素晴らしい悪女
劇場公開日:1963年2月16日
解説
石原慎太郎原作『明日に船出を』から「僕たちの失敗」の白坂依志夫が脚色、「高校生と女教師 非情の青春」の恩地日出夫が監督した社会ドラマ。撮影は内海正治。
1963年製作/89分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1963年2月16日
ストーリー
ミカは悪いことをしても憎めない不思議な女だ。世の中は何をするにもまずお金。彼女は金だけを信じ懸命にためこんでいる。彼女は三人のパトロンからチャッカリ一千万円も貯めこんでいる。その外友達にプエルトリコのラブリホ、元ボクサーのポパイ・豊田、大男のバブなどがいる。しかし、ミカは人を信じない。自分の自由が失われるからだ。体をまかせ友達になる。ただそれだけだ。大庭葉介はミカと同じアパートに住み、伊東晴子という恋人を持つ大学生だ。一流会社に入り現実的な夢をつかもうと思っている。だが、ふとしたことで、ミカを知ってから、彼の夢は完全にうちのめされてしまった。一流会社の就職試験に失敗した彼はミカの自由な生き方にあこがれを抱くようになった。その頃ミカは、混血黒人少年トミイのもってきた情報から、二千万円の密輸宝石を手に入れるチャンスをつかんだ。密輸組織の仲間割れに乗じようというのだ。葉介が相棒を買って出た。五百万円の現金を用意してトミイをつれ、真昼の横浜駅フォームで二人はみごと宝石を手に入れることに成功した。密輸組織の追求は警察の手入れで挫折し、宝石はミカのものとなった。ラブリホにさそわれて海外密航の旅に出るミカは葉介をさそった。一流会社の首脳を父にもつ友人に恋人晴子をつきあわせ、それと交換に職を得た葉介は、ミカの誘いに動揺した。しかし、ミカの船が出航する日、彼がえらんだのは、やはり実直なサラリーマンとなる道だった。ビルの谷間を歩く彼に、友人の子を妊娠した晴子がよりそってきた。