天使のわけまえ

劇場公開日:

解説

小説『ピアニシモ』ですばる文学賞を受賞して以来、作家としても活躍中のミュージシャン・辻仁成の初監督作品。主演は実生活でも辻とパートナー宣言をした南果歩で、自らエグゼクティブ・プロデューサーもつとめている。共演に「裸足のピクニック」の寺十吾ほか、奥村公延、石橋蓮司、田口トモロヲらが脇を固める。

1995年製作/日本
配給:JTコミュニケーションズ
劇場公開日:1995年6月10日

ストーリー

自分たちを天使だと思い込んでいる変わった二人組、ミンコとヒロトは不幸な人々を救うべく、クリスマスの日にビルの屋上から“天使の派遣”というファッションマッサージのチラシをばらまく。チラシは風にあおられ、都市の中へと落ちていった。最初の客は毎日高速道路を眺めながら暗い抽象画を描き続ける孤独な画学生で、玩具のマシンガンを取り出し、「こっぱみじんにしてやりたい」と日常の不満をミンコにぶつける。二番目の客は記憶喪失の詩人とその妻で、彼らはミンコの裸体で失われた詩人の過去を取り戻そうと試み、記憶は次第に蘇っていった。三番目の客は男と別れたばかりの女流詩人で、ヒロトも呼び出され、三人でのクリスマスパーティとなる。彼女の家では「あなたたちが思っているほど、世界中の人々は不幸ではないのよ」と逆にたしなめられてしまう。四番目の客は狂った謎の男で、彼は亡くなった妻の遺体と共に暮らしていた。幸福な日々を思い出すためにとダンスの相手を求められ、それに応じるミンコだったが、狂気漂う男の視線に無邪気な彼女も恐怖の色を隠しきれなかった。こうして、一晩で様々な人々と出会ったミンコとヒロトは夜の闇の中、車を走らせる。冬の海にたどり着いた二人は明け方の浜辺でひとしきりはしゃぐのだった。帰ろうとする二人の乗った車に、一人の男がすれ違いざま「神の御加護がありますように」と静かに呟いた。

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