ニッポン国・古屋敷村

劇場公開日:1982年11月1日

解説・あらすじ

77年の「牧野物語 養蚕編-映画のための映画-」以来、沈黙していた小川プロの作品である。蔵王山系中の村、古屋敷。かつて18軒あった家々は、ここ10年の間に減少し、現在はわずか8軒。若者は皆、町で働き、日中は年寄だけの村だ。その中で今も、生々しく語られる昭和の凶作と戦争--。この映画は、昭和55年、古屋敷の冷気と稲の解明から始まり、村に生きる人々の暮らしを描いていく。監督は小川紳介、撮影は田村正毅が担当。

1982年製作/210分/日本
配給:その他
劇場公開日:1982年11月1日

スタッフ・キャスト

監督
小川紳介
撮影
たむらまさき
音楽
関一郎
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映画レビュー

未評価 地べたからの目線で記録する大切さ

2025年12月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

「さようなら昭和百年」特集で鑑賞

 1980年の段階で、今の言葉で言えば限界集落、山形県の山奥にある僅か8戸の古屋敷村でその自然と人々を記録した3時間半に及ぶ長編ドキュメンタリーです。

 耕作に適した土地は殆どない上に冷害の被害が当たり前にやって来る土地で、炭焼きや養蚕などで人々は土地にへばりつく様に暮らしておられます。子供は勿論、若者すら一人も出て来ず、お年寄りばかりが語り続けます。でも、そのお話が抜群に面白いのです。ニッポンという国の歴史と地理を上からではなく、地べたから蟻の目線で一つ一つ記録して残す事が如何に大切かがよく分かります。2025年現在、この村にまだ人は住んでおられるのでしょうか、茅葺きの家はどうなっているのでしょう。

 そして、それまで三里塚の記録を長年続けてこられた小川伸介さんが視線をこちらに移されて来たのが、分かる様でいて少し意外な気もしたのでした。

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La Strada

未評価 高度経済成長との対照地域の一つ

2025年1月27日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会
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てつ

4.0 見応えあった!

2024年8月2日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

ずっと観たかったが長年すれ違いが続き(だって平日ばっかなんだもん…)、やっと観られました。
大満足!
小川紳介の着地点はこういうところだったのか…と。
稲の成長パートは科学・教育映画の系譜よね。とても充実して楽しそうですね。
後半村人の色々な証言の中に、戦争に関するところも出てきますが、そこも含めて無くなっていくものを、今いる地点のその先の未来へ向けて撮影している感覚にぐっときましたねぇ!
「地に足つけて、ここで日々淡々とやるよ」っていう感じ…かっこいいなぁ…
感激の一言です。

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胃袋

4.5 ドキュメンタリー映画史に残る傑作

2024年4月17日
PCから投稿

1980年代に入っても日本でこのような作品が撮られてしまったこと自体が、奇跡のようなもの。後に『1000年刻みの日時計 牧野村物語』につながる、地元との長く深い関係をもとに着実に目撃する・記録する、という姿勢はここでも見事に生かされている。世界のドキュメンタリー映画史でも稀な成果で、米・欧で小川紳介は伝説的な存在。

これを「日本を貶めている」と曲解する年寄りは、映画なんか見なくていいのでは。

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milou