バウンス ko GALS

劇場公開日:1997年10月25日

解説

コギャルと呼ばれる現代の女子高生たちのピュアな姿と友情を描いた青春ドラマ。監督・脚本は「栄光と狂気」の原田眞人。撮影に「螢II/赤い傷痕」の阪本善尚があたっている。主演のコギャル・トリオにふんするのは、「虹をつかむ男」の佐藤仁美と、いずれも映画初出演となる佐藤康恵、岡元夕起子の3人。佐藤仁美がキネマ旬報新人女優賞を受賞した。97年度キネマ旬報ベスト・テン第6位。

1997年製作/109分/日本
配給:松竹=松竹富士
劇場公開日:1997年10月25日

あらすじ

金曜の午後の東京・渋谷、コギャルのマルは援助交際を装ったヤクザの大島に、売春営業の邪魔になるとホテルで脅され、身分証や携帯電話を巻き上げられてしまった。マルに泣きつかれたコギャルのリーダー的存在であるジョンコは、大島のもとに出向くと、彼の求めに応じて援助交際とそれに群がる社会との相関図を解説する。そしてジョンコは、大島と協定を結ぶことでマルの持ち物を返してもらった。その協定とは、大島とある種の信頼関係を結び、また金だけ奪って逃げるような荒仕事を控えるというものである。同じ金曜の午後、家を出て単身アメリカ留学を夢見る帰国子女のリサは、出発を明日に控え、資金作りのために渋谷に立ち寄っていた。ところが、ブルセラショップのサキに紹介されて出向いたビデオ出演のバイトはイカサマで、加えて1年かけて貯めた現金30万円も奪い取られてしまう。リサにまとわりついていたスカウトのサップのおかげで現場から逃げられはしたが、このままではアメリカに発つことはできない。そのバイトに居合わせてリサの事情を知ったラクちゃんは、明日の出発時間までにアメリカでの必要な資金を稼ごうと、ジョンコに協力を求めた。リサの生き方が新鮮に映ったジョンコは、大島との協定違反を覚悟で、荒稼ぎの仕事をリサにセッティングしてやる。その夜、ジョンコとリサはサラリーマンの枕探しで14万円を手に入れ、従軍慰安婦設置に関係した老顧客の援助金こそ受け取らなかったものの、差別的な高級官僚を叩きのめしてさらに40万円をゲットした。そんな時、懲りずにリーマン狩りを続けるマルが逆に襲われ重傷を負う事件が起きる。それがきっかけとなってジョンコの荒稼ぎは大島の耳に届くところとなり、ラクちゃんを含めたジョンコとリサたち3人は、大島の詰問を受けることになった。しかし、マルが制裁の生贄だと解釈してやった大島は、14万円だけリサのポケットにねじ込み、3人を無事帰してやる。夜が明けて土曜日、サップのもうひと働きのおかげで奪われた30万円も餞別を上乗せして戻ってきた。こうしてリサは、ジョンコとラクちゃんに見送られてニューヨークに旅立っていく。見送るふたりと、そしてリサの目には、涙がいっぱいに溢れていた。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.0 原田眞人監督を偲んで

2025年12月20日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

怖い

ドキドキ

原田眞人監督
2025年12月8日都内の病院にて多臓器不全のため76歳で他界

1997年公開作品
2度目の鑑賞
前回はTSUTAYAレンタルDVD
今回はU-NEXT
久々の鑑賞

監督と脚本は『日本のいちばん長い日(2015)』『関ヶ原』『検察側の罪人』『燃えよ剣』『ヘルドッグス』の原田眞人

佐藤仁美初主演映画
バラエティー崩れしたデブのおばさんのイメージがあるがこの頃はまだキラキラしていた
女優だがオファーがあれば脱ぐ覚悟が今でもあるらしいが風邪を引くからやめた方が良いと僕は思う

コギャルの青春物語
コギャルといえばウリ
ヤクザ絡みのやばい冒険
渋谷
ルーズソックス
時代を感じさせる
バブル景気は弾けたはずだがまだまだ狂乱
女子高生のためかウリはやらなくてもフェラで10万も稼げてしまう
カラオケに付き合うだけで高めのお小遣いがもらえる
時には僕の月収よりずっと上の金額があっちこっち行き来する(20代の時と違いこの歳になると悲しいなあ)

