秋刀魚の味(1962)

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劇場公開日

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解説

「小早川家の秋」のコンビ、野田高梧と小津安二郎が共同で脚本を執筆。小津安二郎が監督した人生ドラマ。撮影は「愛染かつら(1962)」の厚田雄春。

1962年製作/113分/日本
原題:An Autumn Afternoon
配給:松竹

ストーリー

長男の幸一夫婦は共稼ぎながら団地に住んで無事に暮しているし、家には娘の路子と次男の和夫がいて、今のところ平山にはこれという不平も不満もない。細君と死別して以来、今が一番幸せな時だといえるかもしれない。わけても中学時代から仲のよかった河合や堀江と時折呑む酒の味は文字どおりに天の美禄だった。その席でも二十四になる路子を嫁にやれと急がされるが、平山としてはまだ手放す気になれなかった。中学時代のヒョータンこと佐久間老先生を迎えてのクラス会の席上、話は老先生の娘伴子のことに移っていったが、昔は可愛かったその人が早く母親を亡くしたために今以って独身で、先生の面倒を見ながら場末の中華ソバ屋をやっているという。平山はその店に行ってみたがまさか路子が伴子のようになろうとは思えなかったし、それよりも偶然連れていかれた酒場“かおる”のマダムが亡妻に似ていたことの方が心をひかれるのだった。馴染の小料理屋へ老先生を誘って呑んだ夜、先生の述懐を聞かされて帰った平山は路子に結婚の話を切り出した。路子は父が真剣だとわかると、妙に腹が立ってきた。今日まで放っといて急に言いだすなんて勝手すぎる--。しかし和夫の話だと路子は幸一の後輩の三浦を好きらしい。平山の相談を受けた幸一がそれとなく探ってみると、三浦はつい先頃婚約したばかりだという。口では強がりを言っていても、路子の心がどんなにみじめなものかは平山にも幸一にもよくわかった。秋も深まった日、路子は河合の細君がすすめる相手のところへ静かに嫁いでいった。やっとの思いで重荷をおろしはしたものの平山の心は何か寂しかった。酒も口に苦く路子のいない家はどこかにポッカリ穴があいたように虚しかった。

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映画レビュー

3.5杉村春子が良い。

KONさん
2020年5月13日
iPhoneアプリから投稿

小津安二郎の作品を観た範囲で言うと、現代からみると普通の生活を描いてるようで、結構、経済的には豊かな家庭環境を描いてる。

この作品でも、恩師が下町のラーメン屋を営んでいる事に哀れさだけが感じられる表現をしているのが、なんだかなー

社会の底辺でも足掻きながらも、生き生きしてる生活はあったと思う。

その辺が、いまいち小津作品にのめり込めない理由かな。とか言いながらまた他の作品を観るのだから何かしら引き付けられる所があるんだろう。

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KON

4.0哀愁

2020年1月5日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

知的

難しい

妻を失った男が、頼りの娘を嫁に出す話。
娘を傍に置いておきたい父親、父親が心配な娘、家族というものが重んじられていた時代を感じることができた。
結婚というものも、現代とは異なる認識であることがよくわかる。
しかし、男やもめとその娘の気持ちはなぜかよくわかる。

東野英治郎さんが演じる男やもめは、娘を嫁に出さなかった。そのしっかりした娘がこっそりと涙を流すシーンは辛かった。
今でこそ、結婚をしなくても男女関係なく好きなように生きていけるが、時代が違えば結婚をしないことは不安や孤独を暗示しているのだなぁ...。

軍艦マーチを懐かしむシーンはあるが、戦争を語ることはない。
ただ、大切な娘を嫁に出すことを考える父親が描かれている。

もっと年をとってからみるともっと深く読み取ることができるのかなぁと思った。

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ちゅーる

5.0これぞ小津作品の完成形ではないでしょうか

あき240さん
2019年10月8日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

秋刀魚は登場しません
そのほろ苦い味をタイトルにしています

1949年 晩春
1951年 麦秋
1962年 秋刀魚の味

この三作品はテーマが同じです
特に本作は晩春の実質的なセルフリメイクと言って良いと思います

ヒロインが原節子ではなく岩下志麻なのは、流石に年月が流れて彼女の年齢では最早無理との判断と思われます
男やもめの初老の男が娘を嫁に出すという物語なのですから

よって本作のヒロインの名前は路子で紀子ではありません
紀子は原節子の為の永久欠番のような名前なのだと思います

岩下志麻は美しく気品もあり適役ではありました
しかしやはりその姿の向こうに原節子の面影を見ているのは観客だけでなく小津監督もその面影を追っていたように思います

主人公の周平の会社は京浜工業地帯の横浜寄りのようですし、彼の言動から家はどうも川崎辺りの雰囲気です

ヒョウタンのラーメン屋、そこで出会う加東大介の演じる海軍時代の部下が連れていくトリスバーはおそらく蒲田であろうと思われます

長男の光一の住む団地は池上線の石川台駅の近く
あの辺りに公営団地は無いので、社宅という設定なのだと思います

ところが紀子は石川台駅で三浦と一緒に石川台駅の五反田方面のホームに立っています
本来なら反対側の蒲田方面のホームに別れて蒲田から京浜線で川崎の家に帰るべきところです
なかなか手の込んだ演出の仕掛けだと思います

