時の輝き

劇場公開日:

解説

看護婦志望の少女と不治の病に犯された少年のひと夏の愛の物語。監督はこれがデビュー作となる朝原雄三。原作はティーンエイジャーの女の子を中心に絶大な人気を得ている折原みとの同名小説で、脚色は朝原と山田洋次の共同。撮影は「雷電(1994)」の長沼六男。主演にアイドル歌手・高橋由美子とテレビ・ドラマ 『ひとつ屋根の下』の山本耕史。本篇のラストに原作者・折原みとと主演二人のメッセージ・フィルムが上映された。

1995年製作/99分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1995年3月18日

ストーリー

神崎由花は看護婦を志す高校生。看護実習で病院に来ていた彼女は、そこで偶然に、告白出来ないまま終わっていた初恋の人・シュンチに出会った。実習がキツい由花と入院生活が退屈で仕方のないシュンチは、すぐに中学時代の友人として仲良くなり、時は瞬く間に過ぎて行く。由花の実習期間の最終日、彼女はついにその思いを告白しようとしていたが、同じ思いを抱いていたシュンチに先を越されて告白されてしまう。夢が叶って恋人同士となった二人は、これまでにない楽しい夏休みを過ごした。しかし、そんな夏休みのある日、由花は一方的にシュンチから電話で別れ話を切り出された。シュンチはクラブの陸上競技に専念したいと言っていたが、二学期が始まって由花が久し振りに病院を訪れた時、彼女は顔見知りの看護婦からシュンチが再入院していることを聞かされる。シュンチは悪性の骨肉腫を患い、すでにそれは他の部位に転移して助かる見込みはないということだった。シュンチを見舞った由花は、卑屈になっていたシュンチに二度と来ないでくれと言われて気を落とす。そんな由花の姿を見て、親友の恭子は彼女を励ますのだった。由花は両親にも内緒でシュンチの看病をすることを決意し、昼は学校、その後は病院というハードスケジュールをこなしていく。だが、シュンチの命も残りわずかとなった冬のある日、由花と二人で散歩に出たシュンチは、陸上部の練習を見ているうち、最後のハイジャンに挑戦するのであった。三学期が始まって間もなく、シュンチの訃報が由花に届いた。安らかな寝顔のシュンチに、由花は彼の生命を受け継ぐように口づけをする。少し逞しくなった彼女は看護婦を目指して元の生活へ戻っていくのであった。

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映画レビュー

3.0難病映画の枠から脱皮しきれない青春ものながら主演の高橋・山本の好演が光る

2021年1月31日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

原作は折原みとの同名ベストセラー小説。脚本は朝倉雄三監督と山田洋次共作の、題材は単なる難病ものの”お涙頂戴映画”だが、主人公の少女の成長過程を青春の1ページした繊細さがある。但し、病院内の医師と看護師や家族の描き方が、ありきたりの教育映画のままなのはどうしたことか。役者も揃っているのに、もっと新味の切り口に挑戦しても良いと思うのだが。若い高橋由美子と山本耕史が共に好演しているのが救いの松竹映画である。

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Gustav

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