アメリカン・ビューティーのレビュー・感想・評価
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あ==== 凝縮!!
本当に、今までご縁がなく、観たい観たいと思っていた、サムメンデス監督の、賞をいっぱい取ってるあの映画!「アメリカンビューティ」 やっと!!! 観ました。。。
いやぁ、これ、園̪子温じゃん。三浦大輔じゃん。
彼等が影響を受けてないとは言わせないぞ! と心の中で叫びましたが。。。これは私の勝手な憶測。
とにかく。
私、ライザミネリの「キャバレー」が大好きで、YouTubeで懐かしく観てたら、
ある時、なんじゃこれ、っていうリメイク版の舞台「キャバレー」(サム・メンデス版と言われる彼の演出)を見つけて、まぁ、びっくり。 素晴らしい!
しばらくは、そればっかり延々観ておりました。
この時の印象的なキャスト、MCを演じるのが、誰あろう、「アラン・カミング」
後で、知ったけど、サムは、アランの才能に出会ったので、この舞台を手掛けたんだそう。(ちなみに、サムは、ゲイではないようです)
で。トニー賞をがっつり取ってるこの「キャバレー」の演出を見て、スピルバーグは、この「アメ・・」の監督をサムに任せた、らしい。サムにとっては映画監督は初めて。
いやぁ、舞台ではできない、カメラワークやら、話の運び、闇や雨の使い方、そして、何より、めちゃくちゃ重要な、絵画のようなその切り取り方!
すごい!
脚本は、別の人で、これはオリジナルのままに映画にしたらしいけど、それもすごい。けど、それを生かし切ったサムはすごい。
そして、思い出した。 以前観た、「Love, サイモン 17歳の告白」。
これは、完全にサムメンデスへのオマージュだ! (これも私の勝手な憶測)
「アメ・・」も、LGBTの悲劇だけではなく、ちゃんと明るいカップルも描いてはいるけれど、これを踏まえて、「Love、サイモン・・」は、もっと希望のもてる映画にして、答えを返しているのではないかしら。改めて、こっちの映画も、評価上げたくなりました。
話を「アメ・・」にもどして。
これは、サムの映画をちゃんと探してみなければ、と思いました。
007のくだりが、この映画にすでにでてきているけど、これは、脚本どおりだから?なのかな、運命か。www
いやぁ、すばらしい。
最後に、中身について少し。
こないだラジオで、「妻のトリセツ」を書いた人が、「全ての妻は、自分の夫はポンコツだ、と思ってますから」と言っていた!ww とっても説得力あるな、と。www
男も女も、ティーンエイジャーも、欲求不満。 性的にも、自己実現にも。 性的自己実現にも。
とにかく、どのキャストも、少ない出番であっても、ドキっとするあれこれを、絵ずらで語っていて、嘘がない。
とにかく、すごい作品です。
人間味溢れていて面白い
スマホやネットが普及する前の20年くらい前の少し古い映画。
高校生に恋をするおっさんの話。確かにそうなんだけど、おっさんの人生に対する「もがき」、ビジキャリの奥さんの「もがき」、両親との関係や恋人、友人との関係に悩む娘の「もがき」、隣人男性....
みんながみんな必死になって生きている様子が伝わってきてよかった。
【虚飾に満ちた人生からの様々な形の自己解放を描き出す。サム・メンデス監督の剛腕が世界に知れ渡った記念碑的コミカル&シニカル&アイロニー作品でもある。】
アメリカン・ビューティー。
全く知らなかったがアメリカ産の薔薇の名前だそうである。
劇中、頻繁に表れる”アメリカン・ビューティー”の真っ赤な花弁。
当時の資料を読み直すと、”アメリカ人の夢は、テニスコートの半分もあるような前庭に、この紅い薔薇を植えて、朝食の食卓に一輪飾る事”というコメントがあった・・・。成程。
又、スティーブン・スピルバーグが”一切、リライトせず、この脚本(アラン・ポール)通りに映画にするように”と指示したとも書いてある・・。
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42歳の冴えない主人公、レスターを演じたケビン・スペイシーはこの役を初めての ”待望の普通の男” だったと当時言っている。(いやあ、普通の男ではないだろう!と軽く突っ込む。)
妻キャロリン(アネット・ベニング)と娘ジェーンから人生の敗北者として軽んじられているレスターは娘ジェーンの友人、アンジェラに一目惚れ(おいおい・・)をしたことで、リストラ対象になっていた会社を自分の意思で辞め、いきなり体を鍛え始める。(アンジェラの言葉がきっかけ・・)
そして、彼の娘ジェーンを主に彼らの姿をビデオに収める隣家の息子リッキー。そして、彼を監視する父フィッツ大佐。
だが、リッキーは時折、レスターに最上のマリファナを売っている・・。
ー個人的には、当初不気味に見えたこの家庭が、一番まともだったと思う・・。元海兵大佐フィッツの口癖は”人間は世の中のルールに従って生きるべきだ!”である。-
そして、レスターが念願叶って、アンジェラと結ばれようとした時にアンジェラの口から出た言葉・・・。(どこまでも、シニカルであるなあ。)
[劇中様々な形で出て来る”赤色”]
・彼らの家の赤い扉であったり、
・開き直って会社を辞めて、レスターが働き始めたハンバーガー屋のユニフォームであったり、
・レスターが憧れていたスポーツカー:ファイヤーバードの色であったり、
・そして、ラストの・・・
<虚飾に満ちた人々の生き方を、とことんコミカル&シニカル&アイロニー風味で描き出したサム・メンデス監督の記念碑的作品。
エンドロールで流れる、エリオット・スミスの美しいビートルズカバーの”BECAUSE”が、今作の余韻に浸らせてくれた作品でもある。>
<2000年5月 劇場にて鑑賞>
<2020年4月11日 DVDにて再鑑賞>
ケビン・スペイシーならではのねっとり感!!
