい会話劇と、娘を送る父の哀愁

2024年3月15日
iPhoneアプリから投稿

小気味いい会話劇と、哀愁漂う娘を送り出す父親。
台詞で表現されてるわけではないが、孤独と悲しみが伝わるのは何故だろう。
人の感情を表現するのが素晴らしい映画だ。

当時の価値観と現代はかなり違うのではあり、娘が父の世話をするために婚期を逃すというのも珍しいとは思うが、父と娘の関係性でいえば今も変わらない気もする。

名作だから面白いというのではなく、自分は見ていて全部面白かった。1秒たりともつまらない部分がない。日常描写だけしかなくかなり淡々としているんだけど、テンポよく小気味良い会話劇であっという間に終わった感じ。また他の小津安二郎の映画が見たくなるほど、作品が好きになった。

岩下志麻さんの若い頃の作品だけど、すごく美人ですね。この人の魅力でもこの映画の価値を上げてる気がする。

父親役の笠智衆もいいよねぇ。
配役みんないい。味わい深すぎる。今だからこそ見ていて新鮮な気持ちになる。

ちなみに、タイトルの秋刀魚の味。本編に全く秋刀魚出てこんやん。一体どういう意味なのか。。。

劇中に食事シーンやお酒飲むシーンが多いけど、見てたら食べたくなったり飲みたくなってくる。。。

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夢見る電気羊

4.0厨房に入らない父と台所に立つ息子

2023年12月28日
PCから投稿
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jin-inu

4.0秋刀魚は出てこない

2023年12月27日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

知的

幸せ

主人公が、手に入れた幸せがいつの間にか減っていく
そんなことを思ってしまった瞬間を切り取った作品なのだと思います
日頃生活していても不意にくる淋しさはどうしようもなく、遠くを見つめたりため息が出てしまうものです

日常のほんの一コマ、歳を重ねる不安は何かで忘れるしかない
そのことばかり考えたって漠然とした不安はどうもならないもの
私もそんな歳にさしかかって来てます
若くて無鉄砲で脂が乗り切っていた頃はそんな不安などみじんも感じなかったのにいつの間にか着実にやって来る
子供の歳を声に出して言った時愕然とした時のことを思い出します
思わず
「嘘だろ〜」
と呟いてしまった
そして自分がどれほど歳を取ったのか身に染みるのです
幸い私には幾つかの道楽がある
歳をとっても出来ることばかりの
悲しみを忘れさせてくれる
道楽は良いものです、趣味と言い換えればカッコがつくし
まだ引っ込むには早すぎる!

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カルヴェロ

5.0僕のベスト1映画

2023年12月7日
PCから投稿

人生が、いかに滑稽で
哀しくて切なくて
儚いかを、詩情豊かに
描いてくれる。

この映画を観るたびに、
人は必ず死ぬんだよなぁ、
としみじみ思うのです。

杉村春子の慟哭、
東野英次郎の酔態、
笠智衆の独語、
ユーモアの中に浮かび上がる
血がにじむような孤独、哀切。
うん、人生って瞬く間に
過ぎるよな、と、年を重ねるごとに
心に染み入る映画です。

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高坂圭
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