道頓堀川

劇場公開日:

解説

道頓堀川に面した喫茶店を舞台に、父と子、男と女、そしてさまざまな形の青春を描く。「泥の河」に続く宮本輝の同名小説の映画化。脚本は「魔界転生」の野上龍雄と深作欣二、監督も深作欣二、撮影は「真夜中の招待状」の川又昂がそれぞれ担当。

1982年製作/130分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1982年6月12日

ストーリー

邦彦がまち子に会ったのは、母の納骨の日の早朝だった。彼が大黒橋の上で道頓堀の絵を書いている時に、足の悪い犬を追ってきた彼女と会ったのだ。邦彦は道頓堀川に面した喫茶店「リバー」の二階に住み込み昼は美術学校に通い、夕方からは店で働いていた。「リバー」のマスター武内の一人息子・政夫は邦彦の高校時代の同級生であり、日本一の玉突きの名人になるといい武内と衝突、家を出ていた。武内は納骨を済ませたその日、精進おとしだといって、邦彦を行きつけの小料理屋「梅の木」に連れていった。邦彦はそこでまち子に再会した。彼女は店のママで、もとは芸者だが今は不動産業を営む田村がパトロンだった。その日から邦彦はカンバスにまち子と足の悪い犬の絵を書くようになった。しばらくして犬がいなくなり、邦彦とまち子は道頓堀川筋を探したが見つからなかった。そのお礼にとまち子は邦彦を夕食に誘い、その夜「梅の木」の二階で二人は結ばれた。ビリヤードで次々と勝っていた政夫は試合に必要な金を作るために、まち子にたのんだ。邦彦が学資を払うために高利の金を借り、返済に困っているとまち子をだましたのだった。政夫の裏切りを知った邦彦は「リバー」に置き手紙を残して店を出た。息子の不始末を知った武内は政夫を探して、千日前のビリヤード「紅白」を訪れ、そこの女王人ユキから政夫が東京まで勝負に出かけたこと、そして、ユキがかつてビリヤードしていた武内にどうしても勝てなかった玉田という老人の孫娘であることを知らされる。武内は息子と未来を賭けて勝負しようと思い「紅白」で特訓を始めた。その頃まち子はパトロンと別れアパートを借り、邦彦と生活しようと邦彦を探し、口説いた。邦彦が学校を卒業するまでの二年間だけでいいから一緒にいたいというまち子に、邦彦は大きくうなずいた。「紅白」では東京から勝負に負けて帰った政夫と武内の試合が始まった。試合中に武内は政夫が幼ない頃、ビリヤードのために妻の体を他の男に売り、金を作ったことを告白した。父と子の争いを見ていられなくなった邦彦は外へ出ると、「リバー」の常連のかおるが、幇間の石塚に包丁を振りかざしているのを見る。それを止めようと二人の間に入るが一つきに刺されてしまう。帰りの遅い邦彦を待ちながらまち子は窓の外を見ると、いなくなったあの犬がエサを漁っていた。犬を抱き上げ頬ずりするまち子の後を、赤く点滅させたパトカーが、道頓堀の方向へ消えていった。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第6回 日本アカデミー賞(1983年)

受賞

監督賞 深作欣二
主演女優賞 松坂慶子

ノミネート

助演男優賞 柄本明
助演女優賞 加賀まりこ
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映画レビュー

3.0昭和の映画らしい

2023年11月15日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

興奮

萌える

主人公(真田広之)は画学生、小料理屋の女将(松坂慶子)と出会い、恋に落ちる。 主人公の友人(佐藤浩市)は腕のいいハスラーだったが、人を騙す名人でもあった。 友人の父親(山崎努)は昔は一流のハスラーだったが、足を洗っていた。 過去を知る女(加賀まりこ)が現れ、息子の足を洗わせるため、猛特訓を始める。 裸のサービスショットが多いのと、ラストはいかにも昭和、ってな感じ。

