野菊の墓

劇場公開日:

解説

明治末期、15歳の少年と17歳の少女の淡い恋と、周りの大人たちの中傷で悲しい結末をむかえるまでを描く。伊藤左千夫の同名の小説の映画化で、過去に「野菊の如き君なりき」の題で木下恵介、富本壮吉で二度映画化されており、今回が三度目。脚本は宮内婦貴子、監督はこれがデビュー作となる澤井信一郎、撮影は森田富士郎がそれぞれ担当。

1981年製作/91分/日本
原題または英題:The Wild Daisy
配給:東映
劇場公開日:1981年8月8日

ストーリー

坂東三十三ヵ所お礼所の一番・杉本寺の石段を踏んでゆく一人の老人がいる。忘れ得ぬ人の魂の回向を思い立ち遍路の旅に出た斎藤政夫老である。老人の脳裏に、半世紀以上も昔の思い出があざやかによみがえっていた。田園風景が美しい江戸川べりの村。政夫の生家は、醤油の醸造業を営む旧家だ。政夫が十五歳のとき、病弱の母きくの世話をするため、従姉で二つ歳上の十七歳の民子が家に住むようになった。以来二人の仲は親密になり、姪の初子や奉行人の間で噂にのぼった。きくは奉行人をいましめ、二人をかばうが、なるべく会わないようにと話す。それが二人の思いを淡い恋心に変えていった。二人の仲を中傷する周りの声は強まり、心配したきくは、政夫を予定より一ヵ月早めて中学の寮に入れることにした。一方、正月には帰るという政夫を待つ民子に縁談が持ち込まれた。拒む民子だが大人たちは一方的に話をすすめる。そのやり方に憤慨した女中のお増は、政夫にその話を知らせた。やっとのことで花嫁行列にかけつけた政夫は、民子の車めがけて、りんどうの花を投げつけることしか出来なかった。それから数ヵ月後、政夫のもとへ帰宅するようにときくから電報が届いた。家に戻った政夫に民子の死の知らせが待っていたのだ。民子は流産し、嫁ぎ先で冷たい仕打ちにあって実家に戻され病床についたまま、帰らぬ人となったのだ。政夫は激しく泣いた。時は流れた。今、政夫は残り少ない人生を、民子の清らかな魂の故郷へむかって巡礼の旅に出ようとしていた。

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映画レビュー

3.0松田聖子アイドル映画。うーん、そこらへんにもっと美人がいっぱいいる...

2023年7月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

松田聖子アイドル映画。うーん、そこらへんにもっと美人がいっぱいいるじゃない(ファンの方ごめんなさい)歌だけ歌ってなさい。が、このメロディ、エンディングまできやというほど聞かされ、すっかりいい歌に思えてきます(笑)
話は昔あるある。好き同士でも結ばれなかった悲劇。嫌々嫁に来られる方も悲劇だよね。
樹木希林の存在感が半端ない。悪い映画じゃないんだけどなぁ。アイドル映画の悲劇。

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はむひろみ

3.0初めクスクス最後はすすり泣き

2023年5月21日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

悲しい

1981年の夏の終わりに、池袋ハタ映画館街のどこかのコヤで鑑賞。
タイトルは私の感想だが、当時受講していた蓮實先生(大学バレだが)の感想でもある。例のオデコで登場する聖子ちゃんに場内は笑い、最後の悲恋で場内は泣く。澤井監督は本作が40過ぎのデビュー作。その後の手堅い監督ぶりは想像出来ませんでした。

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コーヒービート

2.0会社がお金をつぎ込んで、アイドルを作った時代。

2022年8月12日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

寝られる

尤も、それでアイドルとしてだけで終わるか、その後も生き続けるかはその人次第ではあるのだけれど。

オーディションそのものが宣伝。幾らかけたんだろう?
 と、昔は考えていたけど、うまい役者を政夫に配したら、聖子さんの棒読みだけが際立っちゃうから、わざと素人を起用したのかしら?
 聖子さん人気にあやかって、売り出したいアイドル男優を配することもよくあるけれど、主役を食ってしまうレベルだと困るし。
 オーディション場面を基にした予告を見ると、ペアで売り出す気もないみたい。聖子さん自身が、優勝者である桑原君と視線を合わせることすらせず、常にカメラ目線。これでは映画にならない。

主役二人の演技に比べて、周りは豪華俳優陣。華もあり、実力も確かな人々の競演。(脇を務める方々の、一人語り芝居にしても、一つの作品として成り立つぞ)。
そして原作は純愛の極致。
これで、つまらない映画になるわけない。

とはいうものの、あの木下監督をはじめ、この映画で3回目の映画化。
 それ以外に、TV版での、あの山口百恵さん主演の『野菊の墓』が記憶に新しい時期にもかかわらずの映画化。
 チャレンジャーですね。否、そんな評価すら吹き飛ばすほどの、聖子さん人気だったのだろう。演技がなんだ、この映画なら、皆必ず泣いて感動するぞと。動員見込めるぞと。
 そして、脇の方々がきっちり収まっていて、気合の入った映画なのだろう。

でも、心に残っていないんだなあ。小説の筋はしっかり残っているけど。
 物語・演出・映像・音楽、脇役には高得点をあげたいのに、全体評価とすると★2つ。そんな映画。
聖子ちゃんファンのための映画です。

☆  ☆  ☆

千葉と東京の境、矢切りの渡し付近の話。小説の(この映画ではない)記念碑も立っている。
 名家での結婚で大事なのは家と家の繋がり。個人の意志は無視。貧しい家の娘は、名家に奉公することによって行儀作法を身につけて箔をつけ、少しでも良い所に嫁入りを斡旋してもらっていた時代の話。(『おしん』『ちいさなおうち』)
 だから、政夫の母が極悪人かといえばそうでもないんだけど、やっぱり二人の純愛を思えば、涙する。
 初恋。結ばれぬものとはいえ、それだけでも胸の奥がキュンとする。
 原作も読んでみることをお勧めします。

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とみいじょん

0.5ぶりっ子民ちゃん

2020年12月18日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ビジュアルは良くて主題歌も良いけど演技が酷い。山口百恵のよりは内容はしっかりしていたかな。

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ジョバンニ