銭のとれる男
劇場公開日:1966年2月26日
解説
「大捜査網」の石松愛弘がオリジナル・シナリオを執筆、「鉄砲犬」の村野鐵太郎が監督したアクションもの。撮影は「牝犬脱走」の小林節雄。
1966年製作/84分/日本
配給:大映
劇場公開日:1966年2月26日
ストーリー
昼は自動車のスピードに命を賭け、夜は音楽のリズムに生甲斐を感じる男・佐川次郎の過去は、決して明るいものではなかった。数年前--、次郎は安アパート暮らしで、音楽家を夢みながら、独学のトランペットを吹きつづけていた。そんな次郎の素質を見込んだのがブルー・フィンガーズのバンド・マスター岡俊介であった。岡の指導は厳しかったが、次郎も負けん気だった。やがて次郎は、トランペット吹きとしては、ピカ一の人気者にのしあがっていった。それと同時に次郎は自動車のスピードに魅せられ、ライダーとしても屈指と言われるほどになっていった。当然、次郎の前には女のファンが群がり集った。中でも、シャンソン歌手の双見陽子は次郎に入れあげていた。そんなある日、日本最高のレース・グランド・チャンピオン決勝の日がやって来た。優勝候補の次郎の乗る車は、最終コーナーで転倒し、ライバルの渋谷信行が優勝した。くさる次郎の生活は荒れた。その次郎の前に、荒木静枝となのるゴージャスな女が現われた。静枝はナイト・クラブ「ブレジデント」の経営者であり、岡のかつての恋人だった女だ。次郎はそのクラブで百万の借金を作った。博打で負けたのだ。こんな日が続いた結果、次郎のトランペットも昔日の音色が消えていた。岡とも喧嘩別れになった。傷心の次郎は東京を離れた。浜松のガソリン・スタンドに寄った次郎は、そこで働く清純な乙女久美子を知った。次郎はそのガソリンスタンドで働くことになった。数カ月過ぎ、次郎は彼本来の明るさを取戻していった。そんな時、久美子がトラックにはねられ、次郎の再起を願って死んでいった。これを契機として次郎は東京に帰った。ブルー・フィンガーズは解散し、岡は場未の安キャバレーでピアノを弾いていた。久しぶりの再会に二人は和解した。しかし岡は静枝から五百万円の借金をしていた。次郎は再びチャンピオン・レースに出場しようと決意した。賞金で岡へ恩返しをしようというのだ。渋谷と次郎の一騎打ちは場内をわかした。が次郎の命を賭けた執念が渋谷を破った--。一月後「銀馬車」で再起したブルー・フィンガーズと次郎の姿があった。