同級生があつまる料理屋の若松はネオンの位置から見て銀座6丁目と7丁目の間辺りのようです

ラジオのナイター中継は大洋阪神戦
調べて見るとその年は阪神優勝で大洋は2位の結果でした

杉村春子の演じるヒョウタンの娘
アラフィフで独身のままの無惨さを圧倒に雄弁に演技で語って見せます

晩春における、父親が娘に嫁に行けと雄弁に語るシーンを本作ではその杉村春子のシーンで置き換えているのだと思います
本作の方がよりスマートに雄弁に語っていると思います

のんびりして真剣に取り組まなかったが為に路子の縁談相手が他に取られたと言われて周平が焦るシーンも見事な伏線回収で鮮やかな決まり方でした

軍艦マーチが何度かかかります
それは過去を懐かしむ、過去の思い出にしがみつく心情の記号として扱われています
加東大介が演じる自動車修理工場の社長は周平を案内したトリスバーで海軍時代を盛んに懐かしむのですが、周平は全く関心を示しません

周平もヒョウタンも現在をただ懸命に生きていて過去を振り返って懐かしんだりしていないのです

しかしラストシーンで酔いつぶれた周平は軍艦マーチを口ずさんだのです

過去の方に心が向かってしまった心情を見事に表現した演出です
もちろん娘の紀子の面影を反芻しているのです
海軍の思い出なのではありません
自分が若い時の思い出
妻がまだ生きており、小さかった娘の思い出に耽っているのです

しかし彼は泣きはしません
秋刀魚の味のようにほろ苦い思いが胸中に詰まっています
秋刀魚の味は美味しいのです
酒に合うのです
こんな美味しい酒は無いのです
秋刀魚の味を快く噛みしめているのです

晩春での再婚の嘘の設定を、死別した妻にトリスバーのママの面影が似ていたという話で置き換えてよりスマートに処理されています
また娘のエディプスコンプレックスという別の要素を入れ込むこともなく、焦点を絞りめてもいます
本作は大変にスマートに何度もトライしてきた主題を本当に最後の最後で完成させたのだという実感を感じます
これぞ小津作品の完成形ではないでしょうか

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あき240

4.5なぜこんな映画も飽きずに最後まで見られるのか?

2019年9月29日
PCから投稿

この作品は確かに皆さんがおっしゃるように庶民生活の喜怒哀楽が込められていて美しい映画である。すぐに飽きてしまいそうでなかなか飽きない。微妙に面白いエピソードが連ね流れており、最後まで飽きない味わいのある作品になっている。
しかし本当にそれだけの映画なのだろうか?
それだったらこんなふうに人物を正面と彼から取る必要があるのだろうか?
この映画の冒頭部分に注目すべきショットがある。穏やかな対応している主人公の背後で煙がもくもくと渦巻いているショット。このショットを我々は見逃してはならない。
人間の顔というものは感情を表現するためにできているのであるが、同時に感情を偽ることもできる。
この映画には「嘘」にまつわるエピソードが2つも含まれており、それは明らかにこの作品のテーマあるいはアンチテーゼを暗示している。まるで、この作品全体を通した「嘘」を見抜いてみよ…と挑戦されているようだ。私にはこの映画が、単なる人情物語だとは、どうしても思えない。
常に人物を正面からとらえることにより、だんだんとそれが人間ではないように見えてくるから不気味だ。この人は口ではこう言ってるし顔では笑ってるけども本当にそうだろうか…という不安に駆られてくる。人間が相手と心が通じたとか感動を共有したというのは実は稀なことであり、またそれも全面的ではなく1部分のことである。しかし、その一部が通じたということか、また人間にとって、とても嬉しいことなのだ。この映画の一場面一場面を見るにつけ、きっとこの登場人物は、こう考えてるに違いない…と考えてみる。私はこの映画をそのようにして味わってみた。
この作品は、小津安二郎の作品の中では3番目とか4番目に位置づけられているが、私はno1と推薦したい。

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KIDO LOHKEN
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