おっさんがある事をきっかけに、今の無理している自分を捨て、ストレスから解放され自分探しを始めるが殺された事件をコメディと少々のサスペンスで描いた傑作!?
撮影の仕方が独特でケビン・スペイシーのねっとり感が際立ち、なんとも言えない後味が残った。
アメリカ人ならもっと面白いと思うんじゃろーね。
バットエンドだけど、ハッピーエンドのような爽快感はなに?
一見序盤から奔放でやりたい放題で、女子としては嫌悪感すら湧いてきそうなケビンスペイシー扮する、中流階級の”おっさん”
終盤につれて、1番常識があって、人間味が魅力的に思わせられ惹きこまれてからの。。。バットエンド…!
すっかりやられてしまった!
このプロットを考えた人は、そんな主人公をバットエンドにしたのは、メタフォリックに生かしたのではないかと矛盾した何故かハッピーエンドを観たような錯覚に陥る。
ここに、この作品の数々の賞を受賞した、エンターテイメントがあるように感じた。
感じるものは多いです!
夜遅く見始めてのめりこみました。
なんだろう、この世界観は。
上空から町を見下ろす浮遊感のあるカメラワークと、中年男性のとつとつと喋るナレーションからはじまり・・・。
登場人物は、極端なほど分かりやすいです。
話はドラマでよくありそうな題材(思春期の葛藤、不倫・浮気・セックスレス、中年の憂い、物質的追求・権威性がもたらす成功への疑問符など)なのですが。
どこか含みがあり、重厚感がある。
町山さんの映画評論を見て、一気に謎が解けました。
陰影を過剰なまでにつけた撮り方!そこに登場人物1人1人の心の闇や影を感じとって、あの幻想的な感覚や狂気を覚えたのかと。
よくある"日常性"と、相反する"違和感"に魅せられます。
確からしい答えがありそうで、解けないもどかしさ。
好きな世界観でした。
この作品のレビューは難しいです。
良さは確かに感じるのですが、それを言葉にすると今ひとつピンとこない。核心をつけず・・・。もっと表現力を磨きたいと痛感しました。
どうしようもねぇ
どうしようもない、救いようのない話でした。。。。
「中年の危機」日本ではあまり耳にする話ではないですが、この映画のストーリーには聞き慣れない言葉を、さも自分の周りで起こっていることのように感じされる奇妙なリアリティがあり、なかなか面白かったです。
人生は風に揺られるがままに
個人評価:4.0
隣人同士の家族の歪な交差をコミカルに描きながらも、一人一人のキャラクターを丁寧に掘り下げており、最後にはどのキャラクターにも感情移入できるような演出は素晴らしい。
木枯らしに舞うビニール袋の描写が、風に揺られるがまま身を任すしかない人生を感じさせる。
アカデミー賞を総なめにしたこの作品は、誰もが感じる抗う事ができないそんな人生の風に共感をよんだのだろうか。
劇中のケビン・スペーシーの人生もまた無力に風に流される。
娘ジェーン(バーチ)が父親を殺して欲しいと依頼するところから始ま...
