東京流れ者

ALLTIME BEST

劇場公開日:

解説

鬼才・鈴木清順監督が日活時代の1966年にメガホンをとり、デビュー2年目の渡哲也を主演に迎えて撮りあげた異色のヤクザ映画。

「不死鳥の哲」こと本堂哲也は、ヤクザから足を洗って恋人の歌手・千春と結婚することを決意する。敵対する大塚組に襲われても決してやり返さずにいたが、哲のボス・倉田と大塚の抗争は次第に激化し、大塚が雇った殺し屋「マムシの辰」が執拗に哲を追い回す。争いを避けて日本各地を転々とする哲だったが、行く先々でトラブルに巻き込まれてしまう。やがて恋人・千春の身に危険が及んだことから、ついに怒りを爆発させた哲はネオン輝く東京の夜へと舞い戻る。

恋人・千春を松原智恵子が演じ、二谷英明、川地民夫が共演。「清順美学」と呼ばれる斬新な映像美で日本のみならず海外からの評価も高く、デイミアン・チャゼル監督が「ラ・ラ・ランド」で本作にオマージュを捧げたことでも知られる。2024年には4Kデジタル復元版が公開。

1966年製作/82分/日本
配給:日活
劇場公開日:2024年9月27日

その他の公開日:1966年4月10日(日本初公開)

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

フォトギャラリー

  • 画像1
  • 画像2
  • 画像3
  • 画像4
  • 画像5
  • 画像6

(C)1966 日活株式会社

映画レビュー

2.5解散したヤクザの倉田組。 「不死鳥の哲」の異名をとる男(渡哲也)は...

2024年10月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 0件)
りゃんひさ

4.5アクションエンタメと清順らしさ

2024年10月5日
iPhoneアプリから投稿

鈴木清順監督の1966年公開された作品のデジタル復元版 ビデオレンタルでは観ていたけどアナログだとボケて見えない部分があったりしたので復元版を劇場で観れてよかった。 日活らしいアクションエンタメと清順らしいケレン味あるセット然とした画面がカッコいい。 いがい主題歌を何回も劇中で歌う渡哲也はかっこよすぎてちょっと演歌の花道のようで笑った 鈴木清順の作品が劇場で観れるのはうれしい。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
サート

4.0ヤクザもんでも色彩豊かな鈴木清順ワールド全開🍀

2024年10月2日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

先日初めて観て大好きになったアート系ヤクザ映画の4Kデジリマと聞けば行くしかない!!! ありがとうBunkamuraさん!!! 冒頭のモノクロシーンでは登場人物たちのお顔が識別できないほどに全員顔が真っ黒だったため、「ん?リマスター化に失敗したの??」と不安になるところから始まったけど、カラーになってからは問題ナシ✨ やっぱり好きだーこの映画💜 『死んだのか?』 『死んだよ』 撃たれたのに横たわったまんまの“東京流れ者(口笛バージョン)”は笑わせるためにやってるとしか思えません!!😂😂😂

コメントする (0件)
共感した! 0件)
らまんば

4.0矛盾も違和感も吹っ飛ばす映画的快感

2023年8月11日
iPhoneアプリから投稿

ディミアン・チャゼルが『ラ・ラ・ランド』にて密かなオマージュを捧げていたことでも有名な鈴木清順のヤクザ映画。いくら巷間で楽曲のタイアップ映画が流行っていたとはいえ鈴木清順にメガホンを取らせる冒険ぶりには当惑せざるを得ない(大島渚の『帰ってきたヨッパライ』もなかなかのものだったが…)。

60年代後半から70年代初頭にかけての「任侠」から「実録」へとヤクザ映画の重心が移行しつつあった頃にありがちな、人情とリアリズムを往還するような物語には既視感しかないが、色彩やオブジェクトの配置、セリフの行間といった技巧の点に関しては唯一無二のヤクザ映画と評せる。饒舌な長回しからスピード感のあるマッチカットまでなんでもこなす器用さにも毎度ながら恐れ入る。

終盤、軟禁された歌手の千春を助けに来た青年がヤクザに銃を当てられ、ピアノの上に座らされたかと思いきや次のカットでは青年が盤に指を置きメロディを奏で始める一連のシークエンスには仰天した。物語や行為としての矛盾や違和感を、それを上回る映画的快感で上塗りしてしまう映像の力強さ。 それと、東北の真っ白な雪原を駆けずり回る水色ジャケットの渡哲也。単に色彩がバチバチしているだけの映画であれば昨今でもままみられるが、本作ではそれらが周囲の空白や人物との間に必然性のある緊張関係を取り結んでいる。色彩の不在がそのまま画面の死となるのではないかと思わせるギリギリの画。それでいて及び腰な感じは全くしないので、こちらとしてもいけ好かない60年代のブルジョア大学生的スノビズムを警戒せずに陶酔できるというもの。 そう、鈴木清順って意外と気楽に見られるのがいいんすよね。割と身体的な部分で映画を撮ってて、なおかつそれが高水準で成功している。矛盾した言い方にはなるが、「衒いのない衒い」を実現できている。そんなのはやろうと思ってもできることじゃないからすごい。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
因果