青春残酷物語

解説

女子高生の真琴と陽子。街へ遊びに繰り出した帰りはいつも車を持つ男たちを誘い、家まで送らせていた。しかし、ある日、真琴は外車に乗る中年男にホテルへ連れ込まれそうになる。そこへ大学生の清が現われ、中年男を殴り倒し真琴を助けるが、二人の出会いはやがて破滅へと導かれる……。激しいラブシーン、即物的な描写などの衝撃が、松竹ヌーヴェル・ヴァーグという言葉を生み、興行的にも大ヒットした大島渚監督の長編第2作。

1960年製作/96分/日本

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映画レビュー

4.0リンゴをかじると血が出ませんか?

2022年11月9日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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kossy

3.0格差社会の中、若者達が再び無軌道・無法的行動に走り出さないかとの心配が…

2022年9月16日
スマートフォンから投稿

今年、
「戦場のメリークリスマス」を再鑑賞した時、
欧米文化の精神的優位性を謳いながらも、
特に上映妨害を受けたとは聞いていない
この作品の大島渚監督が存命だったら、
永久に不可能と思われる
日本版「南京事件」を否定論者に抗して
製作出来たのではなかったろうか、
との思いに至っていた。
そんな関連もあり、
ほとんど未鑑賞だった彼の若い頃の作品を
観ようと思っていたところ、
たまたま近くの図書館にDVDがあったので
この作品を初鑑賞した。

この物語では、金、金、金、なんでも金、
ある意味お金が動力源が如く、
全ての登場人物は行動する。
大島渚は、多分にこの風潮は、
当時の国民意識から逸脱した60年安保条約や
その後の所得倍増政策と無縁ではないと
語っているのだと思った。

登場人物は社会正義や社会秩序に
抗うかのように、また、若さの発露の如く、
お金を原動力にして
無軌道だったり本能の導くままに行動する。

この作品の登場人物の台詞を借りると
「青春を燃やさな過ぎた」
人種の私としては、
己の青春に対する若干の後悔と共に、
しかし、なかなか理解の及ばない青春群像
を見せつけられた気分だった。

しかし、その発露の道具として
この作品で扱われた“金”については、
私が社会人になった頃に比較して
中間所得層が激減して
格差社会化している現状の中で、
社会への抗いの象徴として
再び若者達が無軌道・無法的行動に
走り出さないかとの心配心も浮かんだ。

「戦メリ」以前の大島作品としては
「少年」「儀式」位しか観た記憶がないので、
この先、もう少し大島渚の世界を浸りたい
と思っているが、
結果、どんな彼の総評に繋がっていくか
楽しみになってきている。

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KENZO一級建築士事務所

2.5大島渚の二作目

2022年4月24日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

生意気な女子高生(桑野みゆき)は夜遊びで危ないところを、大学生(川津祐介)に助けられ、恋に落ちる。
美人局を繰り返し、危ない橋を渡り、破滅的な人生となる。
ニュースを見ていると、今でも同じような事件が続いているようだ。

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いやよセブン

4.0川津祐介さんを偲んで

2022年4月3日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

知的

初鑑賞

監督と脚本は『愛のコリーダ』『戦場のメリークリスマス』『御法度』の大島渚

一応青春映画
タイトルに残酷がついているがグロ映像はない
少年誌や女子向け漫画雑誌のような恋愛はない
ヒロインに浜辺美波が抜擢されるような内容ではない

ヌーヴェルヴァーグとは奔放と反権威らしい
大杉栄みないなものか

インテリだからと言って残念ながら模範的なわけではない
少し古いがスーパーフリーの早大生がいい例だ

自分が鈍感なのかもしれないが石川達三の戦後の小説のような過ぎた自由を謳歌する若者に警鐘を鳴らすようなメッセージ性は感じられなかった

自己中な大学生の男と大人の階段を上る途中で転げ落ちた女子高生の出会いと別れ
そして悲劇的な最期
送り狼で女子高生をホテルに無理矢連れ込もうとする中年男を懲らしめる主人公
それに味をしめたのか女子高生を利用し美人局でいやらしい中年男たちからカネをまきあげる主人公
女子高生の方は大学生の方が好きで共に犯罪に手を染めていくのだが男の方はわりと冷たい
独占欲はあるようだがぜんぜん優しくないしビンタなんて当たり前

おじさんも男だし女子高生はどうかと思うが若い女とセックスしたいのは当然である
あのくらいの強引さがないと少子化対策にならないだろう
ただ願わくば股間で障子紙に穴を開けるような文学性は欲しいところ

事前情報はほとんど読まず本編も聞き漏らしたのかもしれないが女子高生という設定だったんだね
制服姿はなく全て私服なので彼女も大学生かと思った

女子高生は泳げないらしいが不恰好だが一応泳げていてとてもいまにも溺れそうな雰囲気は感じられなかった
そこはちょっと残念だった

大好きな男の子を宿しウキウキだったのに歓迎されず堕すことになり良心的?な値段で闇医者に掻爬手術を受け涙を流しながら病院のベットで横になるヒロイン
それを座って見つめる大学生
その背後で姿はないが闇医者とその元カノで女子高生の姉のおしゃべり
そして林檎をムシャムシャと齧り頬張る大学生
この一連のシーンが好き

なんてことない話だが映像にチカラがある

台詞がほぼ棒読みに感じなくもない
聞くに耐えられないほど酷くはない
そういう演出なんだろう
いまと時代が違うし東京の若者はこういう喋り方をしていたのかもしれない

60年代の安保闘争の時代
監督も左翼らしいが左翼運動を否定しているわけではない
若い男女が置かれた時代を切り取った緊迫感と虚無感が作品を彩る
そう感じた
日本の『俺たちに明日はない』みたいな映画だが銃社会じゃないのでラストはあれほど派手じゃない

主人公の大学生藤井清に川津祐介
ヒロインの女子高生新庄真琴に桑野みゆき
真琴の姉新庄由紀に久我美子
闇医者の秋本透に渡辺文雄
ヤケザもんの松木明に佐藤慶
取調べの刑事に佐野浅夫

昨今の週刊文春も一種の美人局じゃないかと勘ぐりたくなる
自称ジャーナリスト伊藤詩織のように正々堂々と法廷に立つべきだが宮澤賢治の雨にも負けずに共感したのだろうか墜ちた出版社にタレ込む方法を選んだ
いい歳して必死で強引なエロオヤジを擁護する気はないが報道のせいで楽しみにしていた映画を観れなくなるのは残酷な話
週刊誌の馬鹿ライターは儲かるし加害者はセミリタイヤにはいい機会だし被害者は胸のすく思いだろうしヤフコメ民は新しいおもちゃが見つかって気分がいいだろう
だが映画ファンにとっては逆恨みもしたくなるし只々迷惑な話
今更責任とっても遅いし三流雑誌の飯の種にならないよう責任ある行動を映画関係者に強く求めたい

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野川新栄
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