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いやよセブン

4.0松坂慶子が美しく、丁寧に撮られていて、これが深作欣二監督かと驚くほどです

2022年1月15日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

大阪にはキタとミナミの二大繁華街があります キタは大阪駅の周辺で東京なら銀座や日比谷のイメージ、ミナミは難波駅の周辺で新宿のイメージです キタはよそ行きの建て前の顔なら、ミナミは普段着の本音の顔をしています そのミナミのど真ん中を川が東西に流れています それが道頓堀川です 掘と地名につくように、人間の掘ったもので江戸時代や明治の頃までは運河として水運に使わていました 今はただの川としか受け止められていません 道頓堀とだけいえば、その川に沿っていろいろな店が無数に立て込んでいる界隈を指します その川だけを指す時だけ、道頓堀川といいます 今から丁度40年前の道頓堀や、桜ノ宮のホテル街などの大阪の光景が沢山写ります 道頓堀川も鏡のような川面、両脇の高い雑多なビル、無数のネオンは基本今もかわりません 全国的に有名なグリコのネオン看板もここにあります つまり大阪のど真ん中 へそのようなところです そこに集まる人間模様も強烈で濃密なものになるのは当然です 道頓堀川の水面は鏡のようでも泥水です 川底にはヘドロもゴミもあって見えないだけなのです 道頓堀川はそんな人達の喜怒哀楽を眺めて今日も流れています 深作欣二監督がなぜに松竹で女性を映画撮っているのでしょうか? そんな疑問符が浮かびます 松竹が深作欣二監督を招聘して何か撮りたいという話が本作の振り出しだったそうです 何を撮るかなかなか決まらないうちに、青春の門で深作欣二監督は松坂慶子に惚れ込み、彼女をまた撮りたいとまずそれが決まったそうです そこに本作の脚本がタイミングよくわまってきて、これで行こうということになったのが、アクション映画でない女性との恋愛がメインとなる映画を深作欣二監督がとることになった経緯です つまり松坂慶子ありきの映画と言うわけです お話は松坂慶子を道頓堀川にみたたて、その両脇に様々な登場人物のストーリーが配置されています 終盤のハスラー親子対決はなかなかの名シーンですが、あくまでも松坂慶子が主演です 出番が真田広之、佐藤浩市、山崎努よりも少なくてもです 松坂慶子が美しく、丁寧に撮られていて、これが深作欣二監督かと驚くほどです ただラストシーンはやはり深作欣二監督らしい終わり方でした 監督はハッピーエンドが許せなかったのでしょう 一人だけ幸せになって道頓堀を抜け出して、確かな人生を歩みだそうという青年の背中でエンドマークなんて有り得ないと思えたのでしょう いちぬけたなんて許せなかったのだと思います クライマックスは相合橋辺りの道頓堀で、夜間に本当にロケをして撮影されています 道頓堀の中でも特にごった返している辺りです 東京なら歌舞伎町の風林会館の前辺りで、夜間にロケしたようなものですからどれほど凄いことかおわかりいただけると思います ブラックレインとならぶ道頓堀での夜間撮影の偉業です コロナ禍で道頓堀にも遊びにいけません 道頓堀のグリコのネオンサインの足元辺りにある馴染みのバーにとても行きたくなりました 本作撮影当時よりも以前から営業しているそうです 今は二代目のマスターが跡を継いでいます 通い始めてまだ10年ほどですが、いろんな人と出逢いました 道頓堀は大阪でも、選りすぐりの濃い人間が集まるところなのです そのバーは、本作の喫茶店リバーのように窓から道頓堀川が見えます 道頓堀川に反射するネオンは綺麗ですよ 水の下に何が沈んでいるのか 水がどれほど汚れているのかそんなものは見えないのです 美しく見とれてしまうと思います

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あき240

4.0山崎さんの艶!!!

2020年6月11日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

萌える

お年を召した山崎さんのファン。この頃も青年の父親役なので決して若くはないのだけれど、私が普段見慣れている山崎さんよりもっと若くて(当たり前だ)、ほれなおしてしまいました。いい男は若い時も、年の重ね方もすてき!!! 大阪。行ったことがない頃に初鑑賞。大阪の街を、この映画や大阪を舞台にした歌で想像して、憧れたなあ。 基本は、真田さん演じる青年と、その恋人を巡る物語。 アクション俳優としての売り方が多かった真田さんの初めてのアクションなしの映画で、新人賞かなんかとったんじゃなかったっけ? 賞をとったというのもうなづけるほど、この映画以前の役と違って、繊細で孤独な青年を演じている。 でも、もう一つの筋の山崎・佐藤浩市親子を巡る物語が半端なく、派手で緊迫感があるから、印象がそっちにもってかれてしまう。 正直、佐藤さんはまだ演技もへたで喚き散らすだけなんだけどね。やっぱり山崎さんがビシッと締めて下さるからなあ。 不評のラストはうろ覚え。なんだかなあと思ったような記憶が。(公開時に鑑賞) 原作未読。

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とみいじょん

1.0最後まで観てしまった

2019年3月27日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

何だったんだろう。突然な裸。不自然な大阪弁。とってつけたようなエピソード。ある意味、衝撃のラスト。 ただし、山崎努は渋さ抜群だった。 最後まで観たのはそのおかげかな。

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まこべえ