アメリカン・ビューティーのレビュー・感想・評価
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劇場公開時に見に行って、20年ぶりに観たら内容ぜんぜん覚えていなか...
劇場公開時に見に行って、20年ぶりに観たら内容ぜんぜん覚えていなかった。最初のシャワーシーン、アネットベニングとピーターギャラガーがやってるとこ、ラストシーンだけ覚えていた。ビニール袋が舞う動画を二人で並んで見てるシーンが超イイと思った、記憶になかったのだが。
「アメリカ的美しさ」ってなんだったんだろう
当時のアメリカの世情、ただちょっと押し付けがましいか
カイザー・ソゼ。
タイトルの「アメリカン・ビューティー」とはバラの品種の一つである。...
タイトルの「アメリカン・ビューティー」とはバラの品種の一つである。色合いは極めて色が濃く、真紅の色合いで美しい。そしてそれを象徴するように作中に散りばめられていて、演出を際立たせている。
一見するととても美しいがそのタイトルとは裏腹に、嫉妬・妬み、欠点を隠しながら生きる中流階級の生き様を見せられる。しかもそれはとてもドロドロしている。
高級な住宅街で繰り広げられる人間劇はとても皮肉にまみれている。娘の友達に性的に惚れる父親。極めて保守的で同性愛者を憎むが自身もまた同性愛者である軍人の男。そんな親を持ちながら影では麻薬を売りさばく息子。堂々と昼間から浮気をする母親。
そんな人間的に欠点のある人達がそれを上手く隠しながら暮らしている。それが見ていてどこか不器用なんだけど、しかしとても愛らしい。
それに加え、この作品は人と人とのコミュニケーションが如何に難しいのか、家族の中でのぶつかり合いも描いている。
ケビン・スペイシー演じる中年の男はとにかく妻と衝突する。それに加え年頃の娘との軋轢が凄まじい。
彼は最初から最後まで娘とは上手くいかないが、物語の最後、しかしそんな娘にも彼氏が出来たと聞いたときの安堵した表情はとても一言では言い表せないくらいの、あの笑顔は本当にたまらないものがある。あの一瞬の場面でそれをやりきるスペイシーの演技には舌を巻いた。
それに単なるいがみ合いだけを描き切るのではなく、すれ違っていたけど実は心の奥底では憎みきれていない繊細さも最後に持ってくるので2転3転と楽しめる映画だと思う。とても味わい深くまたいつか見たいなぁと思える、とても魅力的な作品だった。
永久保存版🙆♂️
現実的な歪み
アメリカのファミリーとは
両親の夫婦関係は破綻しており、父親(ケヴィン・スペイシー)は娘(ソーラ・バーチ)の友だち(ミーナ・スヴァーリ)にゾッコン、母親は同じ不動産業のやり手セールスマンにゾッコン、娘は隣に引っ越してきた青年にゾッコン。
青年の父親(クリス・クーパー)は海兵隊上がりで強面なのだが・・・。
アメリカ人が好きな家族なんてこんなもの、なんて声が聞こえてきそう。
普通の家庭のあやうさを描いた映画
アメリカ人の為の映画
人は「美しさ」に惑わされる。
・人が心奪われちゃうのは「美しさ」であること
・本当に欲しいものではなくても、美しいものはつい欲しくなっちゃう
・だけれどそれ以外に「本当に欲しいもの」を誰もが持っている
・それに気付いたり忘れたりして生きている
・その生き様は美しいなんていえたもんじゃなく、泥臭くて、情けなくて、愛らしい。
・自分にとって本当に欲しいものだけを見分けていけたら幸せなんだなぁ
・ケヴィンスペイシーのやわらかマッチョ感が非常にマッチしている
・音楽の使い方に愛がある
・笑いのトーンが「家族ゲーム」っぽい
・実は社会派な映画なんだね
・物質的に豊かになっていく代わりに、惑わされることも増えていくから、自分にとって何が本当に大事なのか、自分は何を一番欲しいと思っているのかが見えづらくなる
・いつの時代もそれを見分ける力が大事なんですね
・シンプルに生きるッッッ
あ==== 凝縮!!
本当に、今までご縁がなく、観たい観たいと思っていた、サムメンデス監督の、賞をいっぱい取ってるあの映画!「アメリカンビューティ」 やっと!!! 観ました。。。
いやぁ、これ、園̪子温じゃん。三浦大輔じゃん。
彼等が影響を受けてないとは言わせないぞ! と心の中で叫びましたが。。。これは私の勝手な憶測。
とにかく。
私、ライザミネリの「キャバレー」が大好きで、YouTubeで懐かしく観てたら、
ある時、なんじゃこれ、っていうリメイク版の舞台「キャバレー」(サム・メンデス版と言われる彼の演出)を見つけて、まぁ、びっくり。 素晴らしい!
