でべそ
劇場公開日:1996年2月10日
解説
ストリップに命を賭けた太夫元と一座の心と体の交流を描いたドラマ。原作は95年12月31日に25年の歴史を閉じたストリップ劇場の老舗・道頓堀劇場の支配人・矢部浩祐が自らの半生をつづった『俺の道頓堀劇場物語』。監督は「新・悲しきヒットマン」の望月六郎。脚本を「紅蓮華」の佐伯俊道、撮影を「汚い奴」の石井浩一が担当している。主演は「82分署」の片岡鶴太郎と「天使のはらわた 赤い閃光」の川上麻衣子。R指定。
1996年製作/103分/R/日本
配給:ビジョンスギモト=マクザム
劇場公開日:1996年2月10日
ストーリー
昭和35年・夏、九州・小倉。月原組の親分を討ち損ねた鉄砲玉の浩太は、兄貴分である島津のお陰で2年の刑期を済ませた後、ストリップの元締めである九州座の太夫元の職に就いた。初めは、女の裸でメシを食うことに抵抗を感じていた浩太だったが、自分の気持ちに正直に生きるストリッパーや芸人たちと巡業を続けるうち、次第に彼らの人間としての魅力にひきつけられるようになっていた。やがて、浩太は一座の花形女優・マヤと結ばれる。一座の面々も浩太になつき始め、本来ならご法度である桃子とベサメムーチョの芸人同士の結婚を浩太が認めたことで、彼らはより強い絆を感じるようになった。しかし、彼らとの仲を深めれば深めていくだけ、浩太は自分の度量のなさに嫌気がさしてくるばかりだった。浩太は一座の解散を提案するが、一座の面々は浩太と運命を共にすると言う。彼らは九州座から離脱することを決意して、新たに“硬太座”を旗揚げした。浩太の裏切りを知った九州座は、信州へ逃げた浩太たちを追いかけるが、彼らはなんとか追っ手を振り払い、さらに北海道へと逃亡する。北の地で興行を始めた“硬太座”は、金髪ショウなどの新しい出し物で成功を収め、マヤの天狗オナニー・ショウが特に話題を呼んでいた。しかし、上京してストリップで身を立てようと考えた浩太は、突然マヤとともに一座を抜けて東京へ行くと告げた。これからという時に中心人物を欠くことになった一座の面々だったが、ベサメムーチョを2代目の太夫元にして、快くふたりを送り出してやることに決め、それぞれの門出を祝って野球に興じた。