太陽を抱け
劇場公開日:1960年6月15日
解説
赤坂長義・蓮池義雄・京中太郎の共同脚本を、「勝利と敗北」の井上梅次が監督した青春喜劇。「第三波止場の決闘」の岡崎宏三が撮影した。パースペクタ立体音響。
1960年製作/101分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1960年6月15日
ストーリー
チューリップ座は解散するハメになった。お別れ公演を終えた一同は、踊子真理の姉・節子の案内でバーに出かけた。そこで、オリオン・レコード文芸課長の中原と知り合った。痛飲した彼は、就職などはまかしておけと胸をたたいた。演出・作曲家の森山とドラムの塚本はご機嫌だった。翌朝寝坊した二人は、強引に自家用車を停めて中年紳士に頼みこみ、それに乗ってオリオン・レコードへ急行した。が、中原はバンドマンの採用は作曲家兼バンドマスター椎名の権限で決まると無責任な態度だった。ようやく、テストだけは受けられることになった。高級車に乗せてくれた紳士が現われた。津村社長だったのだ。今朝の精神はよろしいと、彼らは採用された。森山と塚本の他に、歌手志望の千香子、サックスの千葉らが採用された。「オリオン・スターズ」が編成された。椎名が作曲したモダンな流行歌の譜面を見た森山は、自作の曲のモチーフが歌謡曲調にアレンジされたので怒った。ムシャクシャした森山、千葉、塚本のグループはウサ晴らしに音楽喫茶「ビート」で飛入り演奏した。帰途、椎名に誘惑されて逃げて来た千香子を救った。津村社長はジャズ畑に進出する方針を発表した。森山の新曲“恋の急行列車”を売り出すことに決まった。これには社長令嬢洋子の推薦があった。日本劇場の夏の踊りで“恋の急行列車”が企画され、昔のチューリップ座連中の応援を頼み、森山の指揮で幕を開けたこのショーは成功した。千葉は洋子が好きだったが失恋し、今度は千香子の美しさにひかれ、強引にプロポーズして承諾させた。これをみた森山は洋子の家を訪ね、いきなり接吻したが、平手打ちをくった。“恋の急行列車”のヒットに治まらない椎名らは、太平洋電器の関口と結托し、オリオンを吸収合併する計画をたてた。創立十周年祝賀会の酒宴で、中原は熱弁をふるい陰謀を暴露した。津村社長は、太平洋電器の社長と腹をわって相談し、対等の条件で出資を請った。関西に転勤させられそうになった中原も取消しになり、節子と結ばれた。森山と洋子、千葉と干香子が結ばれるのも間近い。