しばらくは、そればっかり延々観ておりました。
この時の印象的なキャスト、MCを演じるのが、誰あろう、「アラン・カミング」
後で、知ったけど、サムは、アランの才能に出会ったので、この舞台を手掛けたんだそう。(ちなみに、サムは、ゲイではないようです)
で。トニー賞をがっつり取ってるこの「キャバレー」の演出を見て、スピルバーグは、この「アメ・・」の監督をサムに任せた、らしい。サムにとっては映画監督は初めて。
いやぁ、舞台ではできない、カメラワークやら、話の運び、闇や雨の使い方、そして、何より、めちゃくちゃ重要な、絵画のようなその切り取り方!
すごい!
脚本は、別の人で、これはオリジナルのままに映画にしたらしいけど、それもすごい。けど、それを生かし切ったサムはすごい。
そして、思い出した。 以前観た、「Love, サイモン 17歳の告白」。
これは、完全にサムメンデスへのオマージュだ! (これも私の勝手な憶測)
「アメ・・」も、LGBTの悲劇だけではなく、ちゃんと明るいカップルも描いてはいるけれど、これを踏まえて、「Love、サイモン・・」は、もっと希望のもてる映画にして、答えを返しているのではないかしら。改めて、こっちの映画も、評価上げたくなりました。
話を「アメ・・」にもどして。
これは、サムの映画をちゃんと探してみなければ、と思いました。
007のくだりが、この映画にすでにでてきているけど、これは、脚本どおりだから?なのかな、運命か。www
いやぁ、すばらしい。
最後に、中身について少し。
こないだラジオで、「妻のトリセツ」を書いた人が、「全ての妻は、自分の夫はポンコツだ、と思ってますから」と言っていた!ww とっても説得力あるな、と。www
男も女も、ティーンエイジャーも、欲求不満。 性的にも、自己実現にも。 性的自己実現にも。
とにかく、どのキャストも、少ない出番であっても、ドキっとするあれこれを、絵ずらで語っていて、嘘がない。
とにかく、すごい作品です。
人間味溢れていて面白い
【虚飾に満ちた人生からの様々な形の自己解放を描き出す。サム・メンデス監督の剛腕が世界に知れ渡った記念碑的コミカル&シニカル&アイロニー作品でもある。】
アメリカン・ビューティー。
全く知らなかったがアメリカ産の薔薇の名前だそうである。
劇中、頻繁に表れる”アメリカン・ビューティー”の真っ赤な花弁。
当時の資料を読み直すと、”アメリカ人の夢は、テニスコートの半分もあるような前庭に、この紅い薔薇を植えて、朝食の食卓に一輪飾る事”というコメントがあった・・・。成程。
又、スティーブン・スピルバーグが”一切、リライトせず、この脚本(アラン・ポール)通りに映画にするように”と指示したとも書いてある・・。
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42歳の冴えない主人公、レスターを演じたケビン・スペイシーはこの役を初めての ”待望の普通の男” だったと当時言っている。(いやあ、普通の男ではないだろう!と軽く突っ込む。)
妻キャロリン(アネット・ベニング)と娘ジェーンから人生の敗北者として軽んじられているレスターは娘ジェーンの友人、アンジェラに一目惚れ(おいおい・・)をしたことで、リストラ対象になっていた会社を自分の意思で辞め、いきなり体を鍛え始める。(アンジェラの言葉がきっかけ・・)
そして、彼の娘ジェーンを主に彼らの姿をビデオに収める隣家の息子リッキー。そして、彼を監視する父フィッツ大佐。
だが、リッキーは時折、レスターに最上のマリファナを売っている・・。
ー個人的には、当初不気味に見えたこの家庭が、一番まともだったと思う・・。元海兵大佐フィッツの口癖は”人間は世の中のルールに従って生きるべきだ!”である。-
そして、レスターが念願叶って、アンジェラと結ばれようとした時にアンジェラの口から出た言葉・・・。(どこまでも、シニカルであるなあ。)
[劇中様々な形で出て来る”赤色”]
・彼らの家の赤い扉であったり、
・開き直って会社を辞めて、レスターが働き始めたハンバーガー屋のユニフォームであったり、
・レスターが憧れていたスポーツカー:ファイヤーバードの色であったり、
・そして、ラストの・・・
<虚飾に満ちた人々の生き方を、とことんコミカル&シニカル&アイロニー風味で描き出したサム・メンデス監督の記念碑的作品。
エンドロールで流れる、エリオット・スミスの美しいビートルズカバーの”BECAUSE”が、今作の余韻に浸らせてくれた作品でもある。>
<2000年5月 劇場にて鑑賞>
<2020年4月11日 DVDにて再鑑賞>
ケビン・スペイシーならではのねっとり感!!
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