大暴れ風来坊
劇場公開日:1960年11月16日
解説
小林旭の流れ者シリーズで原健三郎の原作を、中久保信成と市川佐登志が共同で脚色、「南海の狼火」の山崎徳次郎が監督した。撮影は「若い突風」の伊佐山三郎。
1960年製作/79分/日本
配給:日活
劇場公開日:1960年11月16日
ストーリー
四国松山の瀬川運送は県からの払い下げ土地の入札資金六千万円の調達に大童だった。社長の瀬川は情婦蘭子に経営させているキャバレー銀馬車へ、丸善石油の山本課長を招待し三千万円のメドをつけた。残りの三千万円は関西の実力者大田黒に頼むため娘の玲子をさし向けていた。瀬川が信じ切っていた大田黒は、実は桜観光の社長榊原を使って瀬川の土地を乗取り東洋の観光地にしようとしていた。そんな時榊原のお抱えの殺し屋十字架の政という坊主と、得体の知れない風来坊浩次の二人が松山にふらりとやって来た。榊原の厭がらせは激しく、その手始めとして、乾分の辰、由公に命じて瀬川運送のトラックを襲わせた。忠夫と玲子が痛めつけられようとした時、浩次が現われて彼らを追払った。手ぬるい榊原のやり口に大黒田が松山にやって来た。あわてた榊原は祭日の晩の騒ぎを利用して瀬川運送のトラック全部に時限爆弾をしかけた。あまりにもあこぎな榊原のやり口に腹を立てた十字架の政は、その計画と黒幕の名を浩次に教えた。浩次の働きで運転手達は逃れることができたが、トラックは爆発してしまう。そんなことを知らない瀬川はホテルに大田黒を訪ね融資を頼みこんでいた。大田黒は三千万の融資を引きうけながら言葉巧みに瀬川を地下の賭博に誘った。大田黒の口車に乗せられて三千万円を失なおうとした時浩次が飛び込んできてこの場を救った。大田黒は浩次を消せと命令した。そして浩次を政が消した時に、政を殺すよう由公に命じた。そのことを知った政は浩次と手を握った。そんな時に丸善石油から瀬川運送に三千万円の融資が下りた。それを知った大田黒は、忠夫と玲子を誘拐、「この譲渡書に判さえ押してくれれば二人は返す」と瀬川に通告した。その時、浩次と政が飛び込んできた。乱戦に榊原一味は倒れていった。大田黒は逮捕され、榊原は政に倒された。「正しい者は必ず勝つ。お嬢さん頑張るんだよ」と言って浩次は消えていった。