娘ジェーン(バーチ)が父親を殺して欲しいと依頼するところから始まり、レスター(スペイシー)が「1年後に死ぬ」とナレーションを入れる。家族には人生の負け犬と思われていて、いきなりリストラの憂き目に・・・
チアガールをやってる娘のセクシーな友人アンジェラ(ミーナ・スヴァーリ)に一目惚れするレスター。娘を執拗にビデオに収める隣人のリッキー(ウェス・ベントリー)。妻は不動産ブローカーをする傍ら、不動産王のケリー(ピーター・ギャラガー)との不倫に励み、射撃の趣味を持つようになる。ジェーンはリッキーと親しくなるが、リッキーの父親(クリス・クーパー)は銃マニアでネオナチで偏屈なのだ。しかもかつてゲイであった自分を責め、息子にゲイ疑惑があると激怒する。そうでなくても盗撮、麻薬、陸軍学校の放校も気に入らない。
「筋肉がついたらレスターと寝たい」とアンジェラが言ったのを盗み聞きして、筋トレを始めたり、真っ赤なバラのCGによって彼女を妄想するシーンが印象的。ジェーンはベビーシッターで貯金して豊胸手術を受けるのが夢だった・・・が、かなりボインちゃんのソーラ・バーチ。
ハンバーガーショップで働くこととなったレスターは妻の不倫を目撃。いくら見せかけの夫婦でも慰謝料を取られるのはバカらしいと考える妻。娘はリッキーに父親を殺してと頼み、隣人フィッツはレスターとリッキーの関係を疑う・・・コミカルなようで深刻でもあり、崩壊しつつある典型的なアメリカの家族をシニカルに描いていた。
最後には「誰がレスターを殺すのか?」というサスペンスめいた展開と「この世は美しい」と死の直前に走馬灯のように過去を振り返る哲学的とも言えるエンディング。音楽も70年代のサウンド中心に楽しませてくれた。
なぜか刺さる
初めて見たのは20年近く前であるが、なぜか時たままた見たくなる謎。
まぁ人によっては嫌悪感を示すかもしれないような、ネガティブが集合した作品だが、
「アメリカン・ビューティー」とタイトルを付けたことに、どうにも賞賛の気持ちになってしまう。
普遍的幸せなんてない
絵に描いたようなアメリカの一般的な中流家庭。物質的には恵まれていて、精神的には不満を持っているごくありふれた平凡な人生を送る人々。映像は綺麗だけど退屈だなーと思いながら見ていたら、ほんの些細なきっかけで自分の欲望をはっちゃけていく後半戦からグイグイ引き込まれた。特に父親がビッチで奔放なフリをしてるけど本当は常識的で臆病な娘の友達と一線を越えようとする下りは、なんだか泣きそうになるくらいいい話だった。世間一般が想定している幸せは、世間にとっての幸せで、そんなものに押し込められるくらいなら、歪でも、自分の幸せを求めた方がいい。抑圧されずに自分の欲望に忠実に振る舞っていれば、逆に他人を気遣う余裕も出てくるさ。そんなメッセージが感じられる面白い映画だった。
本当の「美」
この映画には様々な登場人物が出てくる。
奴隷さながらの仕事を14年続け、家庭では虐げられている男。不動産屋として働くが全く業績が上がらず、ひたすら自分の感情を押し殺す女。不仲の両親にうだつが上がらず、本当はもっと注目してほしいのに素直になれない反抗期の娘。軍人として自分や周りにも厳しすぎる男。半ば痴呆症のようになってしまった女などなど…
彼らに共通しているのは「自己抑圧」である。
この映画のテーマはそんな抑圧的なことが模範的な美であるとされている世間に対して反対意見を提示する、いわば本当の「美」を通した人間賛歌なのだ。
上記の抑圧的な人々とは対照的に現れるのが、主人公の隣人のゲイカップル。ヤクの売人をして金を稼ぎ、美しいものをビデオに収める変態高校生。
彼らの行いは非常識なのかもしれない。しかし彼らはとても幸せそうなのだ。そこにこの映画の「皮肉」が混じっている。
抑圧的だった人々も次第にタガが外れていく。不倫や違法薬物に手をつけるが、彼らはやはり幸せそうなのだ。
また自分の中の「美」を見つけることによって、「美」に寄り添うことができる。
主人公のレスターは自らを囲んでいた「美」の存在に気付き、感謝の念を抱いて死んでいく。しかしまだ本当の「美」を見つけきれずにいる者たちに対して「いつか理解できる」と言葉を残していくのだ。
さらに劇中では「美」のメタファーとして、バラや赤色が用いられている。これが意味するところが、どのような「美」なのか。考えてみるのも面白いかもしれない。
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