トラック野郎 天下御免

劇場公開日:

解説

このシリーズ四作目で、今回は、由美かおるをマドンナ役に、山陽・四国を舞台にドラマは展開される。脚本は「お祭り野郎 魚河岸の兄弟分」の鈴木則文と、「男組 少年刑務所」の中島信昭、監督は「トラック野郎 望郷一番星」の鈴木則文、撮影は「武闘拳 猛虎激殺!」の仲沢半次郎がそれぞれ担当。

1976年製作/105分/日本
配給:東映
劇場公開日:1976年12月25日

ストーリー

みかんとハマチの運送で四国に渡った一番星の桃次郎とやもめのジョナサンは、八十八カ所巡りの、とある御礼所で巡礼姿の清楚な女性・我妻和歌子と知り合う。美術大学卒でデザイナー志望の和歌子に二人はすっかりのぼせあがる。そんな和歌子は倉敷の花莚の美しさに魅せられ、ドライブイン“風車”でアルバイトをしながら花莚のデザインを勉強することになったことから大騒動がもちあがる。桃次郎はドライブインに入りびたり。ラブレター、プレゼントと大攻勢。一方、ジョナサンは、和歌子と一緒に撮った写真が原因で君江と離婚ざたにまで発展。そんな時、ワッパ仲間から幻の車と恐れられている宇和島の“愛のコリーダ”号こと須田勘太が桃次郎に挑戦してきた。それぞれ自慢のデコレーションを賭けて、一番星とコリーダの凄まじいデッドヒートが展開した。しかし、レース途中で、桃次郎は一番星号に飛び込んで来た臨月近い妊婦・坂口千津を救った。千津は無事、一番星の運転席で女の子を出産する。桃次郎は名付け親まで買ってでる始末。千津は桃次郎の世話で、“風車”で働くことになった。和歌子は勝負に負けた一番星号に自慢の絵筆をふるった。有頂天の桃次郎はますます和歌子に熱をあげた。歳の瀬を迎え、ドライブイン“風車”に活気が溢れてきた時、和歌子のもとに悲しい知らせが届いた。父の死後、みかん山を一人で経営してきた母親が病気で倒れ、借金三百万円をかかえてしまったのだ。和歌子は、その借金返済のため、松山に帰り、不本意な嫁入りを覚悟する。事情を聞いた桃次郎の男気が爆発した。桃次郎は全財産を投じて、宇和島名物の“闘牛場”へ行き、須田勘太の持つ牛の勘太山に賭け、予想をひるがえして、見事、桃次郎が勝った。賞金を掴んだ桃次郎は勇躍和歌子に会いに行ったが、彼女には一緒に染色仕事をしている恋人がいることを知った。その時、千津の夫・坂口が、交通事故で入院したという連絡があった。桃次郎は千津に三百万円を夫の治療費として手渡し、子供のためにも復縁するように、と告げると、自分は坂口の替りに、荷を届けるべく、トラックを飛ばすのだった。

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スタッフ・キャスト

監督
脚本
鈴木則文
中島信昭
企画
天尾完次
高村賢治
撮影
仲沢半次郎
美術
桑名忠之
音楽
木下忠司
録音
広上益弘
照明
梅谷茂
編集
鈴木宏始
進行主任
東和杜
助監督
深町秀煕
スチル
加藤光男
本社宣伝
佐々木嗣郎
宣伝
佐藤文男
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映画レビュー

4.0【男女トラック野郎の心意気と、家族の絆を描いた作品。そして、トラック野郎シリーズと寅さんシリーズとの違いを少し考えるの巻。】

2024年10月9日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

興奮

幸せ

■四国にやって来た桃次郎(菅原文太)とジョナサン(愛川欽也)は、途中で四国八十八ヶ所巡礼中の我妻和歌子(由美かおる)と出会う。
 桃次郎は彼女の美しさにいつものように一目ぼれする。
 ちょうどその頃、トラック仲間から恐れられている「コリーダ」こと須田勘太(杉浦直樹)が現れ、桃次郎に運転勝負を挑む。

◆感想<寅さんシリーズとの相似、違いを考える>

・桃次郎は人情に厚く、惚れっぽい。寅さんとおんなじである。但し、桃次郎はちょっとお下品な所(下ネタが多い)が、ご愛敬である。
 で、必ず振られる。今作でも和歌子には想い人がいて、桃次郎は潔く身を引く。
 ココも、寅さんと同じである。

・更に、トラック野郎シリーズは当時人気だった人(今作では、マッハ文朱:良く知らなかったのだが、女子プロの人気レスラーだったそうである。)を登場させるが、ここも寅さんシリーズと似ているよね。

・桃次郎はトラック野郎なので、描かれる場所が目まぐるしく変わる。今作では四国から松山、鳥取の境、そして京都。
 ここは、乗り物嫌いの寅さんとは違うよね。

・又、ジョナサンが請われて、三女のサヤ子を知り合いのドライブインの子の無い夫婦に養女に出すが、サヤ子の実親を想う気持ちが沁みるし、最後再び大家族に戻るシーンも良かったな。家族は、いつも一緒でないとね。

・大体、序盤で桃次郎のライバルみたいな男が現れる。今作では「コリーダ」こと須田勘太である。それにしても、このシリーズのライバルは大体変なカタカナの異名がある。カムチャッカとか、ボルサリーノとか。クスクス。
 で、この男が最初は桃次郎と相まみえるのだが、後半は彼を助けるのである。
 今作で言えば、「コリーダ」が自分の牛が出場する宇和島の闘牛で、桃次郎を儲けさせる所。

・そして、再後半の見所として、桃次郎は常識的では到底無理な時間で、漢気を見せて、荷を運ぶのである。
 今作で言えば、桃次郎のトラックに接触し、弾みで女の子桃子を産んだ千津(松原智恵子)とイロイロと訳が有って別れていた気の良いトラック野郎の彼女の夫、ボロ松が事故を起こし運べなくなった荷を桃次郎と、千津はトンデモナイ崖の道を通りながら、鳥取の境港から京都の中央卸売場までトラックをブッ飛ばすのである。
 ハラハラドキドキする中、桃次郎は無事に時間通りに荷を届け、且つ再会した千津と入院していたボロ松を見舞った後に、闘牛で儲けた大金をさり気無く病室に置いて去るのである。桃次郎、良い漢だなあ。
 この頃は、高速道路が発達していなかったために、”超裏道”(前作では、吊り橋だった。)を通るシーンが、スリリングだし裏道を如何に知っているかが、トラック野郎のステイタスだったのだろうな。

<トラック野郎シリーズを第四作まで観て来たが、今作でトラック野郎シリーズの骨格が出来上がったのではないかと思う。
 桃次郎と言うキャラクターも、とても魅力的であり、私は好きである。何回も書いているが、アノ菅原文太さんが、美女を前にすると”俺”から”ボク”に口調が変わるシーンは特に好きだな。
 寅さんとは基本的に似てはいるが、今作は桃次郎と言う情に厚い男のキャラクターが確立した作品だと思うな。
 これからも、この面白いシリーズを少しづつ観て行こうと思ったよ。ヤッパリ、人気の有ったシリーズは、その理由がキチンとあるんだよね。>

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NOBU

3.0由美

2016年5月27日
iPhoneアプリから投稿

かおる。寺院のトイレで用を足した後の女子大生にパツイチヤらせてくれとせがむ一番星の男気。

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pigeyes

3.0鈴木則文監督の良い意味でのいい加減さが全開

2015年4月9日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

単純

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松井の天井直撃ホームラン

3.5元気が出る

2015年1月14日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:TV地上波

楽しい

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吉泉知彦