小出に顔面にボコボコにされるマルのフルネームはヤザワマル
小出に事情聴取をする刑事の苗字は佐藤
コナンの高木渉刑事同様にアドリブかもしれないがすげーテキトー

コギャルといえば高校生ギャルのこと
マスコミはバカでオヤジで思い込みが激しい勘違い野郎だから中学生のギャルはマゴギャルと命名したと最近までみくびっていた
どうやらそうではないらしい多分
確かに彼らは仮にも一流大学文系卒のインテリなわけで一応ジャーナリストの端くれなんだからコギャルの意味くらいちゃんと調査はするだろう多分

チョベリバとチョベリグは知っていたがチョベリブは知らなかった
超ベリーブルーであって超ベリーブサイクではない
これ系の言葉は他にもいろいろあるらしいがいずれにせよその全ては死語である

そういえばこの時代に発売されたファミスタは神宮をモデルにした球場の声援がコギャルだった
コギャルは多分野球観戦なんてしないだろうしましてや「ふるたー」って熱い応援はしないだろう

役所広司がブルーリボン賞を取ったがこの作品は対象外らしい
なぜ?

中国人や朝鮮人を見下す日本人
まっそれはお互い様なんだけど

ちなみに朴訥男は朝鮮人ではない
朴訥とは素朴という意味らしい
パクではなくボクでボクトツと読む

配役
コギャルのリーダー格のジョンコに佐藤仁美
ビデオ出演のバイト代リサと居合わせるコギャルのラクちゃんに佐藤康恵
アメリカ留学を夢見る帰国子女のコギャルのリサに岡元夕紀子
性産業がシノギのヤクザの大島に役所広司
「運命」が口癖のスカウトのサップことアキヤマハルキに村上淳
大島に仕事用のケータイを取り上げられジョンコに助けを求めるコギャルのマルに矢沢心
ブルセラショップを営むサキに桃井かおり
エスカレーターでリサに声をかける小出に小堺一機
テレクラの狭さに苦しむ閉所恐怖症の男に大門修三
大島の子分のテラに清川均
ジョンコとよく連んでいる友人でコギャルのクジに万央里
チンピラのシンゴに海藤れん
チンピラのモロに原田遊人
チンピラのネオンに池田裕成
チンピラのシュンにチュウ・シュン
大東亜戦争の慰安所についてリサに聞かせる戦犯の教授に今福将雄
男子トイレの小便器を素手で綺麗にすることを強要する高級官僚の芳賀高光に塩屋俊
ラブホでジョンコにスタンガンで気絶させられる博多弁の朴訥男に大城英司
バーで陽気な老紳士にミッキー・カーチス
コギャルに西田明美
コギャルに手嶋道恵
コギャルに奥山千世
コギャルに奈良久美子
コギャルに三輪ひとみ
コギャルに京野ことみ
コギャルとカラオケを歌うサラリーマンに坂田雅彦
刑事の佐藤に佐藤恒治

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野川新栄

4.5 これは青春映画

2025年3月6日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

幸せ

公開当時から今まで、何度も何度も観た映画です。
たった1日の出来事を時間にそって描いています。
その流れに乗って彼女たちに起こる出来事を体感している間に自然と感情移入完了。
会話がリアルです。
どこからどこまでが台本なのかわからないシーンも多く、こういう作品は監督からキャストへの愛情そして信頼関係を感じます。
ルーズソックス、ポケベル、伝言ダイヤル、あの頃の渋谷。あの時代を生きた人ならきっと匂いを感じる作品だと思います。
特に朝を迎えてからエンディングまでのシーンが大好きです。
主人公リサの透明感とジョン子のカッコ良さを是非観ていただきたい。

同時期のコギャル映画『ラブ&ポップ』と、どうしても比較されてしまうと思います。
扱うテーマは似ていますが全く違うものです。
同じ援助交際でも『バウンスko gals』の彼女たちの理屈は心にすーっと入り込みました。
きどってない、かっこつけてない、真っ直ぐな、甘酸っぱい青春映画です。
わたしの宝物です。

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ともし

2.0 歴史資料的価値。

2024年6月25日
iPhoneアプリから投稿

公開の97年以来の再見。
戦後長期好景気の本格終焉の後に我が国は
こんなに不気味な時代を過ごした、
という歴史資料的価値。
女子高生の露悪的短絡的挙動に国が慄いた束の間。
それでも映画は昭和な青春譚に落着させる安直はご愛嬌。
台詞(役所村上ら)の聞き取り辛さは滅点要素。

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きねまっきい

4.5 原田眞人 監督は別れのシーンを描くのが上手すぎる。水色をエンディン...

2017年4月7日
スマートフォンから投稿

泣ける

原田眞人 監督は別れのシーンを描くのが上手すぎる。水色をエンディングに選んだのもすごくよかった。

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coffee