瀬戸はよいとこ花嫁観光船

劇場公開日:

解説

本州と四国を結ぶ、本四連絡架橋の建設再開をひかえた、明石・鳴門を舞台に、色と欲に踊る男女を描く旅行喜劇“よいとこシリーズ”第一作。脚本は監督の瀬川昌治と大川久男、監督は「正義だ!味方だ!全員集合!!」の瀬川昌治、撮影は「やさぐれ刑事」の丸山恵司がそれぞれ担当。

1976年製作/93分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1976年9月4日

ストーリー

ここは本州四国連絡架橋の一つ、明石--鳴門ルートの起点、明石町。パチンコ屋の主人、青木大作は、架橋工事が再開されるという情報をキャッチして、何はさておき、頭を押えられている女房波江にご注進に及んだ。波江は、かねてより橋が出来た日に備えて、淡路島の岩屋に一大リゾートホテルの建設を考えていた。波江は早速、淡路島の旅荘兼釣宿「防人荘」の買収工作を大作に命令した。「防人荘」の主人、山村新一は、明石で進学塾を経営し、「瀬戸内の自然を守る会」のリーダーでもある。独身の新一は、万葉集を愛読し、知的雰囲気と、今どき珍らしい堅物として婦人連の人気の的である。だが、実は毎夜人目を避けてストリップ見物が何よりの大好物。大作と新一は「神戸三宮ミュージック」の常連だが、互いに身分を偽っているので相手の素姓は知らない。二人は、ストリップ帰りに屋台で一杯やった。そこで大作は新一にストリッパーと鷲羽山へ行く計画をもちかけた。その翌日、大作は、瀬戸内海めぐりの観光船「ちどり丸」のオーナー兼船長の義弟高松二郎に「防人荘」主人の調査を押しつけて、新一と鷲羽山へと向った。それから数日後。「防人荘」の買収の件で大作と新一は運命の再会をした。お互いの正体を知った二人はびっくり仰天である。攻める大作。守る新一。しかし新一は、ストリップの件がバレることを極度に怖れるために悪戦苦闘。この新一の恥部のストリップ通いを「瀬戸内の自然を守る会」のメンバーが知るに及んで、新一の信用は急降下した。中でも好意を寄せていた観光船のガイド、ナオミの怒りは格別だった。大作はストリップの件がバレて家を追われ、二郎は大作の買収工作を助けた理由で「瀬戸内の自然を守る会」のメンバーで、恋女房浜子に逃げられ、新一もナオミに冷たくされた。かくして、二郎の家で同居する男三人は意気消沈。さて、この事態を憂慮した大作の娘、光子と恋人の大学生、健二は、大人たちの仲直りを計画した。筋書きは、阿波踊りで賑う鳴門の宿の一室で、偶然大人たちを再会させるというもの。事は台本通り運んだが、これまた偶然にも、ストリッパーたちがやって来たので大混乱になった。女たちは、今度こそ本当に決裂し、宿を飛び出したが、泊る所がない。途方に暮れた彼女たちが見つけたのが、二郎の観光船「ちどり丸」。ところが、この船が予期せぬ突風に煽られて、仲へ沖へと流されて行く。それを知った男どもは、大騒ぎで救援に向い、「ちどり丸」が鳴門の渦に巻き込まれる寸前を救助した。そして、数日後。「ちどり丸」の船上で、新一とナオミの新婚カップル、結婚式をまだあげていなかった大作と波江、二郎と浜子の結婚式が行なわれた。「ちどり丸」は、六人の明るい笑い声を乗せて、瀬戸内海一周のハネムーン航海の途についた。

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